TISI、生成AIを活用した複数自治体による広域データ連携基盤の共同利用に関する実証を実施
TISインテックグループ

~自治体ごとに異なるデータ形式の自動共通化の実現と、エリアデータ連携基盤共同利用の社会実装に向けた有効性を確認~
TISインテックグループのTISI株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役 社長執行役員:岡本 安史、以下:TISI)は、公益財団法人九州先端科学技術研究所(以下:ISIT)と共同で、オープンデータ活用を見据えた、広域データ連携基盤の共同利用に関する実証実験を実施したことを発表します。
本実証では、4自治体(1県3市)が参画し、3つの実証実験を通して、広域データ連携基盤の有効性を検証しました。生成AIを活用して自治体ごとに異なるデータを共通データモデルへ自動変換・連携する仕組みを活用し、自治体や分野の垣根を越えたデータ連携の実現可能性を確認しました。
本実証の成果は、エリアデータ連携基盤の共同利用モデルの具体的な実装事例として位置付けられ、広域での公共施設情報の利活用など、自治体間連携による新たな住民向けサービス創出の可能性を示しており、デジタル庁の「エリアデータ連携基盤の共同利用ガイドブック第3.0版」にて2026年9月4日に公開※1されています。
※1 参考:デジタル庁「エリアデータ連携基盤の共同利用ガイドブック第3.0版」
https://www.digital.go.jp/policies/digital_garden_city_nation/area-data-coordination-platform#guidebook
[画像:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/11650/1975/11650-1975-f7be1e5e5120bfc4e6a5fd5a97cddbbc-3120x1360.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
各実証におけるデータ連携のイメージ
背景
近年、地方自治体におけるオープンデータへの取り組み率は90%を超え※2、着実に拡大しています。一方で、オープンデータ活用に向けたデータ連携基盤の導入・運用には継続的な費用負担や専門人材の確保が必要であり、TISIが実証にあわせて実施した自治体向け調査(有効回答67件)では、費用面(導入・維持コスト)を課題として挙げた自治体が77.6%、活用面(ユースケース不足)と体制面(専門人材不足)を課題として挙げた自治体がそれぞれ64.2%となりました。
TISIは、地方自治体におけるオープンデータ利活用の推進に加え、データ連携基盤を活用した地域DXの実現を支援してきました。オープンデータカタログサイト向け機能の提供や、オープンデータを含む地域のデータを連携して活用する「エリアデータ利活用サービス」の展開など、地域や組織の枠を越えたデータ活用および課題解決に取り組んでいます。
TISIとISITは2025年5月にオープンデータ利活用促進を目的とした連携協定を締結※3しており、共同でデータ連携基盤に関する取り組みを進めてきました。
こうした背景を受け、TISIとISITは、複数自治体でのシステム共同利用による運用コストの削減や、データ形式標準化の促進、他自治体への横断展開による住民向けサービスの向上を目指し、本実証を行いました。
※2 参考:デジタル庁「地方公共団体におけるオープンデータ取組状況」
https://www.digital.go.jp/resources/data_local_governments
※3 関連プレス「TISと九州先端科学技術研究所、オープンデータ利活用促進で連携協定を締結」
https://www.tisi.jp/news/2025/tis_news/20250701_1.html
実証の概要
本実証は4自治体(1県3市)の協力を得て、2025年10月から2026年3月まで実施したものです。TISIが自治体ニーズ調査・分析、サービス設計を行い、ISITが共有型データ連携基盤「BODIK CityOS」※4構築とアプリケーション開発を担当しました。自治体ごとに分散しているデータの統合やオープンデータの利活用を検証した結果、既存システムに手を加えずデータ連携が可能となり、将来的な参加自治体の拡大や、広域連携を想定したオープンデータ利活用への展開可能性を確認しました。
※4 参考:ISITのWebサイトにて公開「FIWARE共同利用による広域データ連携基盤 実証実験」
https://www.bodik.jp/research/field_trials_2025/
実証内容・成果
各実証の内容と成果は、以下の通りです。
<実証1.>
自治体ごとに分断された施設予約システムに対し、既存システムを一切改修せずに4自治体の予約情報を自動収集。収集したデータは国際標準に準拠したデータ形式へ変換し、9種類の統一されたステータス情報へ整理。さらに、AIを用いて21種類の活動種目を自動タグ付けし、正確な緯度経度を付与して地図上へのマッピングも実施。
