【2025年版 高年齢者雇用安定法 対応企業実態調査】定年後の雇用環境整備が進む一方、シニア層の報酬見直しとモチベーション維持に課題が残る
株式会社Works Human Intelligence

株式会社Works Human Intelligence(本社:東京都港区、代表取締役最高経営責任者:安斎富太郎、以下 WHI)は、統合人事システム「COMPANY®」のユーザーである大手法人を対象に、2021年4月の高年齢者雇用安定法改正に伴う経過措置終了への対応状況、および50歳以降のシニア層活用に対する取り組みについて、全37問にわたる状況調査を実施し、49法人から回答を得ました(調査期間:2024年11月8日~11月29日)。2022年に実施した同様の調査と比較しながら、大手法人におけるシニア層の雇用制度の状況や課題感、今後の取り組みについて調査結果をお知らせします。
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●本調査の背景
少子高齢化が進む中、働く意欲がある高年齢者がその能力を十分に発揮できるよう、高年齢者が活躍できる環境の整備を目的として、「高年齢者雇用安定法」が定められています。2021年の改正では、60歳未満の定年禁止と65歳までの雇用確保に加え、70歳までの雇用機会を提供することが努力義務として追加されました。
この改正における経過措置の期限が迫っており、2025年4月には65歳までの継続雇用制度(再雇用・勤務延長制度)の義務化と、高年齢雇用継続給付の減額が実施されることとなります。高年齢者が活躍できる環境のさらなる整備が企業に求められる中で、「高年齢者雇用安定法」への対応状況や、50歳以降のシニア層活用に対する方針や取り組みを調査。2022年の調査結果と比較することで、企業がどのようにシニア層を活用しているか、またその対応がどれほど進展しているかを明らかにしました。
●調査結果の概要
70歳までの雇用機会確保(努力義務)について、2022年調査から「何もしていない」と回答した企業が21.2%減少。一方、「65歳までの雇用確保(義務)への対応拡充を優先」の企業は24.3%増加。雇用確保が2年間で着実に進んでいることが明らかに。
定年年齢の引き上げを予定している企業の割合は36.7%で、2022年調査から10.6%増加。人手不足が続く中、経験豊富な従業員の確保が課題となっていることが推察される。
定年以降の継続雇用における課題について、2022年調査と比較して「適切な勤務体系の用意」の割合が16.8%減少し、働きやすい環境の整備が進んだ。一方で、「対象者のモチベーション」と「対象者の報酬水準」を課題として挙げた企業は半数を超えており、これらの課題は依然として残っている。
定年後の継続雇用に関する今後の取り組みについて、2022年調査から「継続雇用者の報酬水準の見直し」が14.7%増加。適切な報酬水準の設定が各社にとって重要な課題であることが伺える。
シニア層の活用方針について、2022年調査と比較し、積極的に継続雇用・活用し、知見やスキルを業務に活かしてほしいと回答した企業が13.8%増加。労働環境の整備が進み、シニア層の活用意識が高まっている。
役職定年制度を導入している企業は全体の34.7%。また、12.2%の企業が一度導入した役職定年制度を廃止したと回答。
●調査結果の概要
70歳までの雇用機会確保(努力義務)について、2022年調査から「何もしていない」と回答した企業が21.2%減少。一方、「65歳までの雇用確保(義務)への対応拡充を優先」の企業は24.3%増加。雇用確保が2年間で着実に進んでいることが明らかに。
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定年年齢の引き上げを予定している企業の割合は36.7%で、2022年調査から10.6%増加。人手不足が続く中、経験豊富な従業員の確保が課題となっていることが推察される。
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定年以降の継続雇用における課題について、2022年調査と比較して「適切な勤務体系の用意」の割合が16.8%減少し、働きやすい環境の整備が進んだ。一方で、「対象者のモチベーション」と「対象者の報酬水準」を課題として挙げた企業は半数を超えており、これらの課題は依然として残っている。
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定年後の継続雇用に関する今後の取り組みについて、2022年調査から「継続雇用者の報酬水準の見直し」が14.7%増加。適切な報酬水準の設定が各社にとって重要な課題であることが伺える。
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シニア層の活用方針について、2022年調査と比較し、「積極的に継続雇用・活用し、知見やスキルを業務に活かしてほしい」と回答した企業が13.8%増加。労働環境の整備が進み、シニア層の活用意識が高まっている。
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役職定年制度を導入している企業は全体の34.7%。また、12.2%の企業が一度導入した役職定年制度を廃止したと回答。
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●総括(解説:WHI総研 伊藤裕之)
2021年4月の高年齢者雇用安定法の改正から3年が経過し、2022年の前回調査と比較して高年齢者雇用継続に向けた労働環境の整備、シニア層の活用意識が全体的に進捗していることがうかがえる結果となりました。
