働く子育て中の親の33%が「どこにも相談できなかった」 人事の53%には実情が見えづらく お互いの認識に大きなギャップ
サイボウズ株式会社

―不登校きっかけの離職・働き方変更で世帯収入減74%、積極的に制度を周知する企業はわずか19%―
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企業で働く子育て中の親1,000人・人事担当者500人への調査
サイボウズ ソーシャルデザインラボは、多様な価値観を持つ人々が安心して暮らせる社会を目指し、サイボウズ流のチームワークに基づく社会実験(育苗実験)を行っています。今回は、企業で正社員として働く子育て中の親1,000人と、人事担当者500人に、子どもの不登校・行き渋りが親の就労に与える影響と、企業側の認識・対応との「ギャップ」を調べました。
[調査概要]
◆調査目的:働く親が子どもの行き渋り・不登校に際して勤務先の制度を把握・活用し
相談できているか、また企業の人事が制度の周知や相談しやすい雰囲気づくり、
社員の把握を行えているかを双方に尋ね、両者の認識のギャップを明らかにする。
◆調査対象:企業で正社員として働く子育て中の親 計1,000人
【内訳】男性500人/女性500人
うち、過去または現在、不登校や行き渋りのある小中学生の保護者男女は、500人
*割付条件:地域・年齢・男女・小学生・中学生別・
在籍する企業規模(従業員数)で割付
人事担当者 計500人 *割付条件:従業員数 ・業種・人事経験年数で割付
◆調査期間:2026年6月2日(火)~6月9日(火)
◆調査方法:パネルを活用したインターネット調査
フリースクール
「サイボウズの楽校」の運営等、不登校の子どもたちの支援をしているサイボウズ ソーシャルデザインラボでは、増え続ける不登校児童・生徒について保護者がどのような課題を抱えており、どのような支援を求めているのかを調査しています。
文部科学省の最新調査(令和6年度・2025年10月公表)によると、不登校の状態にある小中学生は35万3,970人。過去最多を更新し、12年連続で増加しています。前年度から7,488人増え、10年前の約3倍に膨らみました。
子どもが不登校になったときに親が仕事を辞める「不登校離職」も知られるようになる中、望まない離職を防ぐために企業や社会は何ができるのか。当事者である親と人事担当者の双方に問いを投げかけ、認識の「ギャップ」から考えます。
《 調査結果のサマリ 》
- 子どもの不登校で使いたい制度が使えなかったとき、親の33.0%が「どこにも相談できなかった」。一方で人事担当者は、子どもの不登校・行き渋りに困っている社員は「いないと思う/把握していない」が合わせて53.4%と、実態が見えづらい状況にある。対応に着手済みの企業は16.6%にとどまる。- 親が企業に最も求めるのは「使える制度の積極的な周知」(53.6%)。しかし積極的に周知している人事担当者は19.4%にとどまっている。- 職場に相談しなかった理由は「言い出せない雰囲気」「相談しても変わらない」「評価に悪影響」で計63.8%。一方、人事担当者の45.8%は自社を「相談しやすい職場」だと考えており、認識に開きがある。- 不登校・行き渋りをきっかけに、4人に1人(24.8%)の親が離職・転職・時短・休職を実行。一方、人事担当者の43.8%は、それを離職リスクとは捉えきれていない。- 働き方を変えた親の74.2%で世帯年収が減少(3人に1人が2割以上減)。一方、離職後の採用・育成コストを意識しにくい人事担当者も33.2%いる。
子どもの不登校に際し、使いたい制度が使えなかったとき誰に相談したか。最も多かったのは「どこにも相談できなかった」が33.0%で、職場の上司は18.4%、人事・労務は10.2%にとどまり、子どもが不登校になった時に、働く親の約3人に1人が制度の壁を一人で抱えていました。【図表1】
一方の人事担当者は、子どもの不登校・行き渋りについて「(困っている社員は)いないと思う」25.6%、「おそらくいるが把握していない」27.8%で、合わせて53.4%が実態を把握しづらい状況にあります。【図表2】
小中学生の約3.9%が不登校※という現状をふまえれば、『いない』のではなく『見えづらい』可能性が高く、この傾向は企業規模が小さいほど顕著で、従業員100人未満の企業の人事は約6割が「いないと思う」と回答しています。 なお、従業員サポートに『すでに取り組んでいる』企業は16.6%にとどまります。【図表3】
※ 出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(2025年10月29日)