その結果、約3ヶ月という短期間で4自治体、213施設、30日先までの45万件以上の施設予約データの一元管理を実現。さらに、毎朝のデータ収集から変換・統合・AI処理・基盤への登録までを自動化し、約24分で処理を完了する運用サイクルを確立。これにより、住民が自治体の枠を超えて公共施設を検索できる環境を構築。
<実証2.>
市立図書館1ヶ所を対象とし、AIカメラを活用して自習室と駐車場の混雑状況の可視化。自習室は室内カメラ映像を基に1分ごとに人数をカウントして混雑状況を推定し、駐車場は車両の入出庫状況から駐車台数を推定。映像データは集計後に機器内から即座に削除し、個人を特定できない数値データのみをサーバーへ送信する安全な構成とした。機材の電気代は月額約100~260円、通信も安価なSIMを活用して低コスト運用を実現。
その結果、リアルタイムの混雑度をWebアプリで公開し、住民の混雑時の来館を抑制するとともに、職員の目視確認業務を自動化。蓄積された時系列データを用いた「カレンダー分析」により、土日祝日や金曜日の満車傾向、開館直後の午前中への集中といった利用特性をデータとして裏付け、データに基づく施設運営へ活用できることを確認。
<実証3.>
複数団体の基盤に分散するデータを手動で突合することなく、生成AIとMCP(Model Context Protocol)を活用して自動的にモデルの差異を吸収する機能の実現可能性と、それによるデータ統合の工数削減効果を検証。生成AIが各自治体のデータ構造を分析して共通のデータ形式と変換辞書を自動生成することで、横断的なデータ活用を実現。また、生成AIの利用を事前準備工程に限定し、実際のデータ検索時には事前生成した変換辞書による変換処理を行うことで、生成AIの推論コストや回答の不安定さを回避する実用的な仕組みとして実装。
その結果、自治体ごとに異なるシステム上にある人口データを同時に検索・同一形式で取得できることを確認。公共施設データを地図上に一括表示できることを確認し、データ統合に必要な設計・開発などの初期作業工数を削減できる可能性を確認。
<レポートについて>
本実証の詳細をまとめたレポートを公開しています。詳細は以下からご確認ください。
- ISITのWebサイトにて公開「FIWARE共同利用による広域データ連携基盤 実証実験実施報告書」
https://www.bodik.jp/research/field_trials_2025/
- デジタル庁のWebサイトにて公開「エリアデータ連携基盤の共同利用ガイドブック第3.0版」
https://www.digital.go.jp/policies/digital_garden_city_nation/area-data-coordination-platform#guidebook
今後について
TISIは、本実証で得られたデータ形式の標準化、生成AIによる変換辞書の作成、複数自治体での共同利用に関する知見を、「エリアデータ利活用サービス」に順次反映していきます。今後は、防災、観光、交通、公共施設運営などさまざまな分野でのオープンデータ活用を支援するとともに、共同利用モデルによる低コストのシステム導入方式や伴走支援サービスの提供を進めます。
さらに、自治体や地域を超えたデータ連携の実現、AI活用を通じて、持続可能な地域社会の構築と地域AX(AIトランスフォーメーション)推進に貢献します。
「エリアデータ利活用サービス」について
TISIの「エリアデータ利活用サービス」は、IoTによるリアルタイムデータやオープンデータなどさまざまなサービス・ソリューションと連携し、地域の暮らしに関連するデータを収集・可視化し、その利活用を促進するデータ連携基盤を中心としたサービスです。
詳細は、こちらをご参照ください。
https://www2.tisi.jp/service/detail/area-data/
TISI株式会社について(
https://www.tisi.jp/)
TISインテックグループのTISIは、金融、製造、流通、サービス、公共、通信など多様な業種で培った知見とAIをはじめとする先進技術を融合し、4,500社以上のお客さまと社会変革と価値創出を推進しています。300を超えるサービス・ソリューションを国内外で提供し、業務の効率化・高度化を通じて人材不足などの社会課題を解決し、持続可能な社会の実現に取り組んでいます。
TISインテックグループについて
TISインテックグループは、国内外グループ2万人を超える社員が『ITで、社会の願い叶えよう。』を合言葉に、「金融包摂」「都市への集中・地方の衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」を中心としたさまざまな社会課題の解決に向けてITサービスを提供しています。デジタル技術を駆使したムーバーとして新たな価値を創造し、人々の幸せと持続可能な豊かな社会の実現に貢献します。
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E-mail:opendata@ml.tisi.jp
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