FuriosaAI、「2025 Korea Tech Festival」で世界各国の通信社・機関から自社技術需要を確認
AVING News
産業通商資源部が主催し、韓国産業技術企画評価院（KEIT）、韓国産業技術振興院（KIAT）、大韓貿易投資振興公社（KOTRA）、韓国産業技術試験院（KTL）が主管する「2025 Korea Tech Festival（コリア・テック・フェスティバル）」が12月5日に閉幕した。2025 Korea Tech Festivalは「技術の力、事業化の価値、産業の未来」をテーマに企画され、産業技術および研究開発成果を共有する「産業技術R&D総合大展」と大韓民国技術事業化大展が統合されたイベントだ。
同フェスティバルの主な目的は、先端産業に対する政府の研究開発支援成果と計画を発表し、公共研究機関、大学、大企業、スタートアップが保有する革新的な技術と研究成果を広く知らせることにある。企業の創業から製品の市場投入に至るまでの研究開発全周期の支援成果を確認できる場として、産業界から大きな注目を集めた。
サムスン電子、現代自動車など韓国を代表する企業が出展
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2025 Korea Tech Festivalの「AIファブレス特別館」の様子（画像提供：FuriosaAI）
開幕式では、元プロ囲碁棋士の李世乭（イ・セドル）UNIST特任教授、世界初の青色LEDを開発しノーベル物理学賞を受賞した中村修二UCサンタバーバラ教授、SRIベンチャーズ（SRI Ventures）副社長のトッド・スタビッシュ（Todd Stavish）が基調講演を行い、未来社会におけるAI、韓国が挑戦すべき未来技術、米国の技術事業化動向について発表した。
展示館はサムスン電子、SKハイニックス、LG電子、サムスンディスプレイ、サムスン重工業、現代（ヒョンデ）自動車、エコプロBM（EcoProBM）などを含む78社、約180ブースで構成され、産業通商資源部を代表する「R&D代表10選」、韓国AI半導体技術企業で構成された「AI半導体特別館」、公共研究機関と韓国企業が参加する「Tech2biz Day」などが開催された。また、KEIT、KIAT、KOTRA、KTLの4機関がR&D企画・評価、事業化支援、海外進出、試験・認証などの全周期支援体系を紹介する説明会も開かれた。
韓国主要AIディープテックが集結…核心テーマは「オープンイノベーション」
3日間のプログラムの中で、KOTRA主催の「グローバルオープンイノベーションMeet-up Program」と「グローバル通信社・AIプラットフォームオープンイノベーションMeet-up Program」は予想以上の関心を集めた。韓国で日本のディープテック、グローバルVC、通信社やAIプラットフォーム、日本政府・自治体の主要関係者と直接会い、ソリューションを紹介できる貴重な機会となったためだ。フュリオサAI（FuriosaAI）、ユーキャスト（UCast）、リモ（Limo）、ワンダフル・プラットフォーム（Wonderful Platform）、モディゼンス・ビジョン（ModizensVision）、キュビック（Cubic）、ダリソフト（Darisoft）、ハーバーマックス（Habermacs）などが協業の可能性を提案するために参加した。
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FuriosaAIのチョン・ヨンボム専務が海外企業および機関関係者に向けてFuriosaAIを紹介している（画像提供：FuriosaAI）
海外通信社としては、日本の通信大手NTTドコモ、ソフトバンクをはじめ、ネットワーク機器企業のNECネッツエスアイ、ドイツのドイツテレコム（Deutsche Telekom）、インドネシアのテルコムセル（Telkomsel）、セルビアのテレコムセルビア（Telekom Srbija）が参加した。さらに、ベトナムの大手技術企業VNGの子会社でAIクラウド・HPCインフラ提供企業のグリーンノード（GreenNode）、クウェートのIT・通信サービス企業ワイダーグループ（Wajda Group）も会場を訪れた。
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FuriosaAIのブースを訪れた機関関係者がRNGDサーバーについて質問している（画像提供：FuriosaAI）
最も注目を集めた企業はFuriosaAIだ。同社は韓国を代表するAI半導体設計企業であり、データセンター、自動運転、ロボティクスなど幅広い分野で活用されるAI推論（Inference）に最適化された半導体RNGD（Renegade）を披露した。現在、AI半導体はモデル構築のための「学習」とモデルを動かす「推論」に用途が分かれる。NVIDIAのGPUは両方に対応できる一方、コストと消費電力が高いという課題がある。そのため推論用途に限れば、FuriosaAIのRNGDのようなNPU（Neural Processing Unit）を採用する動きが広がっている。
