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日立ハイテクとFUST Lab社が、PFOSおよびPFOAの合計濃度50 ng/L以下への濃度低減を実証

日立ハイテク

日立ハイテクとFUST Lab社が、PFOSおよびPFOAの合計濃

PFAS分解技術の社会実装とフィジカルAIによるPFAS対策ソリューションを推進し、安心・安全な社会の実現に貢献


[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/49375/217/49375-217-8e446b8b25b6dcd0793986e1b1f0ec56-1672x941.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


 株式会社日立ハイテク(以下、日立ハイテク)とFUST Lab Co., Ltd.(以下、FUST Lab社)は、環境省による令和6年度補正予算「PFOS等の濃度低減のための対策技術の実証事業」*1に取り組み、FUST Lab社製の超音波分解装置を活用したPFAS(有機フッ素化合物)分解技術の有効性を検証しました(以下、本実証)。
 PFASは、耐熱性・撥水性などの特性を有する化学物質の総称であり、代表的な物質としてPFOSやPFOAなどが含まれます。炭素とフッ素の極めて強固な結合を有する難分解性物質で「永遠の化学物質」とも呼ばれ、分解されにくい特性から環境中に長期間残留するため、飲料水や地下水、土壌への広範な汚染が世界的に課題となっています。本実証では、超音波技術を活用したPFASの分解によって、当初目標であるPFOSおよびPFOAの合計濃度50 ng/L以下を達成し、海外での実績を有する超音波技術を用いた手法が、日本国内においてもラボレベルで安定的に機能することを実証できました。
 日立ハイテクとFUST Lab社は本実証で得られた成果をもとに、プロダクトから得られるデータとフィジカルAIを組み合わせた、PFAS対策のソリューション開発および社会実装に向けた取り組みを加速していきます。
*1 PFOS等の濃度低減に資する対策技術の有効性や経済性に関する知見の蓄積を目的として環境省が実施したもので、その成果は技術集として公表されている。(環境省発表資料)

背景と社会的意義
 近年は、PFASによる人々の健康や環境への影響に関する懸念を背景に、各国での規制が強化されています。日本においては2026年4月から、PFOSおよびPFOAの合計値50 ng/Lが水道水質基準値として設定*2され、水道事業者などには、水質検査実施と基準遵守が求められています。今後も対策の強化が続くことが想定されている中、確実かつ持続可能なPFASへの対策技術の確立と社会実装が急務となっていますが、これまで活用されてきた活性炭やイオン交換樹脂にPFASを吸着させて除去する処理方法は、分離・除去後の処理が課題となっており、PFASを根本的に分解する技術への期待が高まっています。
*2 環境省2025年6月30日公布「水質基準に関する省令の一部を改正する省令」に基づく。

本実証の概要
 本実証では、FUST Lab社が開発した約400 kHz帯の収束型キャビテーション*3超音波技術(以下、本技術)を用い、日立ハイテクが長年培ってきた「見る・測る・分析する」技術力やノウハウを基盤に、PFAS分解プロセス全体をデータとして捉え、測定から解析を統合的に実施しました。本技術は、超音波によって水中に微細な気泡を発生させ、気泡が崩壊する際に局所的に高温・高圧の環境が生じるとともにラジカル種*4が生成されることで、PFASの強固な炭素とフッ素の結合を化学的に切断しPFASの分解を促進するものです。薬剤に依存せず物理・化学的効果を組み合わせることで反応効率を高める特徴や、親水性が高く分解が難しいとされる短鎖PFASを含む混合汚染水に対しても濃度低減効果があり、エネルギー効率と環境負荷のバランスに優れた処理を期待できます。
 なお、本実証においては日立ハイテクの技術力とノウハウを活用し、学校法人中央大学と連携して、分解処理前後におけるPFAS25種の定量分析に加え、ノンターゲット分析*5による副生成物の把握、物質が分解される仕組み(分解機構)の解明と反応評価も実施しました。
*3 キャビテーション:液体の流れの中で、圧力の変動によって短時間に気泡が発生し、その後消滅する物理現象
*4 ラジカル種:電子を1つだけ余分に持ち不安定で反応を起こしやすい粒子のこと。通常、電子はペアとなり安定した状態だが、ラジカル種は不安定な状態のため、PFASの分解を引き起こすのに有効とされる。
*5 ノンターゲット分析:あらかじめ対象物質を限定せず、多様な成分を網羅的に解析する手法


主な実証成果
 実汚染水(高濃度の長鎖PFAS主体および短鎖PFASを含む混合汚染水)を対象としたラボレベルの試験において、本技術を用いた分解処理を行いPFOSおよびPFOAの合計濃度を50 ng/L以下に低減し、環境省が定める水道水質基準を満たす結果が得られました。特に高濃度汚染水においては、本実証の条件下で最大約99.98%の濃度低減率を確認しました。また、長鎖PFASのみならず短鎖PFASを含む広範な化合物群に対しても高い分解性能を示すとともに、複数の化合物を同時に処理できる包括的な技術であることを実証できました。さらに、ノンターゲット分析により、PFASが分解されて生じるとされる無機フッ化物イオンの生成を含む分解進行を確認でき、本技術が単なる分離ではなく、分子レベルでの分解を実現していることを科学的に確認することができました。

今後の展望
 今後は本実証で得られた成果をもとに、日立ハイテクが有する解析・分析技術とFUST Lab社のPFAS分解技術を組み合わせ、実環境への適用に向けた検証をさらに進めていきます。日立ハイテクとFUST Lab社は、さまざまな水質条件や利用シーンに応じた技術適用性を高めるとともに、PFAS対策に求められる検出・除去・分解・廃棄の一連のプロセスにおける処理の安定性、信頼性の向上をめざします。また、検出から廃棄までの運用支援も見据えたソリューション構築に向けた取り組みを通じて、持続可能な水環境の保全と安心・安全な社会の実現に貢献していきます。

日立ハイテクについて
 日立ハイテクは、持続可能な地球環境、健康で安心・安全な暮らし、科学と産業の持続的発展に貢献するため、「知る力で、世界を、未来を変えていく」という企業ビジョンを掲げ、社会やお客さまに最先端の技術や製品・サービスを提供しています。ヘルスケア分野における医用分析装置、バイオ関連製品、放射線治療システム、半導体分野における半導体製造・検査装置のほか、環境分野や材料の研究などで用いられる分析装置、解析装置を製造・販売しています。また、電池、通信インフラ、鉄道検測、デジタルなどの産業・社会インフラ分野で高付加価値ソリューションを提供するなど、幅広い事業領域でグローバルに事業を展開しています。私たちは、社会やお客さまの真の課題を正しく知り、解決策を提供し続けることで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。(2026年3月期日立ハイテクグループ連結売上収益は8,217億円)
 詳しくは、日立ハイテクのWebサイト(https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/)をご覧ください。


FUST Lab社について
 FUST Lab. Co., Ltd.(株式会社ファーストラボ)は、韓国の国立研究機関である韓国標準科学研究院(KRISS)において、2008年から研究開発が進められてきた革新的な超音波技術を基盤とする企業です。 日本法人は東京都港区虎ノ門に拠点を構え、茨城県つくば市の研究所を中心に、積極的な事業展開と研究開発活動を推進しています。 独自に開発した超音波技術を活用し、PFAS(有機フッ素化合物)の分解・無害化技術の開発に取り組むほか、界面活性剤を使用しないナノ材料分野においても、無界面活性剤ナノエマルションをはじめとする多様なソリューションを提供しています。

プレスリリース提供:PR TIMES

記事提供:PRTimes

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