【躍進する丼型メニュー】135%成長の裏にあるジレンマと工夫
株式会社ライフスケープマーケティング

~丼型メニューの食卓シェア拡大を食MAP(R)で調査~
株式会社ライフスケープマーケティング(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:上田健司)は、首都圏(30キロ圏)の主婦年齢22歳から72歳の有配偶世帯(属する20歳以上の男女)を対象とした、丼型メニューの喫食状況に関する調査結果を公表します。
3割以上が「週一どんぶりディナー」?若年世帯に広がる新しい夕食習慣
1つあればご飯にも麺類にも重宝する「丼鉢」。今、このような丼鉢で食べる「丼型メニュー」が、夕食シーンで存在感を高めています。特にこの10年間の成長は目覚ましく、2016年度に97.5だった夕食TI値(1,000食卓あたり出現回数)は2025年度に131.3と、10年前比で135%の大幅な伸びを記録しています【図表1.左辺】。
なぜこれほどまでに丼型メニューが伸びているのでしょうか?
図表1.
[画像1:
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【図表1.右辺】は丼型メニューの夕食7回あたり喫食頻度別モニター分布です。夕食7回あたり1回以上の頻度で食べる世帯(以下、週1どんぶり層)は、2016年度の22%から10年間で+15.2pt上昇し、現在は38%にまで拡大しています。
さらに深掘りすると、この週1どんぶり層は若いファミリー世帯に多いことがわかってきました。
2023年度~2025年度の3年間を対象に分析を行ったところ、主婦の年齢が20-30代の世帯では半数に迫る 43%が週1回以上丼型メニューを利用していました。一方他の年代では40代で32%、50代で 28%、60代以上で15%と、年代が上がるほどこの割合は減少していました。
また世帯構成の観点から見ると、小学生以下の小さな子供のいる世帯では42%が週1どんぶり層に該当しており、その他の世帯よりも高い値となりました。
丼型メニューは、若い世帯や小さな子供のいる世帯を中心に、高い頻度で食べられているようです。
タイパも好物も満点、その裏には健康面への妥協?
図表2.
[画像2:
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器1つで1食が完結する丼型メニューは、「簡便性」や「時短」という文脈で語られることが多いメニューです。実際、夕食シーンにおける丼型メニューは「時短・多忙」オケージョン下では平均比120%と高い出現を記録しています【図表2】。
さらに、「家族の好物」を意識した食卓においても、TI値で平均の105%まで出現が増えることがわかりました。
逆に、出現が大幅に減少するのが「健康」オケージョンです。このオケージョンでは、丼型メニューの出現は平均の57%に留まります。
手軽なうえに家族も喜ぶ丼型メニューは、現代の多忙な生活者を支える「頼れる主戦力メニュー」といえます。しかし同時に、栄養価の面では選択されにくいメニューでもあるようです。
次に丼型メニューに使われる食材について掘り下げます。
丼型メニューを合格ラインに引き上げる「大麦」と「インスタントわかめ」
「時短」と「栄養」、この葛藤を解決しようとする週1どんぶり層の工夫が、使用材料に表れていました。【図表3】は、丼型メニュー(ごはん系、麺系)の使用材料について、週1どんぶり層とそれ以外の層(1週間の夕食のうち、丼型メニューを食べる頻度が1回未満の世帯。以下、非・週1どんぶり層)とで比較をしています。
図表3.
[画像3:
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まず全体的な傾向として、両者の間で使用材料の傾向に大きな差はありません。しかし細かく見ていくと、週1どんぶり層の使用材料には一部興味深い特徴がみられました。
週1どんぶり層は、ごはん系では「大麦(※)」、麺系では「インスタントわかめ」を、非・週1どんぶり層よりも多く使用していたのです。(※もち麦や押し麦など、茹でたり、米と一緒に炊いたりして喫食される麦類)
大麦とインスタントわかめはどちらも食物繊維質が豊富なことから、健康食品的なイメージが強く、かつ簡単に調理できる食材です。その他にも納豆やめかぶ、胡麻、乾燥野菜、海苔など、簡便調理と高栄養を共通の特徴としてもつ食材が上位に多くランクインしています。
「忙しいから手軽な丼型メニューに頼りたい。しかし栄養素の偏りは気になる」という葛藤の中で、これらの食材は生活者が「これならできる」と思える絶妙な選択肢なのではないでしょうか。
手間をかけず栄養面の穴を埋め、生活者の「合格ライン」まで丼型メニューのポテンシャルを引き上げる。こうした食材の存在もまた、丼型メニューの食卓シェア拡大に一役買っているのかもしれません。
私たちの食生活における丼型メニューの存在感は今後ますます大きくなっていきそうです。
近い将来、週に3回、4回と丼型メニューを食べるスーパーヘビー層が出てくれば、そのバリエーションは今以上に豊かになっていくでしょう。その時、悩める生活者の選択の助けとなるのはいったいどのような食材なのでしょうか。
意外な食材の登場なども楽しみに、今後も引き続き食卓の変化に注目していきます。
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食MAP(R)は首都圏30キロ圏における有配偶世帯(主婦20歳~72歳)に属する家族個人(男女0歳以上)、および単身世帯(男女20歳~77歳)を対象とした食卓調査のマーケティング情報基盤です。
”365日”毎日の食卓を構成するメニューや食材、さらに商品(JANトラッキング)の利用状況、家庭内のストック状況、生活者の食意識やその日の気持ちなど、食に関連した調査分析を行っています。
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