「社内に留まり、静かに牙を研ぐ」 ランスタッドの調査で判明。日本のエンジニアが突きつける「スキル自律」のリアル
ランスタッド

ランスタッドはエンジニアリング人材のエンプロイヤーブランド調査を実施。転職意向は平均以下も「愛社精神」は通用せず。最新技術と高報酬を求めるエンジニアの生存戦略が明らかに
総合人材サービスを提供するランスタッド株式会社(本社:東京都千代田区 代表取締役会長兼CEO 道上 淳之介、代表取締役社長 猿谷 哲)は、日本の技術労働市場の実態を調査した「ランスタッド エンプロイヤーブランドリサーチ 2026 (エンジニアリング)」の日本国内における詳細調査結果を本日公開いたしました。
日本のエンジニアリング(技術職)プロフェッショナルは、IT人材と同等かそれ以上にハングリーな報酬・就業環境への期待を持つ一方で、他社への転職や社内異動といった「物理的な移動」は平均以下に抑え、現在の環境に留まりながら自身の市場価値を高めることで「雇用の安定」を勝ち取ろうとする、極めて自律的で堅実な「インナー・スキル自律」のキャリア観を抱いていることが明らかになりました。彼らにとって、スキルアップ(リスキリング)の機会は、組織に依存せず変化の激しい時代を生き抜くための「究極の自己防衛策」です。優秀なエンジニアを獲得・定着させたい企業は、従来の「終身雇用型・一律人事」の枠組みを根底から見直す必要があります。
愛社精神は通用しない。優秀なエンジニアを惹きつけるのは「適正な報酬」という客観的証明
理想の職場環境に「魅力的な給与と福利厚生」を挙げるエンジニアの割合は、日本全体平均(59.2%)を大幅に上回る64.8%に達しました。技術革新のスピードが速く、自らの専門スキルがダイレクトに企業の競争力に直結する現代において、エンジニアにとって報酬とは、単なる生活の糧ではなく「自分の技術力、専門性、そして市場価値を最も客観的に測定する『厳格なスコアボード(評価)』」そのものです。かつて日本のものづくり企業で美徳とされた「製品への愛着」や「ものづくりのプライド(愛社精神)」といった情緒的なアプローチだけでは、優秀なエンジニアは一切惹きつけられない現実が明らかとなりました。
レガシー環境は「キャリアの停滞」。最新技術とリスキリングこそエンジニアにとっての「最強の福利厚生」
エンジニアの就業意識(今後6ヶ月以内)を調査したところ、「他企業への転職」を計画している割合は12.4%(日本全体:13.5%)、「同じ企業内での異動・キャリアチェンジ」を計画している割合は4.2%(日本全体:4.9%) と、いずれも日本全体平均を下回りました。しかしながら、彼らは組織の終身雇用制度に甘んじているのではなく、自律的なスキル向上によって雇用を自己担保する、極めてドライなキャリア防衛策を敷いています。エンジニア職の30.3%が「リスキリングによる市場価値向上」を雇用の安定のために必要な要素と回答しています(日本平均:20.6%)。また、理想の雇用主に求める要素についても、最新技術を重視する割合は21.1%と日本平均を10ポイント以上も上回っています。
エンジニアにとって、最新テクノロジーの導入・活用は単なる興味関心ではなく、自身の市場価値に直結する「最強のリテンション(引き止め)要因」です。逆に技術投資を惜しむ企業は「未来がない」と見なされます。企業が学び続けられる環境を提供することこそが、優秀な技術者を定着させる決定的な防波堤となります。
アットホームな職場アピールは逆効果?日本のエンジニアが求めるのは明確な経営ビジョン
「快適な職場の雰囲気」は、現代のエンジニアにとっての求心力を失いつつあります。勤務先選定における同項目への重視度は44.4%(日本平均:49.4%)と主要5項目中最下位でした。彼らが求めているのは曖昧な「仲の良さ」ではなく、強力な経営陣・リーダーシップ(エンジニア20.7%に対し、日本平均14.7%)による明確なビジョンです。個人の専門性を尊ぶエンジニアにとって、単なる雰囲気の良さの強調は、かえって「しがらみの多さ」という警戒感を招きかねません。
■ エンジニア、IT人材、日本全体のEVP(従業員価値提案)期待値比較
日本のエンジニア(技術職)が理想の職場に求める条件は、快適な雰囲気よりも、自己の専門性を活かし最新技術に触れられる「ハングリーな環境」にシフトしています。
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■ プロフェッショナルタレントソリューション事業本部 アソシエイトディレクター志賀大介のコメント
伝統的なものづくり大国である日本のエンジニアリング市場において、技術者のキャリア観はドラスティックに変容しています。技術者はもはや、企業が用意した終身雇用という名の安息を信じていません。
今回の調査で、エンジニアは他社転職意向(12.4%) も社内異動意向(4.2%) も日本全体平均を下回り、一見すると現在の職場に安住しているように見えるかもしれません。しかし、それは企業への帰属意識の高まりではなく、『自身が学習し、市場価値を最新に保つこと(30.3%が重視)』こそが究極の雇用安定に寄与するという『スキル自律(エンプロイアビリティ担保)』のキャリア防衛策を敷いているからです。物理的に動かずとも、自律的に牙を研ぎ澄まし続けることこそが彼らの最大の防衛策なのです。
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企業側が優秀なエンジニアを引き留める(リテンション)ためには、形だけの雇用維持や社内異動をアピールするのではなく、最新技術に触れ、学び続けられるリスキリング環境を日常のインフラとして確実に提供しなければなりません。スキルベースの成長環境を提供できない企業は、優秀な技術者から留まりながらも、静かに見限られることになるのです。
