「上場企業」の平均年収 2025年度は692.6万円、過去最高を更新 平均年収「1千万円」超え、過去最多の235社 東証プライムは「平均800万円」目前
株式会社帝国データバンク

上場企業の「平均年間給与」動向調査(2025年度決算)
[画像1:
https://prtimes.jp/i/43465/1384/resize/d43465-1384-826304-pixta_123029645-0.jpg ]
株式会社帝国データバンクは、2025年度決算期(2025年4月-2026年3月期)を迎えた上場企業のうち、有価証券報告書に「平均年間給与・従業員平均年齢・勤続年数」の記載がある企業を対象に調査を行った。
持ち株会社などの業態、社員数などで対象を限定していない。業種分類は金融庁の定めに準じた。
SUMMARY
2025年度決算期(2025年4月-26年3月期)の上場約3700社における平均年間給与(平均年収、26年6月30日までに提出された有価証券報告書に基づく)は692.6万円だった。5年連続で前年度を上回り、データのある2003年度決算以降で最高を更新した。前年度(2024年度)の671.1万円に比べて21.5万円・3.2%増、月換算で約1.8万円の増加となり、増加額・伸び率ともに過去最高となった。中央値は661.6万円だった。
「上場企業」25年度平均給与は692.6万円、過去最高
2025年度決算期(2025年4月-26年3月期)の上場約3700社における平均年間給与(平均年収、26年6月30日までに提出された有価証券報告書に基づく)は692.6万円だった。5年連続で前年度を上回り、データのある2003年度決算以降で最高を更新した。前年度(2024年度)の671.1万円に比べて21.5万円・3.2%増、月換算で約1.8万円の増加となり、増加額・伸び率ともに過去最高となった。中央値は661.6万円だった。
2024-25年度の増減を比較すると、前年度から平均年間給与が「増加」した上場企業の割合は76.8%に上り、前年を上回り最高水準となった。増加率でみると「(2.5%以上)5%未満」が最も多く、全上場企業の25.2%を占めたほか、「(5%以上)10%未満」が約2割、「10%以上」も約1割を占めた。この結果、厚生労働省の調査(「2025年民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」)に基づく2025年の平均賃上げ率(妥結額ベース)5.52%を上回る上場企業は952社・25.9%を占めた。上場企業では、直近決算が減益や赤字で賃上げ原資が増えない状況でも、人手不足による採用競争の激化を背景に、新卒新入社員の給与を引き上げる「初任給インフレ」が既存社員の給与テーブルにも反映される形で、平均給与額を強く押し上げる要因となった。
[画像2:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/43465/1384/43465-1384-3f54ff358144624fd27009cb8c9273c7-787x740.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
平均年収「1千万円」超え、最多の235社
平均給与別にみると、最も多いのは平均給与「600万円台(600~699万円)」で、939社・25.6%を占めた。次いで、「500万円台」(850社・23.1%)、「700万円台」(677社・18.4%)と続いた。なお、高収入の目安となる「1000万円以上」は235社・6.4%となり、社数ベースでは初めて200社を超え、過去最多となった。また、上場以降で初めて平均給与が1千万円を超えた企業は51社(2025年度内の新規上場を含む)。
一方で、平均給与額「500万円未満」は430社・11.7%を含め、全上場企業のうち「500万円台以下」の合計は34.8%を占めた。500万円台以下の割合は前年度から低下傾向が続くものの、上場企業の中でも賃上げで平均を大きく上回る水準を維持する企業と、低収益を背景に賃上げしたくてもできない企業との二極化が拡大している。
[画像3:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/43465/1384/43465-1384-4a94e50ad870d936d0e54fc8d6c58914-746x584.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
業種別:製造業平均、初の平均700万円台
