再処理機器、原子力防災用可搬型陽圧テント装置「M-CAS」を愛媛県から受注
三菱重工業株式会社

エアテントを容易に展張可能、原子力災害時の要配慮者らの屋内退避場所を迅速に確保
◆ 設置場所を選ばない、機動性が必要な屋内退避設備のニーズに対応
◆ 事前工事が不要で軽量、大人2名なら約5分で設営完了、省スペースでの保管も可能
◆ 居室テントとユーティリティテントを自由に組み合わせ、小規模~大規模の陽圧エリアを自在に確保
[画像:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/25611/730/25611-730-9cf31cc205a87b16dda634a04d0423f0-1500x794.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
M-CAS外観
三菱重工グループの再処理機器株式会社(RECO、社長:友光秀一、本社:東京都港区)はこのほど、原子力防災用可搬型陽圧テント(注1)装置「M-CAS(Movable-Clean Air Shelter)」を愛媛県から受注しました。
M-CASは、原子力災害が発生した際に避難が困難な要配慮者や孤立地区住民の屋内退避場所を、迅速かつ確実に立ち上げることを目的に開発したものです。体育館や公民館などさまざまな建物に設置できるよう可搬型にしています。また、少人数で迅速・簡単にテントを展張できるよう、外部フレームがなく、空気を送るだけで自立するエアテントを採用。緊急時における屋内退避空間の迅速な確保が可能です。
M-CASを開発した背景には、2024年1月の能登半島地震で多くの建物が倒壊・損傷し、屋内退避が困難となった状況があります。さらに道路が寸断されたため、要配慮者の長距離移動が難しい状況でした。このためM-CASは可搬型とし、設置場所を選ばない機動性を有するとともに、各タイプのテントを自由に組み合わせることで、設置場所のスペースに合わせた最適配置を可能にしました。建物を気密化する工事が不要なため、経済性にも優れています。
具体的には、標準テントは、居室タイプ(注2)が幅約6m×奥行き約8m×高さ約2.5m、重量約40kg。高さを2.5mに抑えることで、従来のCASでは困難だった公民館、集会場などでの展開を可能としました。このほか奥行きが約4mのユーティリティテント(内部が1~3室の3タイプ)を用意。軽量でコンパクトなテントの設営は、大人2名なら約5分で完了するため、緊急時の対応の負担になりません。
また、テントの自立と内部の陽圧化を1台で実現できる空気浄化ユニットを含め、一式を小型トラックやSUV車1台で運搬することが可能です。そのため、防災倉庫でまとめて保管し、屋内退避場所が不足する場合に指定避難所へ輸送して、迅速に避難空間を確保することが可能です。
新潟県柏崎市が8月31日に行った原子力防災訓練では、試作テントをコミュニティセンター内に設置し、訓練に参加した多くの住民の方々に実用性と機能性の高さを体験していただきました。
三菱重工グループは、万一の原子力災害発生時の要配慮者、孤立地区住民の皆様の一時避難に際し、自治体・事業者を支援すべく引き続き活動していきます。
(注1)内部の空気圧が外部の空気圧よりも高く保たれているテント。外部からの放射性物質を含む空気の侵入を防ぐ効果が見込まれます。
(注2)居室テントは要配慮者用に簡易ベッドを10台置くことができます。この他、奥行きが居室テントの半分のサイズのテントやユーティリティテントもラインアップに加え、出入り管理やトイレのスペース、支援者の休憩場所、備蓄品置き場など、お客様のニーズに合わせた避難スペースを提供しています。
【本件に関するお問い合わせ先】
担当窓口:再処理機器株式会社
https://www.reco-ltd.co.jp/contact/contact.htmlプレスリリース提供:PR TIMES
記事提供:PRTimes