■ 優秀なエンジニアを惹きつけ、定着させるための企業への5つの戦略的提言
報酬と成長機会の期待値に添う: 給与の市場競争力を高めるとともに、評価・報酬制度の透明性を向上させる。また、個々のエンジニアに明確なキャリアパスを提示し、従業員の期待に応える。
ワークライフバランスの実務運用への落とし込み: 柔軟な働き方や業務量の適正管理、疲労回復のための時間確保、ウェルビーイングへの支援を、実際の業務プロセスやマネジメントの仕組みとして定着させる。
属性に応じた個別最適な定着戦略の構築: 世代やキャリアステージ、地域の労働市場の実態など、属性によって異なる離職リスクを客観的に把握し、それぞれに合わせた効果的な引き留め施策を実施する。
デジタル採用と「人とのつながり」の融合: デジタルを活用して採用活動の効率化を図る一方で、候補者との誠実な対話や関係構築といった人間的なコミュニケーションも重視し、バランスの取れたアプローチを行う。
EVP戦略の細分化: すべての従業員に画一的なアプローチを適用するのではなく、多様な人材グループそれぞれの期待に合わせて、従業員体験や採用メッセージを最適化していく。
■「ランスタッド エンプロイヤーブランドリサーチ 2026(エンジニアリング)」調査概要
調査対象: 日本国内の18歳から65歳までの学生・就業者・非就業者 4,464名
(うち、エンジニアリング専門職261名)
実施時期: 2026年1月
実施方法: オンラインアンケート(標準回答時間14分)
レポート無料ダウンロード(業界別):
https://services.randstad.co.jp/ja-jp/download/the-employer-brand-research-2026-sector-job-report
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■ ランスタッドの会社概要
[社 名] ランスタッド・エヌ・ヴィー
[設 立] 1960年10月
[代 表] サンダー・ヴァント・ノールデンデ、ホルヘ・バスケス
[所 在 地] オランダ
[従業員数] 38,480人
[売 上] 4兆2,537億円(230億7,700万ユーロ) 2025年度実績(12月決算)
(人材サービス業として世界最大※¹)
[資 本 金] 7,376億8,866万円(40億200万ユーロ) 2025年12月末時点
[事 業 所] 世界39の国と地域
[事業内容] 総合人材サービス
[URL]
https://www.randstad.com/
(1ユーロ184.33円換算/ 2025年12月末時点)
※¹ Staffing Industry Analysts 2025、人材サービス企業売上ランキングより
■ ランスタッドについて
ランスタッドは、世界で最も公平で専門性を備えた人材サービス会社になるというビジョンを掲げる人材業界のグローバルリーダーです。人材およびクライアント企業に選ばれるパートナーとして 、労働市場の深い理解と4つの専門分野(オペレーショナル/ プロフェッショナル/ デジタル/ エンタープライズ)を通じ、クライアント企業が成功するために必要な、高品質で多様性に富んだ柔軟な労働力の実現を支援します。私たちは、あらゆるバックグラウンドを持つ人々に公平な機会を提供し、急速に変化する働く世界において人々が価値ある存在であり続けられるよう支援することに注力しています。ランスタッドが創造する価値を通じて、誰もにとってより良い働く世界の実現に貢献します。
オランダに本社を置くランスタッドは、39の国と地域(市場)で事業を展開しており、約38,000人の社員が働いています。2025年には、15万社近いクライアント企業と170万人以上の働く人々を支援し、231億ユーロの収益を上げています。ランスタッドN.V.はユーロネクスト・アムステルダムに上場しています。詳細は、ウェブサイトをご参照ください。 www.randstad.com
■ Award/表彰ほか
・LGBTQI+に関する取組み評価指数「PRIDE指標」の最高位「ゴールド」を5年連続受賞
・ランスタッドNVとしてダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSI)
プロフェッショナルサービス部門 11年連続選出(人材サービス企業として唯一)
・「がんアライアワード2024」でブロンズを初受賞 (2024年12月)
・「D&Iアワード2025」より最高評価のベストワークプレイスに4年連続認定 (2025年12月)
■ ランスタッドのホワイトペーパーとコンテンツ
1)ランスタッド・エンプロイヤーブランドリサーチ2026 (下記のリンクよりダウンロードいただけます)
https://services.randstad.co.jp/ja-jp/download/form/the-employer-brand-research-2026-report
2) ランスタッドワークモニターレポート2026(下記のリンクよりダウンロードいただけます)
https://services.randstad.co.jp/form/the-workmonitor-2026-report
3) ランスタッド法人向けブログ「WorkforceBiz」
https://services.randstad.co.jp/blog
4)ランスタッド個人向けコンテンツサイト「キャリアHUB」
https://www.randstad.co.jp/careerhub/プレスリリース提供:PR TIMES


記事提供:PRTimes