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【図表1】
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【図表2】
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【図表3】
親が企業に求めることの最多は「使える制度の積極的な周知」で53.6%。【図表4】
一方、活用方法を『積極的に周知している』人事担当者は19.4%。『入社時・制度説明時に案内』28.8%、『申請があれば案内』27.4%と、限定的な周知が過半数を占めました。【図表5】
制度が広く知られれば親は利用を検討しやすくなり、離職の抑止も期待できます。最も簡単に埋められるギャップです。
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【図表4】
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【図表5】
親が職場に相談しなかった理由は、「言い出せない雰囲気だった」(22.0%)「相談しても変わらないと思った」(29.6%)「評価に悪影響があると思った」(12.2%)が合わせて63.8%。言い出しにくさや諦め、評価への不安が相談を妨げています。【図表6】
一方、自社を「相談しやすい職場だ」と考える人事担当者は45.8%(思う+どちらかといえば思う)。企業の自己評価と、従業員が感じている「相談のしにくさ」との間には大きな開きがあります。言い出しにくい職場の雰囲気が現場にはあり、相談を遠ざけている実態がうかがえます。【図表7】
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【図表6】
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【図表7】
不登校・行き渋りの影響で、実際に離職5.8%、転職8.0%、時短・職種変更7.8%、休職3.2%と、24.8%(4人に1人)が行動に移していました。【図表8】
こうした行動をとった割合は男性22.8%・女性26.8%とどちらも2割を超え、働く父親も決して無関係ではないことがわかります。
一方、これを離職リスクと『あまり/まったく認識していない』人事担当者は合わせて43.8%。親は行動を起こしているのに、企業の多くがそれを離職リスクと捉えきれていない可能性があります。【図表9】
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【図表8】
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【図表9】
働き方を変えた親のうち、74.2%で世帯年収が減少しました(「2割以上減った」は34.7%)。【図表10】
失われるのは家計の収入だけではありません。
従業員が離職すれば、企業にも採用・育成のコストが生じます。一方で、そのコストを「あまり/まったく意識していない」人事担当者は33.2%。離職は家庭にとっても企業にとっても損失であるにもかかわらず、その痛みがまだ十分には共有されていないのが実情です。 【図表11】
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【図表10】
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【図表11】
不登校が過去最多の35万人を超えた今、最も見過ごされているのが「親の孤立と離職」です。
今回の調査では、約3人に1人の親が制度の壁に直面しても「誰にも相談できなかった」と回答し、人知れずキャリアの瀬戸際で苦しむ実態が浮き彫りになりました。
一方で、人事の半数以上がその存在を把握しきれておらず、両者には深刻な認識ギャップが存在します。しかし裏を返せば、「既存制度の積極的な周知」と「言い出しやすい風土づくり」に取り組むことができれば、救われる親が大勢いるということです。
不登校は家庭の問題ではなく社会の構造課題です。本調査が、企業が「親の孤立と離職」防止へ踏み出す強力な根拠となることを確信しています。
今回、親と人事担当者それぞれに調査を実施したことで、当事者である親たちが抱える課題や希望と、企業側の認識・対応にはまだまだ乖離があるという事実が見えてきました。
