Muso Action、経済産業省およびNEDOが実施する国家プロジェクト「GENIAC」の採択事業者に決定
Muso Action株式会社

アスクル・日本通運・若松梱包運輸倉庫の倉庫で、ピッキング作業向けロボット基盤モデルを開発・実証へ。物流現場に特化して年間100万エピソードの作業データを収集し、フィジカルAIの社会実装を加速
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フィジカルAIで現場作業を自動化するMuso Action株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:村山 龍太郎、以下「当社」)は、経済産業省および国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)が推進する、国産AI基盤モデルの開発力強化と社会実装の促進を目的としたプロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)※1」のロボット基盤モデル研究開発事業の公募において、「物流倉庫のピッキング・ソーター投入におけるスライダー式ロボットアーム向け、多品種対応のためのロボット基盤モデルとデータ収集デバイスの開発・実証」のテーマを提案し、採択事業者に決定しました。
本事業では、アスクル株式会社、日本通運株式会社、若松梱包運輸倉庫株式会社の稼働倉庫にロボットとデータ収集デバイスを導入し、ピッキング作業等のデータを年間100万エピソード※2規模で収集します。収集したデータでロボット基盤モデルを学習・改善し、数万SKU※3に及ぶロングテール商品への対応と、ヒューマノイド型比で約6~7割の省電力を両立させることを目指します。実施期間は2026年10月から2027年9月までの1年間です。
■ 背景:ロボットが安定して扱えるのは全SKUの約5%。残り95%のロングテールが自動化の壁
EC物量の増加と人手不足が同時に進むなか、物流倉庫のピッキング作業は、庫内でもっとも多くの人手を要する工程でありながら、自動化が最も進みにくい領域として残されてきました。
倉庫が扱う商品種類は数万から数十万に及びます。形状・重量・材質・梱包状態は商品ごとに異なり、季節や販促によって入れ替わり続けます。
一方、ピース単位で商品を扱うピッキングロボットが安定して対応できる商品種類は、全SKUの約5%※4にとどまり、残り95%の「ロングテール」への対応が、自動化の最大の障壁となってきました。
近年注目される汎用ロボット基盤モデル(VLA:Vision-Language-Action)についても、学習済み商品では高い成功率を示す一方、未学習の商品では成功率が大きく低下することが報告されています。加えて、ヒューマノイド型ロボットは消費電力が大きく、GX(グリーントランスフォーメーション)の観点からも実運用に課題が残ります。
当社はこれまで、製造・物流・小売の現場で、ロボット基盤モデルと力制御を組み合わせた汎用ロボットワーカーの実証を重ねてきました。本事業では、その蓄積を物流のピッキング領域に集中投下します。
■ 本事業で目指すこと:物流に最適化したアプローチと、圧倒的な現場データ量
本事業の中核は、実際に稼働している物流倉庫でデータを取り続けることです。研究施設や模擬環境ではなく、毎日商品が動いている現場から、人手による作業データ・ルールベース動作・学習動作を収集し、年間100万エピソード規模のデータ基盤の構築を目指します。
実証は、取り扱う商材も作業形態も異なる3拠点で行います。(対象の倉庫、商品、作業は変更の可能性があります)
- アスクル株式会社 ASKUL関東DC(埼玉県上尾市):生活日用品、専門商材のピッキング- 日本通運株式会社 関西空港倉庫(大阪府):菓子等のピッキング- 若松梱包運輸倉庫株式会社 本社第二共配センター(石川県):缶詰・調味料等のピッキング、仕分け
あわせて、現場作業者がそのまま使えるUMI形式※5のデータ収集グリッパーを開発します。ロボットを設置していない工程でも把持動作データを低コストかつ大量に取得できるようにし、データ収集の速度そのものを引き上げます。
収集したデータは、公開VLAモデルをベースとした2段階のファインチューニング(物流の大量データセットでの事前学習+現場ごとの少量データでの追加学習)に用います。さらに、力制御を軸としたマルチモーダル化によりモデルを軽量化することで、未学習SKUでも高い成功率を維持しながら、省電力での実運用を可能にします。
なお、本事業で開発する物流向けロボット基盤モデル、および各現場で得られた導入ノウハウについては、事業終了後に一部を公開する予定です。
■ 今後の予定
現時点では、2026年10月から2027年9月までの実施を予定しています。2026年10月から3拠点でのデータ収集を開始し、2027年前半にモデル開発、2027年後半に3拠点それぞれでの本実証を行います。
事業終了後は、本事業で得た基盤モデルを月額サブスクリプション型のロボットワーカー「Muso-Roid」に実装し、物流をはじめとする現場への展開を進めます。
■ 実証パートナーコメント
アスクル株式会社 ロジスティクス本部 ロジスティクステクノロジー 統括部長 川久保隼人様
AI・物流ロボット領域の第一線で活躍されてきたエンジニアを擁するMuso Action様との実証事業に大きな期待を寄せています。特に、既存オペレーションを活かしながらロボットを活用できる点、さらに多様な商品や作業環境に対してロボットが自律的に学習し、柔軟に対応できる点に大きな可能性を感じています。物流現場では労働力不足への対応や生産性向上が重要な課題となる中、本取り組みが当社および物流業界全体が抱える自動化の課題解決と、自動化のさらなる推進につながることを期待しています。
NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社 コーポレートベンチャリング部長 青浩司様
NXグループでは、業界が直面する人手不足への対応を重要な経営課題と捉え、さまざまな技術活用を進めております。今回の取り組みは、VLAをはじめとするロボット基盤モデルを活用し、物流現場の自動化を目指す第一歩と認識しております。Muso Action様とともに実証を進め、柔軟で実用的なロボットが実現されることを期待しています。
若松梱包運輸倉庫株式会社 執行役員 3PL事業部長 植田清伸様
AIロボットの進化は想像を絶するスピードであり、安全・品質・生産性も含めて物流業務を支える重要なパートナーになるのも近い将来だと感じております。当社の現場は商品特性や作業特性など多種多様なため自動化の難易度が高い領域ですが、Muso Action様とともに実証を進めることで、社会における人手不足への対応と物流の進歩を両立する現実的な自動化の道筋が見えてくることを期待しています。
■ 代表コメント
Muso Action株式会社 代表取締役社長 村山 龍太郎
フィジカルAIの社会実装というビジョンと、物流現場のロングテール作業に正面から取り組む研究開発内容を評価いただき、経済産業省およびNEDOから力強いご支援をいただけることに厚くお礼申し上げます。
フィジカルAIでは、モデルの大きさではなく、現場のデータ量と実装の速さが重要だと考えています。今回、アスクル様・日本通運様・若松梱包運輸倉庫様という日本の物流を支える各社の現場で、1年間にわたりデータ収集・ロボットによる自動化の実証を共同で実施できることになりました。
日本の倉庫は、多品種・小口で、求められる精度も高い。この難しさは、裏を返せば世界でも有数の学習環境だということです。研究室のベンチマークではなく、毎日商品が動いている現場のロングテール商品で成立させる。ここで鍛えた基盤モデルは、そのまま世界の現場でも通用すると考えています。
日本発のフィジカルAIとして、物流業界全体が使える基盤モデルを届けられるよう、社員一同、現場に張り付いて開発を進めてまいります。
■ 注釈
※1 GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge):国内の生成AIの開発力強化と社会実装の促進を目的とした経済産業省およびNEDOが実施する国家プロジェクト。
2026年9月9日「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ロボット基盤モデルの研究開発(GENIAC)(補助)」の実施体制の決定について(
https://www.nedo.go.jp/koubo/CD3_100434.html)
※2 エピソード:ロボットまたは人が1回の把持・移載動作を完了するまでの、一連の動作データを指す単位。
※3 SKU(Stock Keeping Unit):在庫管理上の最小の商品単位。同一商品でもサイズ・色・内容量・梱包形態が異なれば別のSKUとして数える。倉庫が取り扱う商品種類の多さを示す指標として用いられる。
※4 出典:Productiv, Inc.「SKU Coverage: The Metric We Use to Evaluate Humanoid Robots」(2026年5月公開)。10万種類超のSKUを扱う同社の現場における実績値。
※5 UMI(Universal Manipulation Interface)形式:作業者が手に持って普段どおりに商品を扱うだけで、ロボットの学習に使える把持動作データを記録できる、手持ち型データ収集デバイスの方式。ロボット本体を設置していない工程でもデータを取得できるため、現場を止めずに大量のデータを集められる点が特徴。研究コミュニティで公開されている方式であり、当社はこれを物流現場での常用に耐えるかたちに改良して開発します。
■ 会社概要
社名:Muso Action株式会社
代表者:代表取締役社長 村山 龍太郎
設立:2025年4月
所在地:東京都品川区西五反田7-21-11 第二TOCビル6階2号室
事業内容:ロボット基盤モデルを活用したロボットワーカーの開発・提供
URL:
https://muso-action.com/
Muso Actionは、ロボット基盤モデルと、力制御・遠隔操作を組み合わせることで、人の軽作業を代替可能な汎用ロボットワーカーの開発に取り組んでいます。
■ 採用情報
Muso Actionでは、本事業の推進および事業拡大にともない、積極採用を行っています。現在、以下のポジションを募集しています。
- AIロボティクスエンジニア- ロボティクスエンジニア- ハードウェアエンジニア(メカ)- フィールドエンジニア
基盤モデルの開発から実機検証、物流現場での実証までを一気通貫で担える環境です。詳細は当社採用ページ(https://muso-action.com/ja/careers)をご覧ください。
■ 本件に関するお問い合わせ
Muso Action株式会社 広報担当
Email:info@muso-action.com
URL:
https://muso-action.com/プレスリリース提供:PR TIMES
記事提供:PRTimes