全国の309病院から回答「2025年度 病院経営課題の実態調査」(速報)
日本能率協会

病院経営における経費負担の増加や、人手不足といった課題が浮き彫りに
一般社団法人日本能率協会(会長:中村正己、JMA)は、病院が抱える経営課題を明らかにし、これからの経営指針となるテーマや施策の方向性を探ることを目的として、全国の病院を対象に『病院経営課題の実態調査(2025)』を実施しました。小会では、「病院経営課題の実態調査」を2024年から実施していて、今回で2回目になります。
本調査の結果、病院経営における経費負担の増加や、人手不足といった課題が浮き彫りになりました。以下はその結果です。
なお、本調査の結果については、2025年11月19日(水)、小会が医療関係者を対象に、東京ビッグサイトで開催する医療サービスの維持・拡充を目指すサミット「スマートライフ+サミット」の座談会で、病院団体の代表者のみなさまに討議いただく予定です(司会:高橋泰 国際医療福祉大学大学院教授・専攻主任)。
・調査期間:2025年10月8日(水)~28日(火)
・調査対象:全国の8,065病院
・有効回答:309病院
・調査方法:Webアンケート
・約4割の病院で外来・入院収入はコロナ禍前にも戻らず、支出の拡大により経営状況を圧迫している。
・いまの経営課題は、人件費・人件費以外の経費の負担が大きくなり、資金調達も難しくなっている。
・DX(デジタルトランスフォーメーション)に「積極的に取組んでいる」と回答した病院は20%以下、DXに取り組んでいる病院の35%以下しか効果を実感できていない。
・高齢者がピークを迎える2040年に向けて病院経営上の対策が昨年と比べてあまり進展がない。
【回答者属性】
2024年度より有効回答数は86件多く、309病院から回答を得た。構成比では300~399床の
病院の割合が少し増えたものの、昨年度同様の構成となっている。
[画像1: 
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【病院の経営課題の概況】
1.約4割の病院で外来・入院収入はコロナ禍前の水準に戻っていない
昨年の調査と比較して、外来収入はコロナ禍前より回復している一方、入院収入は微減している。約4割の病院は外来・入院収入はコロナ禍前の水準に戻っていない。
●外来の前年度収入(2025)           ●入院の前年度収入(2025)
[画像2: 
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●外来の前年度収入(2024)            ●入院の前年度収入(2024)
[画像3: 
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2.現在の経営課題は、人件費・人件費以外の経費の負担が大きく、経営状況は厳しい
昨年の調査と同様、現在の経営課題は「人件費の増加」が約8割、「人件費以外の経費の増加」が約6割と多く占めている。
昨年比で、「職員の確保難」の回答割合が下がり、連動して「人材派遣会社への手数料の増加」も下がっている。
今年度の調査では「資金調達難」が2.4ポイント増えた。背景には、新型コロナウィルス関連融資の返済期を迎える中、世界的なインフレや円安の影響を受け、政策金利の引上げにより資金調達が難しくなっていることが推測される。
●現在の経営課題(2025)
[画像4: 
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●現在の経営課題(2024)
[画像5: 
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                                                                                                                         (複数回答可。最大3つまで)
3.病院の移転・改築に対するマインドが変化
昨年調査と比較し、「移転・改築費用を確保できない」・「移転・改築による経営の見通しが立たない」・「移転先を確保できない」などの回答が、昨年比で7~10ポイント減少した。
昨今の建築資材・人件費の高騰や厳しい経営状況を受け、移転・改築より修繕に病院の方針が変化しつつある。
●移転・改築の検討状況(2025)
[画像6: 
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●移転・改築の検討状況(2024)
[画像7: 
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                                                                                                                                            (複数回答可)
4.DX(デジタルトランスフォーメーション)は約8割の病院が重要と考えるが、積極的に取り組んでいる病院は20%以下、DXに取り組んでいる病院の35%以下しか効果を実感せず
昨年調査と同様、「DXに取り組んでいる」病院は約8割を占めているのに対し、「効果を実感できている」病院は依然として約3割に留まっている。
DXに「積極的に取り組んでいる」と回答した病院は昨年より1.8ポイント上昇し、DXの「効果が実感できている」と回答した病院は昨年比4ポイント増加した。特に、200床以上の病院で「積極的に取り組んでいる」が昨年比約8ポイント増加し、「効果が実感できている」が昨年比約3ポイント増加した。
●DXについて(2025)            ●DXについて(2024)
[画像8: 
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●DXの取り組み状況について(2025)      ●DXの取り組み状況について(2024)
[画像9: 
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●DXに効果ついて(2025)           ●DXに効果ついて(2024)
[画像10: 
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                                        (DXに取り組んでいる病院のみ)
5.省人化に向けたIoTの活用は、全体の17%に留まる。サービスロボット導入はこれから進んでいく
省人化に向けたIoTの導入について、「重要である」と約7割の病院が回答した。
しかし、「重要である」と回答した病院のうち、約25%の病院で「活用している」状況だが、全体で見ると「活用している」のは約17%に留まっている。サービスロボット導入はこれから進んでいく。
●省人化に向けたIoTの活用について      ●IoTの活用状況について
[画像11: 
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                                         (重要である回答した病院のみ)
●活用・検討しているIoT製品・サービス
[画像12: 
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        (活用している・検討している病院のみ)
6.高齢者数がピークの2040年に向けて病院経営上の対策が昨年と比べてあまり進展がない
昨年調査結果と同様の傾向だが、「対策を進めている」・「対策を計画している」が微減となる。
いまの病院経営に追われ、将来的な対策まで進めていないことが伺える。
●2040年に向けた対策(2025)          ●2040年に向けた対策(2024)
[画像13: 
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医療従事者・関係者を対象に、高齢者がピークを迎える2040年の医療サービスの維持・拡充を目指すサミットです。本サミットでは、「病院給食」、「サービスロボット」、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」、「病院経営課題実態調査」、「PHR」の5つのテーマを取り上げ、各医療機関で取り組んでいる具体的な事例共有などを紹介します。
本サミットで開催される座談会では、本調査の結果をもとに、病院団体の代表者のみなさまに討議いただく予定です(司会:高橋泰 国際医療福祉大学大学院教授・専攻主任)。
小会では現在、本サミットの参加者を募集しています。参加ご希望の方は、下記の要領でお申し込みください
・開催日時:2025年11月19日(水) 15:30~17:00
・会場:東京ビッグサイト 会議棟6F 「608(B会場)」
・対象者:病院経営者・診療所経営者・医師・医療従事者・病院事務・医療関連サービス事業者・行政担当者・コンサルタント事業者・企業担当者他
・参加者数:100名
  *定員に達し次第、申し込みを締め切りとさせていただきます。
・参加費:2,750円
・主催:一般社団法人日本能率協会
【サミット詳細・お申込み】
https://smartlifeplus.jma.or.jp/visitors/#event
*本セミナーにおける個人情報の取り扱いについては
https://www.jma.or.jp/privacy/index.htmlをご確認ください
【本件に関するお問い合わせ先】
一般社団法人日本能率協会 産業振興センター内 スマートライフ+事務局(担当:朝日)
〒105-8522 東京都港区芝公園3-1-22
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