例えば「5.シニア層の活用に向けて、貴社の方針について教えてください」という質問の結果では、「シニア層は積極的に継続雇用し、知見やスキルを業務に活かしてほしい」という回答が大幅に増加しており、その進展が示されています。
この背景の一つとして、コロナ禍以降に顕著となっている全国的な人手不足の傾向があるとも考えられます。正社員・非正社員ともに求人数が増加する状況で、年齢にかかわらず企業内の人材を活用していくことが急務となっています。
シニア層については、一律の制度や運用ではなく、個人の働き方や能力、スキルに応じた労働条件の選択肢を増やし、そのうえで他の従業員と同様に、働き方や成果に応じた報酬制度や評価制度を適用する動きが広がっていることが調査から見受けられました。ただし、これまで定年延長や継続雇用の課題の一つであった「要員の余剰」が人手不足傾向もあって結果的に解消されつつある一方、「対象者のモチベーション」という課題は依然として課題が残っています。
モチベーション向上を目指した報酬面の改善については、全国的な賃上げ傾向によって一律にはとりづらく、昇降給の導入や生活給の廃止等、個人ごとにメリハリをつけた対応が求められることになるでしょう。
報酬面以外の対策として有効なのが、定年年齢以前までのキャリア支援やスキルアップ支援です。
現在、キャリアやスキルに関する支援は若手層やマネジメント着任前後に偏っており、中高年層に対する研修やスキルアップの機会は不足していることが多いです。中高年層がキャリアを再評価する機会を早期に提供することが、シニア層のやりがいや満足感を高め、後々のモチベーション維持に繋がると考えられます。
また、今回の調査では役職定年についても調査を行いました。役職定年を導入している企業が3分の1存在する一方、廃止した、または廃止を検討している企業も20%程度存在しています。導入している企業の半数以上が、年齢による自動的なポストオフには至っていないことがわかりました。
役職定年の目的である管理職層の循環や世代の適正化に対して、管理職の人材不足や業務負荷の増大といった課題が多いため、スムーズに進行できていないことが伺えます。
少子高齢化という社会的な構造変化と、それに伴う人手不足の中で、シニア層の活用は多くの企業にとって避けては通れない人事課題となるでしょう。
●解説者プロフィール
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伊藤 裕之(いとう ひろゆき)
株式会社Works Human Intelligence WHI総研 シニアマネージャー
約20年にわたり、日本の大手法人の人事システム導入および保守を担当。
コンサルタント部門のマネージャとして、多くのコンサルタントの育成と部門運営を実施。これまでに約100社の人事業務設計・運用コンサルティングに従事。WHI総研のシニアマネージャーとしては、自身の経験およびWHIの顧客約1,200法人グループから得られる事例・ノウハウを分析し、人事制度や人事トレンドの情報収集・研究分析・提言を行っている。
※WHI総研:当社製品「COMPANY®」の約1,200法人グループの利用実績を通して、大手法人人事部の人事制度設計や業務改善ノウハウの集約・分析・提言を行う組織。
<調査概要>
調査名 :高年齢者雇用安定法改正に準じた対応に関する状況調査
期間 : 2024年11月8日~11月29日
調査機関:自社調べ
対象 :当社製品「COMPANY®」ユーザーである国内大手法人49法人
調査方法:インターネットを利用したアンケート調査
<引用・転載時のクレジット記載のお願い>
本リリース内容の転載にあたりましては、「Works Human Intelligence調べ」という表記をお使いいただきますようお願い申し上げます。
本記事のグラフの内訳は、小数点第一位まで表示しています。そのため、端数処理の関係で内訳の和が100%にならない場合がございます。
なお、詳細レポートをご要望の方は、当社ホームページのお問い合わせフォームよりご連絡ください。
https://www.works-hi.co.jp/contact
WHIでは引き続き、大手法人の人事トレンドや業務実態について調査をしてまいります。
●WHIについて
WHIは大手企業および公共・公益法人向け統合人事システム「COMPANY®」の開発・販売・サポートの他、HR関連サービスの提供を行っています。「COMPANY®」は、人事管理、給与計算、勤怠管理、タレントマネジメント等、人的資本マネジメントにまつわる業務領域を広くカバーしており、約1,200法人グループへの導入実績を持つ、ERP市場 人事・給与業務分野 シェアNo.1※の製品です。
私たちは、「人に真価を。」というコーポレートブランドのもと、企業と従業員の両者の価値を最大化するソリューションを提供することで、すべての人が「真価」を発揮し、情熱と貢献意欲を持って「はたらく」を楽しむ社会を実現します。
※2022年度 ERP市場 - 人事・給与業務分野:ベンダー別売上金額シェア
出典:ITR「ITR Market View:ERP市場2024」
株式会社Works Human Intelligence Webサイト
https://www.works-hi.co.jp
* 会社名、製品名等はそれぞれ各社の商標または登録商標です。
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本件に関するお問合わせ先
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株式会社 Works Human Intelligence
広報(担当:若林、角川)







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