顔の形状で紫外線ダメージの受けやすさが変わる!人工全顔皮膚モデルで紫外線ダメージの個人差を可視化
日本メナード化粧品 総合研究所

日本メナード化粧品株式会社(愛知県名古屋市中区丸の内3-18-15、代表取締役社長:野々川 純一)は、独自に開発した「人工全顔皮膚モデル」を用いて、顔の立体的な形状を考慮した紫外線の影響を検証する方法を確立し、顔の形状による紫外線ダメージの受け方の違いを可視化することに成功しました。
[画像1:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/48666/101/48666-101-b9ca42eff3a6e8ec7c7bfa7279bcf425-2129x1419.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
メナードは、長年にわたる幹細胞研究を応用し、人工皮膚モデルの開発を進めてきました。従来の人工皮膚モデルは平坦なシート状が一般的でしたが、独自の培養技術を活かし、個人の顔を立体的に再現した「人工全顔皮膚モデル」を開発しました*1。
今回、このモデルを用いて、顔のどの部分が紫外線ダメージを受けやすいのか(ダメージエリア)を可視化することに成功しました。日本の夏と冬の正午を再現した紫外線(UVB)を人工全顔皮膚モデルに照射し、細胞へのダメージを解析した結果、冬季条件では顔全体に弱いダメージを受けた一方で、夏季条件では額や頬に特に強いダメージを受けることが確認されました。
さらに、複数の人の顔を再現したモデルを用いて評価したところ、同じ紫外線の強度と角度でも、顔の形状によってダメージの受け方が異なることが明らかになりました。これは、従来の平坦なシート状のモデルでは得られない貴重な成果です。
本研究により、実際に人の顔に紫外線を照射することなく、一人ひとり異なる顔の形状に応じた紫外線のダメージを詳細に解析できるようになりました。今後は、この技術を活用して、シミやシワなど皮膚老化のメカニズムの解析を進め、よりパーソナルな化粧品や美容サービスの開発につなげていきます。
この研究成果は2025年10月9日に国際学術誌「Journal of Dermatological Science」に掲載されました。
*1 2024年11月7日配信ニュースリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000074.000048666.html
〈参考資料〉
1.人工全顔皮膚モデルを用いた紫外線ダメージの評価方法の確立
地表に降り注ぐ太陽光には紫外線が含まれており、シミやシワなど皮膚老化の主要な要因の一つとされています。特に顔は衣服で覆われていないため、紫外線によるダメージを受けやすく、老化の兆候が現れやすい部位です。
これまで紫外線による皮膚への影響を調べる方法としては、実際に人の皮膚に紫外線を照射するか、人工的に培養された皮膚モデル(人工皮膚モデル)を用いることが一般的でした。しかし、人の皮膚に直接紫外線を照射する場合には、安全性や被験者への負担の面で課題があり、従来の人工皮膚モデルを用いる場合は、平坦なシート状であるため、実際の人の顔の形状を考慮して紫外線のダメージを受けやすい部位(ダメージエリア)を評価することは困難でした。
メナードは、長年にわたる幹細胞研究を応用し、独自の培養技術によって個人の顔を忠実に再現した「人工全顔皮膚モデル」(図1)を開発しました。今回、このモデルを用いることで紫外線ダメージの分布を可視化することに挑戦しました。
[画像2:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/48666/101/48666-101-4ea297b53808347196cd6cd5ea0c4af5-585x467.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1 人工全顔皮膚モデル
紫外線(UVB)照射装置を用いて、日本の夏季と冬季の正午を再現した強度と角度で、人工全顔皮膚モデルに紫外線(UVB)を照射しました(図2)。翌日、生きている細胞を紫色に染めるMTT試薬を用いてモデルを染色し、外観を撮影しました。さらに画像解析ソフトを用いて、紫外線によるダメージエリアを可視化しました。
その結果、冬季条件では顔の中央部から顔全体に弱いダメージが生じていました。一方で、夏季条件では額や頬に特に強くダメージが生じており、シミやシワが発生しやすい部位と一致していました。
本研究により、人工全顔皮膚モデルを活用することで、顔の立体的な形状を考慮した紫外線ダメージの詳細な解析が可能となり、従来の平坦な人工皮膚モデルでは実現できなかった革新的な評価方法が確立されました。
[画像3:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/48666/101/48666-101-7fef3609ef92c7a2d32c8c20e28fd101-1718x2700.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2 夏季と冬季の紫外線のダメージエリア
2.パーソナルな紫外線ダメージの評価
一人ひとりの顔の形状は異なるため、紫外線のダメージの受け方にも個人差があると考えられます。しかし、この個人差を解析するには、複数の被験者に実際に紫外線を照射して解析する必要があり、安全性や被験者への負担の面から現実的ではありません。
そこで今回は、複数人の顔を再現した人工全顔皮膚モデルを用いて、個々の顔における紫外線のダメージを検証しました。まず、3Dスキャナーを用いて被験者5名の顔の形状データを取得し、それぞれの人工全顔皮膚モデルを作製しました。その後、夏季条件の紫外線を照射し、MTT染色および画像解析により紫外線のダメージエリアを可視化しました。
その結果、いずれのモデルでも額や頬に強くダメージが見られましたが、ダメージの範囲や強さには被験者ごとの違いがあることが確認されました(図3)。
本研究により、実際に人の顔に紫外線を照射することなく、顔の形状に基づく紫外線ダメージの個人差を評価することが可能になりました。今後は、顔の形状特性による紫外線のダメージの違いを見極め、よりパーソナルな化粧品や美容サービスの開発を目指すとともに、さらに進化した人工全顔皮膚モデルの開発と応用研究を進めていきます。
[画像4:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/48666/101/48666-101-49f29b53477f9ce0c69da00821909a7e-2093x2517.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図3 被験者5名の紫外線のダメージエリア
プレスリリース提供:PR TIMES



記事提供:PRTimes