【小林製薬】尿漏れによる「尿かぶれ」発症メカニズムに新知見
小林製薬株式会社

「第44回日本美容皮膚科学会総会・学術大会」にて発表
小林製薬株式会社(本社:大阪市、社長:豊田 賀一)は、これまで不明な点が多く残されていた「尿かぶれ」の具体的な発症メカニズムについて研究し新たな知見を得ました。「三次元ヒト皮膚モデル」に尿を曝露させた結果、炎症スイッチが強力に活性化し、炎症反応が引き起こされることを確認しています。さらに、網羅的な解析により、尿の刺激は皮膚のオートファジーを低下させ、バリア維持に不可欠な酵素を減少させる可能性も明らかになりました。
本研究成果の一部は「第44回日本美容皮膚科学会総会・学術大会」(2026年8月1日~2日)にて口頭発表しました。
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研究成果のポイント
◆ 尿によりNF-κBなどの炎症スイッチが活性化され、炎症反応が誘導されることを確認
◆ 尿による皮膚への炎症反応は汗や血液に比べ強力であることが明らかに
◆ 網羅的な遺伝子解析の結果、尿刺激により皮膚バリア形成に関わる因子が減少することを発見
尿漏れは、加齢や出産などを機に多くの女性が直面するデリケートな悩みです。それに伴う「尿かぶれ」は、不快なかゆみや痛みを引き起こし、日常生活の満足度(QOL)を著しく低下させる要因となっています。これまで、尿かぶれは尿への長期曝露によって皮膚が過剰な水和状態となり、角層バリアが破壊されることで引き起こされると考えられていましたが、詳細な発症メカニズムは解明されていませんでした。そこで当社では、人間の皮膚を再現した「三次元ヒト皮膚モデル」を用いて、尿が皮膚細胞内の分子にどのような影響を及ぼすのかを解析しました。
1.汗や血液では見られない、尿特有の強力な炎症反応を「三次元ヒト皮膚モデル」上で確認
人工尿を曝露させた三次元ヒト皮膚モデルにおいて、炎症を引き起こす中心的な役割を果たす「NF-κB*¹」が活性化され、炎症・掻痒誘導因子であるIL-8やCCL2*²などの遺伝子が有意に増加することを確認しました。一方、人工汗や血液ではこれらの増加は認められず、尿中の成分が炎症を誘導する原因となっており、尿特有の強い刺激性があることが示されました(図1)。
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図1. 人工尿による炎症反応の誘導
試験方法:三次元皮膚モデル(LabCyte EPI-MODEL)に人工尿、人工汗、またはウマ脱繊維血液を曝露して6時間培養し、各遺伝子発現をRT-PCR法で調べた。(コントロール:PBS)
P<0.05, *P<0.01, ***P<0.001 (One-way ANOVA followed by Dunnett’s test)
2.尿刺激が皮膚の「オートファジー機能」を低下させる可能性を確認
尿による刺激の詳細を解明するため、網羅的な遺伝子解析(RNA-seq解析)を実施しました。その結果、人工尿の曝露によって、細胞内の不要な物質を分解し、表皮の分化に関与する「オートファジー*³」に関連する遺伝子が減少することが確認されました。さらに、皮膚バリア(コーニファイドエンベロープ)形成に重要な酵素「トランスグルタミナーゼ-1*⁴」も減少していることが明らかになりました(図2)。当社はこれまでに、オートファジーの低下に伴ってトランスグルタミナーゼ-1が減少することを報告しています(*5参照)。これらの結果から、尿の曝露に伴うオートファジーの低下が、皮膚のバリア機能の低下を引き起こす原因となっている可能性が示唆されました。
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図2. 人工尿による遺伝子発現変動
試験方法:三次元皮膚モデル(LabCyte EPI-MODEL)に人工尿を曝露し、6時間培養した後に、RNA-seq解析を用いて網羅的な遺伝子発現変動を測定。
本研究は、尿漏れによる皮膚トラブルが、外的な物理刺激(ムレやこすれ)だけでなく、尿成分自体による「汗や血液を上回る強力な炎症誘導」や「皮膚内部のオートファジー低下によるバリア不全」という、二重の悪循環によって引き起こされている可能性を示しました。
今後は、本研究で得られた知見を活かし、尿かぶれによる強いかゆみや痛みに悩む方々が毎日を快適に、安心して笑顔で過ごせる社会の実現を目指し、研究開発に取り組んでいきます。
*1 NF-κB(エヌエフ・カッパー・ビー)とは
細胞が刺激を受けた際に、炎症を起こす遺伝子を作らせる司令塔となるタンパク質です。
*2 IL-8/CCL2とは
体内で炎症が起きる際に分泌される代表的な因子です。強いかゆみや赤み、ヒリヒリとした痛みを引き起こす原因となります。
*3 オートファジーとは
細胞が自身の中の古くなったタンパク質や不要な細胞内小器官を分解し、再利用する仕組みです。細胞の「掃除」や「リサイクル」機能とも例えられ、細胞を健康に保つ上で重要な役割を担っています。皮膚においてはバリア形成やメラニン色素分解にも作用します。
*4 トランスグルタミナーゼ-1とは
皮膚の最も外側で、外部刺激から肌を守る強固な壁(コーニファイドエンベロープ)を組み立てるために不可欠な酵素です。
*5 参照
Journal of Dermatology and Skin Science, Vol6(1),2024, DOI: 10.29245/2767-5092/2024/1.1177
本研究成果の一部は「第44回日本美容皮膚科学会総会・学術大会」(2026年8月1日~2日)にて口頭発表しました。
- 学会名: 第44回日本美容皮膚科学会総会・学術大会- 発表日: 2026年8月1日- タイトル: 三次元再構成ヒト表皮モデルを用いた尿刺激の解析- 発表者名:萩野輝、福島康江、中本茉那、伊澤大介
『フェミニーナ』は、1995年に発売された日本初の女性のデリケートゾーン用かゆみ止め薬です。発売当時、「デリケートゾーン」は「局部」や「陰部」と呼ばれ、トラブルが生じても人に相談しづらいというタブー意識が存在し、適切な対処が遅れるという課題がありました。そこで当ブランドは、「もっと女性の悩みに寄り添いたい」、「もっとケアすること自体を身近に感じてほしい」、という思いから「デリケートゾーン」という言葉を生み出しました。
発売から31年、「自分を大切にするためにも、当たり前にケアしてほしい」という思いを込めて、啓発活動を続けています。今後も、女性のデリケートなからだと心に寄り添った製品開発に努めていきます。
- ブランドサイト:
https://www.kobayashi.co.jp/brand/feminina/- 関連リリース:
https://www.kobayashi.co.jp/newsrelease/2025/20251225_01/(ブランド30周年の歩みと、女子中高生対象の啓発活動について)
■「フェミニーナUP」について
「フェミニーナUP」(第2類医薬品)は、デリケートゾーンのトラブルをケアする『フェミニーナ』ブランドから誕生した尿かぶれ治療薬です。かぶれやヒリヒリ感を抑える抗炎症成分と、かゆみを鎮める成分など6つの有効成分を組み合わせ、尿かぶれによる痛がゆさを素早く鎮めます。デリケートゾーンの皮膚特性に配慮した非ステロイド性の低刺激処方で、無香料、メントール不使用です。
- 製品サイト:
https://www.kobayashi.co.jp/brand/feminina/up/
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フェミニーナUP(販売名:フェミニーナUPa)
・第2類医薬品
・効能効果:かゆみ、かぶれ
・メーカー希望小売価格(税抜) 1,200円 15g
プレスリリース提供:PR TIMES



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