出社回帰で高まる「オフィスで働く環境」の重要性 体内時計に合わせて色や明るさが自動で変化するオフィス照明への切り替え後、測定対象14名中10名の事務処理量が増加
株式会社遠藤照明

実際のオフィスで検証する実証実験・中間報告
株式会社遠藤照明(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:遠藤邦彦、東証スタンダード市場:証券コード6932、以下「遠藤照明」)は、照明環境の改善が働く人の生産性や健康に与える効果を検証する実証実験を、2025年9月から実施中です。このたび、先行して測定・分析が完了した結果を、中間報告として公表します。
中間報告 結果サマリー
一般的なオフィス照明(色温度5,000K(ケルビン)固定・照度500lx(ルクス))を、体内時計に合わせて時刻とともに光の色みや明るさが変わる照明(8,000~3,400K・400~600lxを時間帯ごとに自動調整。物の色を自然に見せる高演色タイプ)に切り替えたところ、以下の変化が確認された。
● 事務処理量(作業時間あたり):対象14名中10名(約7割)の従業員で増加
● WELL認証「光」項目換算:4ポイント → 11ポイント相当(自主評価)に上昇
● 別条件のフロアや他の測定項目を含む全体の結果は、本年10月の最終報告で公開予定
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https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/79313/28/79313-28-00d6002b2febd2bed2ed4d4198fd74f8-2159x601.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
時間帯で色と明るさが自動で変化する(左:朝10時頃 右:夕方16時頃)
背景と目的:出社回帰で高まる「働きやすいオフィスづくり」の重要性。しかし投資効果は見えにくい
近年、在宅勤務を縮小し、オフィスへの出社を重視する企業の動きが注目されています。働く場所が再びオフィスへ戻るなか、企業には、単に出社を求めるだけでなく、従業員が快適に働き、能力を発揮しやすい環境を整えることが、これまで以上に求められています。
こうしたなか、従業員の健康や快適さに配慮したオフィスづくりへの関心も高まっています。経済産業省の「健康経営優良法人」認定や、建物や室内環境を働く人の健康・快適性の観点から評価する「WELL認証」などの普及に加え、大手企業のオフィスでも、体内時計に配慮した照明をはじめとする環境整備が進んでいます。一方、建築設計事務所やオフィスビルの開発企業、導入を検討する企業にとっては、働きやすい環境への投資が、生産性や健康にどの程度の効果をもたらすのかが見えにくいことが、導入判断の課題となっています。
そこで遠藤照明は、空調や音響などと比べて既存オフィスでも改修しやすい照明設備に着目しました。株式会社イズミコンサルティングの協力を得て、実際に稼働する同社オフィスの照明を切り替え、同じ従業員を対象に交換前後を比較することで、照明環境の改善が働く人の生産性や満足度、健康に与える変化を検証しています。
実験の概要:オフィスの照明を「体内時計に合わせて変わる光」に切り替え
本実験では、一般的なオフィス照明を、体内時計に合わせて時刻とともに光の色みや明るさが変わる照明に切り替え、その前後の変化を、事務処理量やアンケートにより測定しました。一般的なオフィス照明は、一日を通して白い光を一定の明るさで室内を照らします。
これに対し、今回導入した照明は、太陽光の一日の移り変わりをオフィス内で再現するよう、時間帯に応じて光の色みと明るさを自動で調整します。午前は青白く明るい光とし、午後から夕方にかけては、徐々に暖かみのある光へ変えながら、明るさもやわらげていきます。こうした調光調色により、自然光の一日のリズムと、一定になりがちな室内照明とのギャップを小さくします。
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[表1:
https://prtimes.jp/data/corp/79313/table/28_1_fe6d551187910a489a3710aae1b9b428.jpg?v=202607311415 ]
実験条件
基準条件では約4か月にわたり従来環境で測定を行い、2026年1月末の照明交換後、1階、2階のフロアごとに導入製品や制御方式の異なる2条件で約2か月のテストを実施しました。各条件の詳細は下表のとおりです。
[表2:
https://prtimes.jp/data/corp/79313/table/28_2_7d31bae46135345bc6e87d267eaaecbf.jpg?v=202607311415 ]
[画像3:
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実証実験で使用した製品 調光調色Synca「Linear 50」
中間報告のポイント
1.事務処理量:測定対象14名のうち10名が増加
1階で、顧客情報のデータ入力や、提案に用いる情報の作成など、営業・提案活動を支える業務に従事する14名を対象に、照明切り替え前後の「作業時間あたりの処理量」を比較しました。その結果、測定対象14名中10名の事務処理量が増加しました。
測定対象者の感想
- 顧客データの入力や提案用の情報をまとめる作業で、以前より集中が途切れにくくなったと感じました。同じ量の仕事でも、短い時間で進められる日が増えた印象があります。(30代・男性)- 午前中は頭がすっきりして仕事に入りやすく、午後も以前ほど強い眠気を感じなくなりました。パソコン作業中に目を休める回数も減り、作業を続けやすくなったと感じます。(30代・男性)- 夕方になると照明の色や明るさがやわらかくなるため、仕事の終わりに向けて自然に気持ちを切り替えられるようになりました。夜も以前より眠りやすくなり、翌朝の目覚めや日中の集中にも良い変化を感じています。(30代・男性)
2.WELL「光」評価項目に照らした自主評価:4ポイント → 11ポイント相当
