日本アカデミー賞ダブル受賞を獲得した安田淳一監督作品「侍タイムスリッパー」が生まれる背景となった安田監督のこれまでの系譜を探ります。
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上田慎一郎監督作品低予算映画「カメラを止めるなの」の大ヒットを参考に、ヒット作の構図を描き戦略を練って作り上げた作品が今回、日本アカデミー賞「最優秀作品賞」 「最優秀編集賞」ダブル受賞を獲得した安田淳一監督作品「侍タイムスリッパー」が生まれる背景となった安田監督のこれまでの系譜を探ります。
天理教の学生会で行われていた奉仕活動である「ひのきしん」の一環で行われた「子共ミュージカル劇場」が安田監督が芸術作品に関わる一つのきっかけとなりました。
素人ばかりで構成されたミュージカルで、京都教区学生会の委員長を務めた安田監督は、舞台と演劇の魅了にとりつかれ、いかに子供達に喜んでいただける舞台を作り上げられるかを委員長時代は常日頃から考えていたと言います。
プロが誰一人いない現場で試行錯誤で作品を作り上げていく中で、「侍タイムスリッパー」を作り上げていくベースとなった監督、撮影、編集などの能力が培われ、今回は映画制作に関わる様々な役割11役を一人でやりこなすといった精力ぶりだった。
子供の頃ををよく知る教会長には「淳くんは芸術的で、周囲とは少し違った印象があった」と当時の様子を振り返っていました。
黒澤明監督作品「椿三十郎」を見て感妙を受けて、いつか映画作品を作りたいと考えて大学在学中には8ミリビデオで映画作品を作ったり、卒業後は映像制作の会社やイベント演出等の仕事を経て40歳の時に映画制作に本格的に取り掛かることになった。
脚本の面白さを買われて、東映京都撮影所の特別協力が得られたことで生まれた「侍タイムスリッパー」
本作品では会津藩士だった高坂新左衛門が現代日本にタイムスリップし、武士の時代も幕府もなくなり愕然とする中で、偶然出会った現代人の中に溶け込み、現状を受け入れ腐らずに適合していく姿が印象的な作品で、ただのコメディかと思いきや深い考察に基づいた緻密な作品構成が魅力で、伏線回収はまさに「カメラを止めるな!」に学んだエッセンスが盛り込まれた、最後まで目が離せない芸術作品となった。
余談ではあるが「カメラを止めるな!」のキャストの一人は記者の古い友人で、当時は居酒屋でバイトをしている身だったが「バイトだろうが、日雇いだろうが、日々の所作が演劇に出るから本業ではないから手を抜かない方がいい」という助言をした記憶があり、数年後に異例のヒットになったことに直接的な因果関係があるかどうかはわからないが、少しは映画ヒット助力の一端になったのであれば嬉しく思う。
Daisuke Tarutani
欧州ジャーナリスト連盟会員
Japan JP 465 NJ269 photographer
樽谷大助
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執筆 国際ジャーナリスト KANAME YAGIHASHI
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記事提供:DreamNews