【世界初】イノカ、独自の「環境移送技術(R)」を活用した閉鎖環境でのゲンゴロウ繁殖に成功
株式会社イノカ

~「環境移送技術(R)」を海洋から淡水・里山領域へ拡張し、企業のネイチャーポジティブ戦略の支援・生物多様性を基軸とした新規事業立ち上げ支援を本格展開~
「環境移送技術(R)」を駆使し、自然の「可視化」と「価値化」を進める株式会社イノカ(本社:東京都文京区、代表取締役CEO:高倉葉太、以下「イノカ」)は、閉鎖環境下(同一水槽内)における南方系ゲンゴロウ3種の産卵から羽化までの繁殖に世界で初めて成功いたしました。(2026年6月 当社調べ)
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今回の繁殖研究に使用した水槽
イノカは、独自の「環境移送技術(R)」により、自然環境下では外部要因(ノイズ)が多く特定が困難とされていた企業活動(排水・製品・土地活用等)と生態系の変化との因果関係を、閉鎖系のラボ環境下において精密に数値化・可視化してまいりました。
今回、生態系ピラミッドの重要な位置を占めるゲンゴロウのライフサイクルを閉鎖系で再現できたことは、単なる一種の保存に留まらず、里山や淡水域という複雑な生態系そのものをラボ内に再現することが可能になったことを象徴しています。イノカは、これまで、サンゴ礁やマングローブなどの海洋生態系で培った知見を、里山(陸域・淡水域)へと拡張します。
「環境移送技術(R)」を活用することで、企業は自社の技術やアクションが自然に与える影響を、客観的なエビデンスに基づいて把握することが可能となります。TNFD開示で求められる拠点周辺の高度な環境評価や、グローバルサプライチェーンにおいて不可欠な「生物多様性へのプラスの貢献」を強力に支援し、企業のネイチャーポジティブ戦略を「守り」から「攻め」へと転換させる体制を強化してまいります。
背景
現在、世界経済は「ネイチャーポジティブ(自然再興)」という新たな概念へとシフトしています。世界経済フォーラム(WEF)の試算によれば、世界GDPの半分以上に相当する約44兆ドルが自然資本に依存しており、生態系の劣化は年間最大2.7兆ドルの経済損失をもたらす深刻なリスクとして認識されています。
こうしたグローバルな潮流において、日本はTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)のアダプター登録数が世界最多の209組織に達するなど、国際的なルールメイキングを主導する立場にあります。
自然関連情報の開示といった「守り」のフェーズは、着実に進展しています。
しかし、EYの調査(Global Nature Action Barometer 2025)によれば、情報の開示に取り組む企業が93%に達する一方で、実際に「ネイチャーポジティブ(自然再興)」な目標を公表している企業はわずか3%に留まっています。
この顕著な差は、自社の技術やアクションが自然に与えるポジティブな影響を科学的に証明し、それを具体的な事業機会へと昇華させるための専門家や知見が、世界的に不足しているという深刻な課題を浮き彫りにしています。
イノカは、この課題に対し2019年の創業以来、CAO(Chief Aquarium Officer)増田直記が持つサンゴへの圧倒的なパッションを原動力に、資生堂やJFEスチールといった企業と共に、科学的エビデンスに基づくネイチャーポジティブビジネスを創出してきました。その過程で私たちは、増田のような深い情熱と洞察を持つ市民探究者が各地に存在し、彼らこそが「ビジネスと自然」を繋ぐ役割になり得ると確信しました。
そこでイノカは4年前より、こうした卓越した生物探究者を集め、彼らの知見を企業の課題解決に生かすプラットフォーム「イノアク(Innovate Aquarium Festival)」を運営してきました。この取り組みの中で出逢ったのが、ゲンゴロウ飼育者の「しん氏」です。しん氏は、水域と陸域の境界である「エコトーン(遷移帯)」の開発によるネイチャーポジティブな未来を提案し、今回の淡水生態系における世界初の繁殖成功へと繋がる共同研究の核となりました。
第二回 イノアクの様子
指標生物としての価値
日本の国土の約4割を占める「里山」は、食料生産や水質浄化といった多機能な恩恵(生態系サービス)をもたらす宝庫です。その経済価値は年間約1,380億円に達すると推計されており、日本全体の持続可能性を支える重要な基盤となりつつあります。(環境省 里地里山の生物多様性の経済的価値の評価(CVM)より引用)
この豊かな生態系のシンボルが、水中の指標生物であるゲンゴロウです。
成虫は水辺をきれいにする「掃除屋(スカベンジャー)」、幼虫は「ハンター」という二つの顔を持ち、生態系ピラミッドの要として機能しています。ゲンゴロウが自律的に繁殖できる環境は、餌となる微細な生き物から産卵場所となる水草まで、健やかな食物連鎖が保たれている証明となります。
実験の概要と結果
従来のゲンゴロウをはじめとする水生昆虫の幼虫飼育は、共食いの観点からプラスチック容器や茶漉しによる個別管理が主流でした。しかし今回、しん氏によるゲンゴロウの飼育ノウハウとイノカ独自の「環境移送技術(R)」を掛け合わせることで、水域と陸域の境界である「エコトーン(遷移帯)」を水槽内に再現。生態系を丸ごと再現する「環境での飼育」により、同一水槽内での自然な共存と繁殖を可能にしました。