私たちはこの結果から、以下の2つが「望まない不登校離職」を防ぐ鍵であると考えました。
1つ目はすぐに取り組める「今ある制度の周知」です。
不登校の子どもがいる親が企業に望んでいるのは、「使える制度の積極的な周知」でした。
不登校や行き渋りに直面した親たちは、まず「子どものケア」に時間と心を注ぎます。その状態で社内の制度を調べたり、相談先を探したりすることはあまり現実的ではありません。
だからこそ、そうした状況に直面する前に、制度を知っておけるような事前の周知が重要です。「使える仕組みがある」は、働く親の安心感を生み、離職を防ぎます。
対応が後手に回り、親が追い込まれてしまう前に、企業の側から働きかける「プッシュ型」の姿勢が求められていると感じます。
2つ目は、「相談しやすい文化の醸成」です。
親たちが会社に相談ができなかった理由として挙げたのは「相談しても変わらない」、「言い出せない雰囲気」という回答でした。そこからは働く親の諦めのような気持ちが透けて見えます。また、業務量の調整や有給休暇取得の相談をすることは「職場の評価やキャリアに悪影響がある」と懸念する回答が多くありました。
共働き家庭が多数を占める今、不登校に限らず、家庭の事情を全く持ち込まずに働き続けることは困難です。企業にとって人材流出のリスクが高い不登校に対し、周囲も解像度を高めて理解できるよう、誰もが相談しやすい文化を作ること。そして私たち自身も、情報共有するのをためらわないこと。それが働く親の孤立を防ぐことにつながるはずです。
一方、不登校離職は減らせるものであるとも感じられました。
「もしお子さんが不登校・行き渋りになった場合、今の職場で仕事を続けられると思いますか。それとも辞めることを考えると思いますか」という問いに対し「工夫すれば続けられると思う」が最多の36.4%を占めました。
その「工夫」を個人だけに背負わせるのではなく、企業や社会全体でどのように作っていくか。考え、実行することで、望まない不登校離職を防ぐことができるのではないかと私たちは考えます。
この調査から見えてきたリアルな「親の声」と「人事担当者の声」が、今後、企業の仕組みづくりや親の孤立防止に役立つことを願っています。
サイボウズ ソーシャルデザインラボでは、8月頃、調査レポート第2弾を公開する予定です。
不登校やその保護者の離職に対しどのようなアプローチができるか、今後も模索し活動してまいります。
サイボウズの楽校は、チームワークを大切にし、「仲間と一緒にしあわせに生きる力」を育むフリースクール(オルタナティブスクール)です。東京・吉祥寺で、小学2年生~6年生を対象に授業を行っています。学習指導要領を元に作成したカリキュラムとサイボウズの楽校独自の内容を組み合わせ、子どもたちの個性に合わせた学びを実践しています。サイボウズのクラウドサービスkintone(キントーン)を活用し、保護者や子どもとスタッフが密にコミュニケーションをとれる環境づくりにも取り組んでいます。
サイボウズの楽校(公式サイト)
https://cybozu.co.jp/gakkou/
企業ではじめる "子どもの居場所"--最初の一歩ガイドを無料ダウンロード。
立ち上げの理由、フリースクール運営、企業が居場所をつくる理由の3部作を公開!
https://cybozu.co.jp/sodelab/news/2026/04/02-132.html
私たちソーシャルデザインラボは「チームワークあふれる社会づくり」という目的のもと、サイボウズ流のチームワークによって多様な価値観の人が安心して暮らすための社会実験(育苗実験)を行っています。災害時の支援や地方創生、虐待防止や子どもの不登校など、多様な社会問題をチームで解決するモデル創りに取り組んでいます。育苗実験を多くの人々に共感をしてもらい、政府や行政機関に政策のエビデンスとして利用してもらうことで社会課題の解決を目指していきます。
https://cybozu.co.jp/sodelab/
※引用について:
本調査の結果を引用いただく際には、出所の明示をお願いいたします。
例)サイボウズ ソーシャルデザインラボ「企業で働く子育て中の親1,000人・人事担当者500人への調査」
※記載された商品名、各製品名は各社の登録商標または商標です。また、当社製品には他社の著作物が含まれていることがあります。個別の商標・著作物に関する注記については、こちらをご参照ください。
http://cybozu.co.jp/company/copyright/other_companies_trademark.htmlプレスリリース提供:PR TIMES





記事提供:PRTimes