「小林製薬紅麹事件」大阪市保健所の"珍回答"第2弾・工場の青カビ編──「この理解で間違いないか」確認書を大阪市に提出(令和8年8月16日付)
株式会社薫製倶楽部

「小林製薬紅麹事件」大阪市保健所の"珍回答"第2弾・工場の青カビ編──「この理解で間違いないか」確認書を大阪市に提出(令和8年8月16日付)
株式会社薫製倶楽部(本社:岡山県都窪郡早島町、代表取締役:森雅昭)は、いわゆる小林製薬紅麹事件に関し、令和8年8月16日付で大阪市(大阪市保健所長宛)に「確認書」を提出しました。
昨日公開した「大阪市保健所の5つの"珍回答"」に続き、本日は令和6年5月29日開催の第3回大阪市食中毒対策本部会議において公表された資料3「原因究明の進捗状況」、いわゆる「工場の青カビ」に関する記載に絞ってご報告します。
確認書は、当社が開示文書から整理した次の三点について、「この理解で間違いないか」を大阪市に確認するものです。1.この公表を裏づける正式な検査結果通知書の日付は、公表の6か月後である令和6年12月4日であること。2.公表の根拠とされる連絡は電話であり、その日付も内容も記録が存在しないと大阪市が回答していること。3.原因菌株とされた青カビは、行政が自ら採取・収去したものではなく、原因企業とされる小林製薬から提供されたものであり、その搬入日は公表より後の令和6年7月17日であること。
1.資料3(令和6年5月29日)に記載されている内容
資料3「原因究明の進捗状況」には、当社が確認した原本において、次の趣旨の記載があります。
・旧大阪工場のふきとり検査について、地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所(以下「大安研」)が遺伝子検査によりPenicillium adametzioides(ペニシリウム・アダメツィオイデス)と同定したこと。
・当該P. adametzioidesは、小林製薬により和歌山工場から分離され、プベルル酸を生成することが確認されたアオカビと「同種」であるとの記載。
・分離されたP. adametzioidesについてプベルル酸の探索を実施し、全ての検体から「プベルル酸と思われるピーク」を検出したとの記載。
すなわち大阪市は、令和6年5月29日の時点で、工場から検出された青カビの菌種名と、プベルル酸という物質名とを結び付けて対外的に公表しています。
2.公表(5月29日)と正式な検査結果通知書(12月4日)の間の6か月
大阪市からの開示文書により、次の各事実が確認できます。
・大大保第8205号(令和8年7月22日付、不存在による非公開決定):令和6年5月28日の発表前に菌種同定が完了していたことを確認したことを示す本市の内部決裁文書又は厚生労働省との連絡文書は、作成又は取得しておらず存在しない。
・大安研から大阪市への「検査結果通知書」(健安細菌第300号、検査依頼番号R6-1007)は、検査依頼日が令和6年4月19日、通知書の発出が令和6年12月4日。市の内部供覧は令和6年12月4日に開始され、閲了は令和7年3月18日。
・大大保第8220号(令和8年7月24日付、不存在による非公開決定):令和6年3月27日前後に提出されたプベルル酸関連資料について、本市と厚生労働省との間の協議・連絡・確認・情報共有に係る文書は存在しない。誰が、いつ、いかなる根拠でこれを行政上妥当と判断したかを示す文書も存在しない。
公表は令和6年5月29日、これを裏づける正式な文書は令和6年12月4日。その間には約6か月の開きがあります。
3.「電話は受けた。しかし記録はない」
この6か月の空白について、大阪市は当社の質問状に対し、次のとおり回答しています。
・令和8年7月15日付回答:検査結果通知書の送付以前に、大安研から「連絡」を受けていた。
・令和8年7月18日付回答:当該電話連絡の日付等については記録が存在せず、確認することができない。
整理すると、正式な文書より6か月早い公表を支えていたのは、日付も相手方も内容も記録されていない一本の電話であった、ということになります。当社が令和8年7月24日に大阪市保健所へ電話で照会した際にも、担当者からは、小林製薬提供資料以外の資料は存在しない旨の説明(「ないものはない」)がありました。
4.原因菌株は「収去」ではなく「任意提供」だった
食品衛生法に基づく行政の検査は、行政が自ら検体を採取・収去することを基本とします。当社が地元の保健所(岡山県備中保健所)に確認した際にも、ふきとり検査を含め、行政が自ら採取するのが通常の運用であるとの説明を受けています。
ところが本件では、開示文書上、次の二系統が明確に分かれています。
・製品ロット(検査番号R6-1001~R6-1011)については、大阪市による「収去」が行われており、収去者の氏名も記載されている。
・これに対し、原因菌株とされたP. adametzioides(小林製薬分与株No.1~No.7)は、小林製薬中央研究所から提供された任意提供物であり、大安研への搬入日は令和6年7月17日である(検査依頼書R6-1016、令和6年7月17日起案)。大大保第8562号においても、当該菌株について収去が行われたことを示す記載は確認できない。