産業別にみると、全産業において2003年度以降の集計分で過去最高額を更新した。このうち、上場する製造業で平均702.6万円(前年度681.7万円、+20.9万円・3.1%増)となり、初めて平均700万円台を超えた。また、非製造業は平均686.8万円(前年度665万円、+21.8万円・3.3%増)となった。サービス業を中心に、非製造業で平均給与が大幅に上昇した。
最も平均年間給与が高い業界は、外内航海運を中心とした「海運業」(1120.1万円)で、全業界で唯一、1000万円を超えた。海運業では、2025年度に大手の日本郵船や商船三井が高水準のベースアップを実施したことで話題となった。海運各社では、好業績を背景に人材確保や物価高に対応した賃金の改善を続けており、全産業でも特に平均給与額の上昇ペースが高い。以下、「証券、商品先物取引業」(962.1万円)、「保険業」(936万円)、「鉱業」(911.7万円)と続き、上位の業種ではいずれも好業績を背景とした賃上げを実施した企業が目立った。
前年度から最も伸び率が高かった産業は「ゴム製品(製造)」で、13.2%増の695.6万円だった。製造業全体の平均とほぼ同水準にあるものの、化学産業など給与額がより高い他産業への人材流出などを防ぐ目的で、大手を中心に給与額の引き上げなど人材への投資を積極的に進める動きが反映された。
[画像4:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/43465/1384/43465-1384-5b5aeb0648d05c80f797c73ff1db2090-600x625.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
市場別:東証プライムの平均、800万円台目前に迫る
上場市場別にみると、最も平均年間給与が高かったのは「東証プライム(PRM、市場)」上場企業で、平均793.2万円だった。前年度から3.9%・29.9万円増加し、増加率・金額の伸びともに全市場で最高だった。今年度も大幅な賃上げペースが続いており、2026年度決算では全市場で初めてとなる平均給与額800万円台に到達する可能性が高い。次いで高かったのは「東証グロース(GRT)」の648万円、「東証スタンダード(STD)」は615.6万円と、東証全市場で平均年収が初めて600万円を超えた。
[画像5:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/43465/1384/43465-1384-87d80589df79b687ffdd218afe52047f-796x658.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
賃上げの陰で進む「黒字リストラ」、「世代間格差」生まない賃上げ設計が必要な局面に
多方面で表面化した人手不足への対応などを背景に、上場企業でも賃上げによって人材を確保する動きが進んできた。2025年度における上場企業の給与水準は年間平均692.6万円となり、過去20年間で最高額を更新した。また、東証プライム上場の平均では800万円に到達する勢いで、2026年度決算では全上場企業の平均が初めて700万円台に到達する可能性もある。
2026年度も引き続き、物価高のほか、人材確保を目的に初任給など給与テーブルを大幅に引き上げる事例が目立つ。帝国データバンクの調査では、2026年4月入社の新卒社員に支給する初任給を前年度から引き上げる企業は67.5%となり、前回調査(2025年度、71.0%)からはやや低下したものの、依然として7割近くに達した。また、初任給を引き上げる平均額は前年度比348円増の9462円と、引き上げ額も増加した[1]。バブル崩壊以降、長期間にわたり続いた「デフレ経済」からの脱却の象徴として捉えられる半面、成長産業やグローバル展開による利益で賃上げ原資を確保する企業と、原材料高の転嫁や低収益の中でも人材の確保・採用を目的とした防衛的な賃上げが限界に近付きつつある企業の二極化も進んでいる。
また、若手の初任給やベースアップが破格のペースで引き上げられる一方、2024年度以降に本格的に目立つようになった40~50代以上を対象とする「黒字リストラ」など、上場企業でもシニア・ミドル世代が総人件費の調整対象となるケースが頻発し、恩恵を受ける若手と、しわ寄せを受ける中堅社員や管理職といった構図も生まれている。平均給与額の「見栄え」や初任給の高さを競うフェーズから、賃上げの恩恵が薄れがちな中堅・管理職層も含めた「評価・報酬制度の再設計」の必要性が問われる局面に来ている。
[1] 「初任給に関する企業の動向アンケート(2026年度)」(2026年2月18日)
プレスリリース提供:PR TIMES




記事提供:PRTimes