【領土・主権展示館ゲートウェイホール】3月17日(火)英国伊能小図の実物大レプリカの展示開始-世界に影響を与えた伊能忠敬の地図-
領土・主権対策企画調整室

領土・主権展示館のゲートウェイホールにおいて、世界に3セットしか確認されていない伊能忠敬の地図「伊能小図」のうち、英国国立公文書館所蔵品の実物大レプリカ展示を開始します。
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ゲートウェイホールに展示している「伊能小図」実物大レプリカ
領土・主権展示館は最新技術を活用した体験・体感型展示などで日本の領土や海について学べる施設です。同展示館の多目的空間ゲートウェイホールでは、3月17日、世界に3セットしか確認されていない伊能忠敬の地図である「伊能小図」、その中でも特に保存状態の良い英国国立公文書館所蔵のものの実物大レプリカの展示を開始します。
1.「英国伊能小図」とは?
伊能忠敬は、1800(寛政12)年から1816(文化13)年にかけて日本沿岸を実測し、その成果を元に、彼の死後、 1821(文政4)年に「大日本沿海輿地全図」(以下「伊能図」)が幕府に提出されました。同図は、大図(3万6000分の1)214枚、中図(21万6000分の1)8枚、小図(43万2000分の1)3枚で構成されます。
伊能図の正本は、明治6年(1873)の皇居火災で焼失し、また伊能家から献納された副本(控図)は大正12(1923)年に関東大震災で焼失した結果、今も残る伊能図は非常に貴重なものです。
特に、全国を3枚で構成する「伊能小図」のセットとして完全なものは、東京国立博物館、ゼンリンミュージアムが所蔵するものに加え、英国国立公文書館が所蔵するものの合計3つしか確認されていません。英国国立公文書館が所蔵する伊能小図、すなわち「英国伊能小図」はその中でも特に保存状態が良いものです。
「英国伊能小図」は、江戸幕府が、1861(文久元)年、オールコック英国公使を通じて英国海軍に提供したものであり、英国海軍水路部が当時発行した水路誌にも「多大な信頼を置くに足る程正確」と記述されるなど、英国側に高く評価されました。英国海軍は、この地図を元に、当時、世界の最先端であった同国の日本周辺の海図を大幅に改善、世界の地図・海図の発展に大きな影響を与えました。
「小図」という名前ですが、165×184 cm(北海道)、260×165 cm(東日本)、212×164 cm(西日本)もある大変大きな地図です(いずれの大きさも、英国国立公文書館が公開しているデータに基づく)。
2.今回の展示について
英国伊能小図は、英国水路部が所蔵していた後、グリニッジ英国国立海事博物館に移管され、現在は、英国国立公文書館が所蔵しています。
内閣官房領土・主権対策企画調整室では、領土・主権展示館のゲートウェイホールの目玉の一つとなる常設展示として英国伊能小図の実物大レプリカを制作することを計画し、英国国立公文書館の許可を得て、2025年9月に、英国伊能小図を詳細に撮影し、同データを統合した画像データをもとに今回の実物大レプリカを制作しました。
英国国立公文書館での撮影に際しては貴重な原図を傷つけないよう特別な撮影台を制作し、その上に原図を設置して撮影しています。
また、ゲートウェイホールの設計にあたって英国伊能小図の配置をあらかじめ考慮し、非常に大型の地図でありながら、壁に垂直な形での展示を実現しました。また、大型な地図であることを考慮し、地図の右にある「デジタル日本地図コーナー」にて、同図のデジタルデータを詳細に確認できる環境を整備しています。
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(左上から3枚)今回制作した特別な撮影台、この撮影台に英国伊能小図を載せて撮影。カメラを動かすことで部分々々の撮影を行い、後に統合して地図全体のデータを制作する。
(右上)複製の専門家が原図の色調を確認しているところ。
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(左)3月16日、英国伊能小図の設置の前に、複製の専門家と、同図について研究を行った八島邦夫元海上保安庁海洋情報部長(左)の間で議論。
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(左)「デジタル日本地図コーナー」。今回撮影した地図デジタルデータは同コーナー上で詳細に閲覧可能。
3.英国伊能小図の見どころ
英国伊能小図上には、英国海軍水路部が同図を元に海図を作製するために作業を行った様々な痕跡を確認することができます。
(1) 地名のアルファベット・英語表記の追記
国名、山、岬、島など海図に必要な日本国内の地名にアルファベット・英語表記が行われています。また八甲田山がYakotayamaになっているなど漢字の読み方が誤っている地名も散見されます。
(2) 海岸線の太い赤線でのなぞり書き
北海道の一部を除く日本全域の海岸線が朱色で太くなぞられています。これは海図への転写を容易にするためのものと推測されます。
(3)方眼線・南北線の記入
伊能図の日本列島の形状は現代の地図と比べて遜色がありませんが,経度については、京都を通る経線を中央子午線として独自の計算で求めた値に基づいているため、北海道や東北北部,九州南東部では実際の経度とのずれが見られます。右図の赤線で示される南北線は伊能小図の経線とは別に描かれています。
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東北日本南北線の記入(鉛筆黒線を八島邦夫氏が赤線で補筆)海図作製のための作業痕跡。画像は八島邦夫氏の提供によるもの。
参考文献
八島邦夫「伊能図の海図への利用─日本の正しい形・位置を世界に伝えた英国海図を中心に─」『地学雑誌』129巻2号(2020年)
八島邦夫、鈴木純子「現存する(最終本)伊能小図をめぐって-英国伊能小図についての新知見を中心に-」『地図』56巻1号(2018年)
施設概要
[表:
https://prtimes.jp/data/corp/160001/table/22_1_afe846c76fd98d59a4d8a605baf14057.jpg?v=202603240515 ]
プレスリリース提供:PR TIMES





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