【DTS】DTSが中心となる合同チームが「量子HPC連携プラットフォーム向けスーパーコンピュータ」システムの構築を受注
株式会社DTS

株式会社DTS(本社:東京都中央区、代表取締役社長:北村 友朗)は、グループ会社のデジタルテクノロジー株式会社(本社:東京都荒川区、代表取締役社長:木部 俊明)をはじめ、株式会社ScaleWorX(本社:東京都千代田区、代表取締役社長兼CEO 山田 昌彦)、GIGA Computing Technology CO.LTD.,(本社:台湾新北市、代表者:CEO、Daniel Hou)からなる合同チームを組織し、理化学研究所(所在地:埼玉県和光市、理事長:五神 真、以下 理研)が主体となって進める「量子HPC※1連携プラットフォーム向けスーパーコンピュータ」のシステム構築を受注しました。また、本システムは、2025年度中の構築完了を予定しています。
※1:HPC(High Performance Computing):高性能計算
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今回、理研 計算科学研究センターが主体となって進めている「量子HPC連携プラットフォーム向けスーパーコンピュータ」は、スーパーコンピュータの得意とする超高速の演算処理能力、AIスーパーコンピュータの学習・推論に特化した処理能力、量子コンピュータの複雑な処理を量子力学の理論をつかって処理する能力、それぞれの得意な領域にあわせ、処理を効率的に分散、配分し、従来のHPC単体では実現が困難だった新たな計算領域の開拓を目指しています。
また、日本を代表するスーパーコンピュータ「富岳」※2をはじめとする複数のスーパーコンピュータと、IBM社製の超伝導型量子コンピュータ「IBM Quantum System Two」※3やQuantinuum社製のイオントラップ型量子コンピュータ「黎明」※4などを、高速ネットワークで密に連携させ、ポスト5G時代のネットワークで提供されるサービスとして展開するための技術開発を推進するものでもあります。
※2:スーパーコンピュータ「富岳」:理化学研究所と富士通が共同開発した日本のスーパーコンピュータ。2020年に世界ランキングで1位を獲得。
※3:IBM Quantum System Two:IBMが開発する次世代の超伝導型量子コンピュータ。高いスケーラビリティと安定性を特徴とする。
※4:Quantinuum「黎明」:イオントラップ方式を採用した量子コンピュータ。高精度な量子ゲート操作が可能。
DTSは、この「量子HPC連携プラットフォーム向けスーパーコンピュータ」の機器調達、システム構築から、実際に機器を設置し、保守運用まで、すべてのフェーズごとに高い専門性を有する企業を選定し、本プロジェクトを強力にサポートする合同チームを組織しました。
今後は、2025年度中のシステム構築完了を目指し、本プロジェクトを強力にサポートしていきます。
■理研 計算科学研究センター 量子HPC連携プラットフォーム部門 部門長 佐藤 三久 氏
「導入されるNVIDIA GPUシステムにより、量子ソフトウエアの開発に重要な量子コンピュータのシミュレーション環境を充実化することができるだけでなく、富岳に加え量子HPCハイブリッドコンピューティングを支える計算資源の拡大と量子機械学習など量子コンピュータとGPUを組み合わせて行う、量子HPC連携による新しいアプリケーション分野の開拓が期待されます」
■株式会社DTS 上席執行役員 谷 博
「この度、DTS、グループ会社のデジタルテクノロジーを中心とした各分野のプロフェッショナルチームを選定いただいたことに、まずは感謝いたします。我々としてもこのような国家的なプロジェクトに参加できることをとても誇らしく感じています。DTSは、こうした世界最先端の機器から、ビジネス、社会インフラを担うITシステム、さらには生成AIを活用した次世代ITまで、さまざまなお客様のご要望に寄り添えるパートナーとしてご評価いただいています。今回のプロジェクトでも、各フェーズでの高い専門性を生かし、チーム一丸となって取り組む所存でございます」
<プロジェクト概要>
「量子HPC連携プラットフォーム向けスーパーコンピュータ」は、理研 計算科学研究センター内に設置され、「富岳」や量子コンピュータとDirect Access API※5を通じて接続されます。これにより、量子とHPCを統合的に活用したアプリケーション開発が可能となり、将来的には量子コンピュータのシミュレーション環境としての活用も見込まれています。
新システムは、NVIDIA社製Grace Blackwellスーパーチップ「GB200 NVL4」※6を搭載した計算ノード135台(GPU 540基)で構成され、ノード間は同社製InfiniBand XDR※7により最大3.2テラビット毎秒(Tbps)の高速通信が可能です。温水冷却サーバ※8を採用することで、高性能と高エネルギー効率を両立しています。
演算性能は、倍精度浮動小数点演算(FP64)※9で21ペタフロップス(PFLOPS)以上、8ビット浮動小数点演算(FP8)※10では5エクサフロップス(EFLOPS)以上を誇り、世界有数の計算能力を提供します。
本プロジェクトは、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(JPNP20017)」の委託事業「計算可能領域の開拓のための量子・スパコン連携プラットフォームの研究開発(研究代表者:理研 計算科学研究センター 量子HPC連携プラットフォーム部門 部門長 佐藤 三久 氏)」によって行われています。
※5:Direct Access API:量子コンピュータとHPCを直接接続し、データのやり取りやジョブ制御を可能にするインターフェース。
※6:GB200 NVL4:NVIDIAの最新世代Grace Blackwellアーキテクチャに基づく高性能GPUスーパーチップ。AIおよびHPC向けに設計されている。
※7:InfiniBand XDR:NVIDIAが提供する高速ネットワーク技術で、最大800 Gbpsの通信速度を実現。HPCクラスタ内の低遅延通信を可能にする。
※8:温水冷却サーバ:サーバの冷却に温水を用いることで、冷却効率を高め、エネルギー消費を削減する技術。
※9:FP64(倍精度浮動小数点演算):64ビットの浮動小数点数を用いた演算方式で、科学技術計算など高精度が求められる用途に使用される。
※10:FP8(8ビット浮動小数点演算):AIや機械学習などで利用される低精度の演算方式。高速かつ省電力での処理が可能。
※本文中に記載されている会社名、製品名、サービス名等は、各社の登録商標または商標です。
(ご参考)
2025年11月18日 理化学研究所プレスリリース
https://www.riken.jp/pr/news/2025/20251118_1/index.html
2025年11月18日 デジタルテクノロジー株式会社プレスリリース
https://www.dtc.co.jp/press_20251118
<株式会社DTSの概要>
DTSは、総合力を備えたトータルシステムインテグレーター(Total SIer)です。主に金融、情報通信、製造、公共、建築分野向けに、コンサルティングからシステム設計・開発、基盤構築・運用までをワンストップで提供します。
また、DTSグループは、システムに関わるさまざまな専門性を活かした付加価値の高いサービスを提供します。
https://www.dts.co.jp/
本社所在地:〒104-0032 東京都中央区八丁堀 2-23-1 エンパイヤビル
プレスリリース提供:PR TIMES

記事提供:PRTimes