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環境と肌に優しい次世代のリポソーム製造技術を確立 有機溶媒不使用のカプセル化技術『亜臨界水プロセス』 ~化粧品技術の国際的な学術大会“IFSCC Congress”にて発表~

日本メナード化粧品 総合研究所

環境と肌に優しい次世代のリポソーム製造技術を確立 


 日本メナード化粧品株式会社(愛知県名古屋市中区丸の内3-18-15、代表取締役社長:野々川 純一)は、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC、神奈川県横須賀市夏島町2番地15)との共同研究により、環境や肌に負担をかける有機溶媒を一切使わず、1回の処理工程で、均一なナノサイズのリポソームを連続的に製造する革新的な技術「亜臨界水プロセス」を開発しました。

 リポソームとは、ヒトの細胞膜の構成成分である「リン脂質」でできたナノサイズ(約100~200nm)の超微粒子カプセルです。有効成分を狙った部位へ効率的に届けるドラッグデリバリーシステム(DDS)として医療分野で幅広く研究・利用され、現在は化粧品や健康食品の分野でも多岐にわたり応用されています。
 従来のリポソーム製造では、リン脂質を多量の有機溶媒に溶解する必要があり、環境負荷や肌への残留刺激が課題とされていました。また、リポソームを微細なサイズで均一に揃えるためには強力な超音波や高圧微細化処理などの工程が不可欠であり、製造プロセスが煩雑になるため、安定した大量生産が極めて困難でした。
 課題の解決に向けて、メナードは、海洋研究開発機構(JAMSTEC)が培ってきた「深海インスパイアード化学」に基づく先進的な基礎研究成果に着目しました。深海熱水噴出孔に存在する高温・高圧の水は「亜臨界水」と呼ばれる状態にあり、本来は混ざり合わない油分を溶解できるようになります。メナードはこの学術的知見をヒントに、独自に開発した「亜臨界連続装置」を用いた「亜臨界水プロセス」によって、有機溶媒を一切使わずに、わずか1回の処理工程で、均一なナノサイズの高品質リポソームを連続的に製造することに成功しました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/48666/127/48666-127-ae735c2d9a470760143a9a72dbabbe3c-3002x1068.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


 本技術は、優れた浸透性と安全性を両立する、次世代のサステナブルな化粧品開発を力強く後押しするものです。今後は、高い機能性と安全性を兼ね備えたスキンケア製品への応用をはじめ、幅広い分野への展開を目指します。
 なお、本研究の成果は2026年9月28日から10月1日にかけてオーストラリアのパースで開催された第36回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)学術大会にて発表しました。
※本研究の一部は、愛知県「新あいち創造研究開発補助金」の2024年度採択事業として実施しました。

<参考資料>
1.「亜臨界連続装置」を用いた「亜臨界水プロセス」の確立
 メナードは海洋研究開発機構(JAMSTEC)が培ってきた「深海インスパイアード化学」に基づく先進的な基礎研究成果に着目し、共同研究により新しいリポソーム製造技術の開発に取り組みました。
 深海熱水噴出孔に存在する高温・高圧の水は「亜臨界水」と呼ばれる状態であり、本来は混ざり合わない油分を溶解する特殊な性質を示します。この原理をリポソームの構成成分であるリン脂質に応用するにあたり、300℃付近の高温かつ100気圧を超える高圧下において、リン脂質の熱分解をいかに抑えるかが大きな課題でした。そこでメナードでは、極短時間の高温・高圧処理が可能な流通式装置に着目し、リン脂質の水分散液を、100~150気圧の高圧状態を維持しながら、300℃付近の温度で数秒間だけ処理することが可能な「亜臨界連続装置」を開発し、「亜臨界水プロセス」を確立しました(図1)。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/48666/127/48666-127-2b29be462ce18048c6ff1bb5cc589c10-2633x766.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1 亜臨界水プロセスの概略図


2.製造したリポソームの微細で極めて高い均一性とユニラメラ構造
 従来技術では粒子径のコントロールが難しく、サイズが大きくバラつきのあるリポソームが混在してしまうため、均一なリポソームを得るためには多くの工程を要することが課題でした。
 これに対し、今回の亜臨界水プロセスでは、リポソームの粒子径を約130nm前後という微細なサイズで均一に揃えることに成功しました(図2)。反応温度と反応時間を精密に制御可能な亜臨界連続装置により、リン脂質の熱分解を最小限に抑えつつ、有機溶媒を一切使わずに、わずか1回の処理工程で、均一なナノサイズの高品質リポソームを効率的に連続製造することが可能となりました。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/48666/127/48666-127-11c0a9ec3930ed954a12f8159b0a295e-3002x1120.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2 亜臨界水プロセスによるリポソームの粒子径分布

 さらに、クライオ透過電子顕微鏡(Cryo-TEM)を用いて、製造したリポソームを観察したところ、従来技術を用いた製法で生じやすい「多層膜構造(マルチラメラ構造、図3左)」とは異なり、今回開発した亜臨界水プロセスでは、理想的な「単層膜構造(ユニラメラ構造、図3右)」が形成されていることが確認されました。
 ユニラメラリポソームは、マルチラメラリポソームと比べてカプセル内部に豊かな親水空間を持つことが特徴です。これにより、水溶性の有効成分を内部に効率よく保持することができます。さらに、ユニラメラ構造ならではの優れた肌馴染みにより、塗布した瞬間に内包した有効成分を角層へと素早く解き放ち、狙った部位へスムーズに届けることが期待できます。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/48666/127/48666-127-8d295ad0063bee9394597e4e8c995ab6-2427x859.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図3 従来技術(左)と亜臨界水プロセス(右)で製造したリポソームのCryo-TEM観察像

 今後、本技術の化粧品素材製造プロセスとしての実用化に向けて、製造条件の最適化やリポソームの素材特性の評価、形成機構の解明などを進め、肌への優れた浸透性と高い安全性を兼ね備えた新たな機能性化粧品の開発を目指します。

プレスリリース提供:PR TIMES

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記事提供:PRTimes

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