Metso社とリチウム精錬分野での協業に向けたMOUを締結
日揮HD

持続可能な精錬技術を活用し、リチウム生産拡大に貢献
日揮ホールディングス株式会社(代表取締役会長兼社長CEO 佐藤雅之)は、海外EPC事業会社である日揮グローバル株式会社(代表取締役 社長執行役員 山田昇司。以下「日揮グローバル」)がリチウム精錬技術において独自のアルカリ浸出法を保有するMetso(本社:フィンランド・エスポー。以下「Metso社」)と、同技術を活用した協業の可能性を探るため、本年10月29日付で非独占的な覚書(MOU)を締結したことをお知らせします。
 
重要鉱物であるリチウムは、二次電池用途を中心に世界的な需要増が見込まれる一方で、資源分布や精錬技術は一部の地域に偏在しており、安定供給確保が課題となっています。また、現在生産地の多くで利用されているリチウム精錬技術「硫酸焙焼法」は、腐食性の高い硫酸の使用や中和工程、および複雑な不純物除去工程が必要となり、副産物や残渣による環境への影響が長年懸念されてきました。
こうした課題に対し、Metso社が開発した「アルカリ浸出法」は、アルカリ溶液を用いて精鉱(コンセントレート)などからリチウムを浸出させる技術です。同技術では硫酸を使用しないため、中和剤をはじめとする薬剤の消費量や残渣発生量も低減できるうえ、副産物として発生する残渣は化学的に安定し建築資材用途での再利用も可能なことから、環境負荷の低減と持続可能性に優れた精錬技術です。加えて、設備構成も従来法に比べて簡素化できることから、初期設備費用や運転費用を低減できる点で経済性にも優れており、二次電池などが世界に広く普及していくことで増大するリチウム需要に応えエネルギー転換に貢献していくことが期待されています。
日揮グローバルは、設計・調達・建設(EPC)分野において豊富な実績と専門性を有し、非鉄製錬分野においては、ニッケル高圧浸出法(HPAL)など難易度の高い技術を用いた湿式製錬設備※を世界で唯一成功裏に複数件納入した実績を誇ります。今後さらに非鉄製錬市場の拡大が見込まれるなか、Metso社とのシナジーで当社グループの事業競争力が一層高まると考え、MOU締結に至りました。
※ニッケルHPAL製錬プラント | プロジェクト | 日揮ホールディングス株式会社
本MOUにより両社は、Metso社独自のアルカリ浸出技術と日揮グループが持つ顧客基盤やEPC役務に係る専門性等を活用し、潜在的な顧客への提案活動を通じて新たなビジネス機会を探ります。具体的には、Metso社が技術支援やパイロット試験の実施、ライセンス供与の検討を行います。日揮グローバルは国内EPC事業会社である日揮株式会社と連携し、顧客基盤を有する日本や東南アジア、中東地域を中心に積極的な営業活動を展開するほか、FS(フィージビリティスタディ)やFEED(基本設計)の提案・実施、将来的なEPC役務およびO&M(オペレーション&メンテナンス)におけるMetso社との協業の可能性を検討します。
 日揮グループは今後、世界最大手の鉱物および金属処理技術・装置・サービスを供給するリーディングカンパニーであり先進的な精錬技術を有するMetso社と連携することで、持続可能性の高いリチウム精錬ソリューションを提供し、重要鉱物の安定供給確保ひいては低・脱炭素社会の実現に寄与してまいります。
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締結式の様子(左:Metso社 Vice President Hydrometallurgy and Thermal Processing, Mikko Rantaharju氏、 右:日揮グローバル  山田昇司社長執行役員)
(ご参考)Metso社の概要
[表: 
https://prtimes.jp/data/corp/65135/table/307_1_fb9776173a9a338234da820e0f22b808.jpg?v=202511041216 ]
プレスリリース提供:PR TIMES
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