搬入日である令和6年7月17日は、資料3が公表された令和6年5月29日より後です。すなわち公表の時点で、原因菌株は大安研の手元にありませんでした。
あわせて、資料3の「小林製薬により和歌山工場から分離され」との記載についても、当該分離を裏づける一次資料は、これまでの開示文書からは確認できていません。上記検査依頼書には、分与株がどの工場(大阪/和歌山)に由来するかの記載がありません。
5.最大の疑問──「推定同定」から「産生」は導けない
当社が最も重視しているのは、この点です。
第一に、大阪市自身が、令和8年7月18日付の回答書において、遺伝子検査による菌種同定は本来「推定」にとどまるものであり、「(推定菌種)」と記載するのが一般的である旨を説明しています。
第二に、微生物学の基本として、ある化合物を産生するか否かは「種」ではなく「株」(strain)が決める形質です。同じ種に属していても、産生する株と産生しない株があります。大腸菌に置き換えれば、ある一つの株(O157)が事故を起こしたことを理由に、大腸菌という種を一律に扱うのと同じ構造になります。
第三に、資料3の産生側の記載も「プベルル酸と思われるピーク」にとどまっており、プベルル酸標準品との直接照合により確定させた分析データは、これまでの開示文書からは確認できていません。さらに、大安研から大阪市への検査結果通知書(健安細菌第300号)は、結果欄で「プベルル酸産生性真菌」の陽性を記載する一方、別添では「推定同定」と自認しています。
つまり、菌種の同定が「推定」であり、産生の確認も「と思われるピーク」であるにもかかわらず、公表は断定の形でなされている、という構造になります。推定同定された菌種名をもって特定物質の産生を語ることは、当社の理解する限り、分析化学・微生物学のいずれの手続にも適合しません。
6.令和8年8月16日付「確認書」の確認事項
当社は、上記の整理について「この理解で間違いないか」を確認するため、令和8年8月16日付で大阪市(大阪市保健所長宛)に確認書を提出しました。確認事項は次の5点です(回答期限:令和8年8月31日(月)、書面による回答を要請)。
・確認事項1:資料3に、大安研による遺伝子検査でP. adametzioidesと同定した旨、小林製薬が和歌山工場から分離しプベルル酸を生成することが確認されたアオカビと「同種」である旨、及び全ての検体から「プベルル酸と思われるピーク」を検出した旨の記載があるとの理解に相違はないか。
・確認事項2:検査結果通知書(健安細菌第300号)の発出は令和6年12月4日であり、資料3の公表(令和6年5月29日)はこれより約6か月早い時点で行われたとの理解に相違はないか。
・確認事項3:6か月早い公表を支える根拠として示されているのは、日付・相手方・内容のいずれも記録が残されていない電話連絡である、との理解に相違はないか。
・確認事項4:製品ロットは大阪市による収去であるのに対し、原因菌株は小林製薬からの提供物であり、搬入日(令和6年7月17日)は公表日より後である、との理解に相違はないか。
・確認事項5:菌種の同定が「推定」であり、プベルル酸の検出も「思われるピーク」にとどまる段階で両者を結び付けて公表されたとの理解に相違はないか。相違がある場合は、プベルル酸標準品との直接照合による確定データ及び株レベルでの同一性を確認したデータの有無を含め、その根拠を示されたい。
確認書には、期限までに回答又は指摘がない場合には、当社の理解について特段の指摘がなかったものとして公表する場合がある旨を付記しています。
本リリースについて
・本リリースにおける「珍回答」との表現は、行政文書の内容に対する当社の受け止め(評価)であり、大阪市の回答の適法性についての判断ではありません。
・本リリースが引用する不存在決定は、いずれも「当該文書を保有しているか否か」についての行政機関の回答であり、科学的知見一般の存否について判断したものではありません。
・大大保第8205号の対象は、「令和6年5月28日以前」かつ「本市の内部決裁文書又は厚生労働省との連絡文書」に限られており、大阪健康安全基盤研究所自身が保有する検査記録は対象に含まれていません。
・厚生労働省から大阪市への通知(健生食監発0326第6号、令和6年3月26日付「紅麹を含むいわゆる健康食品の取扱いについて」)は公表されており、本リリースは、両者の間に一切の連絡がなかったという趣旨ではありません。大大保第8220号の対象は、令和6年3月27日前後のプベルル酸関連資料に係る協議・連絡等の記録です。
・本リリースは、本件における因果関係及び違法性について判断を述べるものではありません。
会社概要
会社名:株式会社薫製倶楽部
所在地:岡山県都窪郡早島町前潟611-1
代表者:代表取締役 森 雅昭(薬剤師)
事業内容:薫製食品の製造・販売(ブランド:倉敷ソーセージ)
TEL:086-483-0602 / E-mail:sales@kunsei.co.jp
紅麹関連情報:
https://kunsei.com/archives/category/benikoji
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記事提供:PRTimes