その結果、以下の南方系ゲンゴロウ3種(ヒメフチトリゲンゴロウ・トビイロゲンゴロウ・オキナワスジゲンゴロウ)において閉鎖人工環境下での繁殖に成功しました。
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ヒメフチトリゲンゴロウ
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トビイロゲンゴロウ
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オキナワスジゲンゴロウ
今後の展望
今回の南方系ゲンゴロウの繁殖成功により確立された技術は、日本の国土の約4割を占める里山生態系への応用、およびその環境下での技術的検証を可能にします。
現在、イノカが提供するネイチャーポジティブに資するビジネスを開発するプログラムには、既に製造・建設・金融など多業種の企業が参加しています。これは、TNFD等の開示フェーズを超え、自社の技術が自然に与えるインパクトを具体的に検証したいという企業側のニーズが、かつてないほど高まっていることを示しています。
今後、里山を企業の技術や製品を応用・検証するための「制御可能なフィールド」として提供し、新たなネイチャーポジティブビジネスの創出を加速させます。イノカは今後も、科学的エビデンスに基づいたネイチャーポジティブビジネスのアイデア創出から実装までを一貫してサポートする伴走型支援を継続してまいります。
関係者によるコメント
生態圏探求者・第2回イノアクファイナリスト しん氏
これまで私は、ゲンゴロウという生き物に魅了され、その生態を解明するために現場での観察や飼育に情熱を注いできました。しかし、従来の水生昆虫飼育において、特に幼虫期の飼育はプラスチック容器等での個別管理が中心で、自然界のような複雑な営みを再現することには限界を感じていました。今回、イノカの皆さんと出会い、私が培ってきたゲンゴロウの知見と、「環境移送技術(R)」という生態圏エンジニアの技術が融合したことで、水槽内に水域と陸域の境界である「エコトーン」を再現することができました。その結果、南方系ゲンゴロウ3種の同一水槽内繁殖という世界初の成果を手にすることができ、言葉にできないほど嬉しく思っています。これからもイノカの皆さんと自然界の不思議を解き明かす新しい挑戦を続けていきたいです。
株式会社イノカ 生態圏エンジニア 島野 晴斗
私は幼い頃から水生昆虫が大好きで、その「好き」という純粋なパッションに突き動かされてイノカに入社しました。入社以来、CAOの増田やイノアクファイナリストのしんさんという、生き物に対して圧倒的な情熱を持つ方々と出会い、多くを学んできました。今回、しんさんの深い洞察と、私たちが磨いてきた「環境移送技術(R)」を組み合わせ、南方系ゲンゴロウが自律的に繁殖できる健やかな食物連鎖を水槽内に作り上げることができました。
トビイロゲンゴロウ、ヒメフチトリゲンゴロウ、オキナワスジゲンゴロウの3種が羽化した姿を見たときは、エンジニアとして、そして一人の昆虫ファンとして、これ以上ない喜びを感じました。これからも「生き物が好き」という初心を忘れず、自分たちが好きな自然を見続けるために、水生昆虫を研究し、保全する活動を全力で続けていきたいと考えています。
株式会社イノカについて
2019年創業の自然環境の総合的プロフェッショナル集団です。サンゴやマングローブ、海藻などの海洋生物から、ゲンゴロウやメダカなどの淡水生物まで、水圏の生態専門家を中心に、大学教授をはじめとする自然科学の研究者、そして環境ビジネスの専門家が在籍しています。
「人類の選択肢を増やし、人も自然も栄える世界をつくる。」というミッションを掲げ、産官学と連携し、共に持続可能な豊かな地球を目指し、自然関連の新規事業創出を行っています。
URL:
https://corp.innoqua.jp/
セミナー開催のお知らせ
本リリースに関連し、2026年6月23日に対面形式にて特別セミナーを開催いたします。
本セミナーでは、生物多様性を守る「エコトーン」の活用と、企業のリスク管理や循環経済を組み合わせたビジネスモデルの構築をテーマに議論を行います。生物多様性の現状や課題、フィールドを持つ自治体の事例を紹介するほか、環境技術の専門的な視点を交え、自治体と企業がどのように連携できるかについて対談形式でお話しする予定です。
<登壇予定者>
生態圏探求者 しん氏
鹿沼市東京サテライトオフィス 所長 柏木氏
株式会社イノカ CBO 竹内
<開催概要>
日程: 2026年6月23日 16:30~18:00
開催形式: 対面形式
場所:
高輪ゲートウェイ LiSH(Life Science Hub) Studio1 ワークショップルーム2
主な内容: 生物多様性の現状と課題の解説、自治体事例の紹介、自治体・企業連携に関する対談
申し込みURL:
https://forms.gle/wQMRJS8xsdreRL95Aプレスリリース提供:PR TIMES



記事提供:PRTimes