NPUはAI処理に最適化された設計により、GPUに比べ電力効率が高く、コストや供給面でも有利だ。データセンター、通信事業者、クラウド企業などAI推論を必要とする企業がNPUを求める理由でもある。FuriosaAIはすでに主要パートナー企業へのサンプリングを進めており、来年初めから第2世代半導体が量産に入り市場供給を拡大する。これによりNPU調達に関心を持つ海外企業が多数訪れ、RNGDの活用可能性と事業性を確認した。
3日間の展示で世界各国の機関やクラウド企業からの関心を確認
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RNGDカード8枚を搭載したRNGDサーバー（画像提供：FuriosaAI）
FuriosaAIはオープンイノベーションを通じた協業議論と並行して、「AI半導体特別館」で8枚のRNGDカードを搭載したRNGDサーバーとRNGD半導体を展示した。会場にはFuriosaAIのほか、リベリオンズ（Rebellions）、ニューラテック（Neuratek）、ディープエックス（DeepX）、ハイパーアクセル（HyperAccel）、スーパーゲート（SuperGate）、UXファクトリー（UX Factory）、BOS半導体（BOS Semiconductor）、アナログAI（Analog AI）の合計9社が出展した。
RNGDサーバーは8枚のRNGDカードと2基のAMD EPYC 9354プロセッサーで構成されたデータセンター向けサーバーだ。メモリーはカード1枚あたり48GBのHBM3を搭載し、合計384GBをサポート。性能はFP8で4096 TFLOPS、INT8で4096 TOPSを実現する。システムメモリーは1TBのDDR5をサポートし、25GBデュアルポートNICカードを2枚搭載している。ソフトウェアはFuriosaAIが構築中のコンパイラー、ランタイム、Furiosa LLMを含む簡易LLMスタックをサポートする。
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FuriosaAIの担当者がブースを訪れた来場者に技術仕様などを説明している（画像提供：FuriosaAI）
NPUサーバーおよび現場での説明が受けられる環境だったため、NPU採用を検討する企業・機関関係者が多く訪れた。FuriosaAIの関係者は「今年のイベントには日本の主要自治体である東京渋谷区、名古屋、神戸を含む6つの地方自治体がAI転換の解決策を探すために訪れ、当社ブースには日本だけでなくタイの政府関係者や政府向けビジネス事業者も訪れた」と話した。
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韓国企業の関係者やAIファブレスに関心の高い大学生も会場を訪れた（画像提供：FuriosaAI）
さらに「両国ともクラウドよりも閉鎖環境でAIを運用するオンプレミス条件を好む傾向がある。政府が求める性能と予算は明確だが、NVIDIA GPUだでは実現が難しいため、FuriosaAIのNPUで実現できるかどうか相談を受けた。また各国のさまざまな政府プロジェクトでNPUを導入できるかという意見も寄せられた」と述べた。
韓国産AI半導体、需要拡大に向け努力続く
韓国のAI半導体企業はすべて国内外で確実な需要先を必要としており、そのためには初期導入事例と産業エコシステムの構築が同時に求められる。今日NVIDIAがAI半導体市場の中心となれたのは、ジェンスン・フアン（Jensen Huang）CEOが2005年からGPGPUによる産業活用とソフトウェアエコシステムを構築してきた結果だ。GPUインフラ市場は強固だが、NPUが担える領域も確実に存在し、韓国のAI半導体企業も導入事例を着実に積み上げるため努力を続けている。
FuriosaAIはLG AI研究院へのLLM推論用半導体の供給を基に、国内外企業にLLM推論用途としての可能性を提案しており、RebellionsはKTクラウドおよびSK Telecomとの戦略的協業を通じてNPU導入実績の確保を進めている。またNPU導入企業がスムーズに運用できるよう、カスタムソフトウェアや共同開発支援も行っている。
FuriosaAIは2025年AI半導体海外実証支援事業を基に、ダゾンビズオン（Douzone Bizon）と協力し日本中小企業向けのサービス導入を開始した。企業がERP、データ分析、電子決裁検証、メール分析などで構成されたカスタムAIサービス「Douzone Bizon ONE AI」を導入すると、その演算処理をFuriosaAIのRNGDで実行する仕組みだ。2026年にはRNGDが本格量産され市場投入される予定で、より多くの導入事例を確保し、韓国AI半導体企業の実力を示すことが期待される。
プレスリリース提供：PR TIMES
記事提供：PRTimes