実験対象オフィスはWELL認証を取得しており、「光(Light)」の項目における取得ポイントは4ポイント(最大18ポイント)です。照明切り替え後の環境を同項目に当てはめた自主評価では、11ポイント相当となりました。評価が高まった主な要因は、1.時間帯に応じて色温度を変化させるサーカディアン照明設計、2.高演色化など人工光の質の向上、3.利用者の制御性の向上です。
WELL認証(WELL Building Standard)とは
建物や室内環境を「働く人の健康・快適さ」の観点から評価する、2014年に米国で生まれた国際的な認証制度。運営は国際ウェルビルディング協会(IWBI)。空気・水・光など10の分野で構成され、「光」の分野では照明が人の体内時計や快適さに与える影響が評価されます。IWBIの発表によれば、現在は世界137カ国・約10万拠点で使われており、働く環境への投資効果をはかる世界的なものさしのひとつとなっています。認証を受けた建物は、賃料が1平方フィートあたり4.4~7.7%高くなり、賃貸期間も長くなる傾向があるとされています。日本国内での取得はまだ限られており、先進的な取り組みといえます。
※国際ウェルビルディング協会(IWBI)“Global WELL Adoption Experiences Unprecedented Growth, With 6 Billion Square Feet of Space Now Engaged With the World’s Leading Standard for Healthy Buildings, Organizations and Communities”(2025年7月10日)
今回の実証とNEB(Non-Energy Benefits)
NEBとは、省エネやCO2排出量の削減といった直接的な効果だけでなく、環境設備への投資によって生まれる快適性、健康、生産性などの副次的な便益を捉える考え方です。
今回の実証は、照明設備の導入効果をエネルギー面だけでなく、事務処理量や環境満足度、体調などの面から検証するものであり、NEBの考え方にも通じる取り組みです。
実証担当者コメント 株式会社遠藤照明 未来環境研究課 鈴木直行
光は、物を見るための視覚情報だけでなく、網膜の「内因性光感受性網膜神経節細胞(ipRGC)」を介して脳の視交叉上核に伝わり、概日リズムやメラトニン分泌、睡眠・覚醒の調整にも関与します。日中はメラノピック等価昼光照度(melanopic EDI)を確保して覚醒状態を支え、夕方に向けて光の色温度と明るさを下げることで、自然な明暗サイクルに近い光環境をつくることができます。
今回、測定対象14名のうち10名で、時間あたりの事務処理量が増加したことは、こうした照明設計の考え方と整合する中間結果と受け止めています。これまで実験室で示されてきた、照明が作業性や眠気に与える影響が、さまざまな要因が絡む実際のオフィスでも現れる可能性が示唆されました。照明は作業面の見やすさだけでなく、眠気や集中状態、眼精疲労、夜間の睡眠にも関わり得ます。今後は満足度や体調、病欠日数なども含めて分析し、照明環境が働く人のパフォーマンスと健康に与える影響を、より精緻に検証していきます。
今後の展望:10月以降に全条件の最終成果を公開
本実験では、光の変え方が異なる別条件のフロアや、満足度・体調などの項目についても検証を進めています。これらを含む全体の結果、確定した数値データ、休暇取得日数の推移などは、2026年10月以降に最終報告として発表する予定です。
遠藤照明は本実験を通じて、これまで見えにくかった「働く環境への投資が生む効果」をデータとして示し、今後の建築設計やオフィスビル開発において、導入しやすく価値の高いオフィスづくりの提案に活かしてまいります。
参考:照明と体内時計・目覚めに関する研究
光には、物を見るための働きだけでなく、体内時計、睡眠・覚醒、気分、注意・認知などに影響する「非視覚的作用」があります。こうした作用を評価する国際的な指標として、メラノピック等価昼光照度(melanopic EDI)が整備されており、日中は十分な光を浴び、夕方から夜間は光を抑えることが、生理機能、睡眠、覚醒を支えるうえで推奨されています。
また、遠藤照明社員5名を対象に九州大学・東海大学と実施した別の共同研究では、午前の早い時間は高照度・高色温度、日没に近い時間は低照度・低色温度の条件で、眼精疲労や眠気の目安となる瞬目回数が少ない傾向が確認されました。小規模な実験であり効果を保証するものではありませんが、本実証実験で用いた照明の設計思想の背景となる知見です。
参考文献:
- 江藤太亮ほか「ヒトの非視覚的機能を考慮した光の国際基準(melanopic EDI)とこれに基づく屋内光環境の推奨事項」日本生理人類学会誌 Vol.29(2024)- 丸山悠・鈴木直行「瞬目回数に基づく各時間帯に適した照明条件の検討」日本建築学会大会学術講演梗概集(2025)
用語解説
色温度(K:ケルビン)の目安
光の色味を表す単位。数値が高いほど青白い光、低いほど暖かいオレンジ色の光になります。
[表3:
https://prtimes.jp/data/corp/79313/table/28_3_68d7d3283cf95d5e23304c8f691d3bf7.jpg?v=202607311415 ]
参照:
https://www.endo-lighting.co.jp/hikariiku/knowledge/15198/
照度(lx:ルクス)の目安
照らされた面の明るさを表す単位。住宅のリビングはおおむね100~300lx、一般的なオフィスの執務室は500~750lx程度が目安とされます。本実験の400~600lxは、標準的なオフィスの明るさの範囲にあたります。
参照:
https://www.endo-lighting.co.jp/hikariiku/knowledge/14379/
株式会社 遠藤照明 会社概要
社名:株式会社 遠藤照明
本社:〒541-0051 大阪府大阪市中央区備後町1-7-3 ENDO堺筋ビル8階
TEL:06(6267)7095(代表) FAX:06(6267)7096
代表取締役社長:遠藤 邦彦
創業:1967年9月
設立:1972年8月
資本金:51億55百万円
事業内容:各種照明器具の企画・デザイン・設計・製造及び販売/インテリア家具・用品の販売
決算期:年1回 3月31日
売上高(連結):554億73百万円(2026年3月期)
従業員数(連結):1,648名(2026年3月末現在)
プレスリリース提供:PR TIMES


記事提供:PRTimes