PwCの調査レポート「Value in Motion」:AIの導入は世界経済を再構築し、2035年までに全世界のGDPを15%押し上げる可能性を示唆
PwC Japanグループ
2025年4月30日
PwC Japanグループ
PwCの調査レポート「Value in Motion」:
AIの導入は世界経済を再構築し、
2035年までに全世界のGDPを15%押し上げる可能性を示唆
※2025年4月29日付のPwC発表資料を翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。
https://www.pwc.com/gx/en/news-room/press-releases/2025/ai-adoption-could-boost-global-gdp-by-an-additional-15-percentage.html
AIによる世界経済の成長促進には、AIの能力だけでなく、責任ある導入と社会における信頼獲得が影響
しかし、物理的な気候変動リスクにより、2035年の世界経済は同様のリスクがない場合と比べ7ポイント近く縮小する可能性
企業は業界の枠を越えた新しい活動を通じて成長機会をつかみ得る
PwCは、企業がエンタープライズAIの価値を大規模に引き出し、業界に関するインサイトに基づいた行動を起こせるよう支援する一連の取り組みと、ブランドの大幅な刷新を発表
4月29日、PwCは、AIが今後10年間で世界経済の生産量を最大15%押し上げる可能性があると発表しました。これは年間成長率を実質1ポイント超押し上げるのに等しく、19世紀の産業革命に匹敵する変化です。
PwCのレポート「Value in Motion」はデータに基づくシナリオ分析により作成され、AIの成長が確実に世界に利益をもたらすようにするには、技術的な成功だけでなく、責任ある展開、明確なガバナンス、人々や組織からの信頼にも左右されることを明らかにしています。信頼と協力の度合いが相対的に低いシナリオではAIによる経済の押し上げ効果は8%に低下し、悲観的なシナリオではわずか1%に留まることが示されています。
経済構造の急速な再構築は既に始まっています。PwCの分析によれば、世界中の22セクターのうち17セクターにおいて、企業に対してビジネスモデルの再発明を迫る圧力は過去25年間で最も高い水準に達しています。また、直近の世界的な関税の引き上げ以前から、2025年の単年で7兆1,000億米ドルの収益が企業間で移動する可能性があります。
PwCの調査結果は、今後10年の間に新たな方法で社会のニーズに応えるための産業の再構成が進み、従来のセクターの枠を超えた新たな「領域」が形成されることを示唆しています。例えば、電気自動車(EV)の台頭に伴い、電力事業者やバッテリーメーカー、テック企業などがモビリティ産業に参入し、自動車メーカーと協力して価値を創造することが可能になってきています。
PwCグローバル会長のモハメド・カンデ(Mohamed Kande)は、次のように述べています。
「経済構造の変革に伴い、従来の産業の垣根を越えて点と点を結ぶことができる組織が価値を生み出すようになるでしょう。進化する顧客ニーズに焦点を当て、テクノロジーを駆使してビジネスの在り方を劇的に変えることで、経営者は成長の飛躍的変化を実現することができます」
気候変動の影響
PwCは、AIが成長を加速させる一方、気候変動の物理的な脅威によるコストは経済成長の妨げになると分析しています。PwCの経済モデルによると、気候変動が物理的リスクをもたらした場合をそうでない場合と比較すると、2035年時点での世界の経済規模は7ポイント近く縮小する可能性があります。
AIの導入が進むにつれてデータセンターのエネルギー使用量の増加が見込まれています。しかし、エネルギー効率を高めながら適切にAIを使用すれば、データセンターにおけるエネルギー使用量の増加を相殺できる可能性があります。PwCの推計によれば、AIの使用が1%上昇するごとにエネルギー強度を0.1%引き下げるイノベーションが起きた場合、エネルギー使用や温室効果ガス排出におけるAIの影響は中立化される見通しです。
クライアントの価値を引き出し、守るために進化し続けるPwC
テクノロジーやその他のメガトレンドによる経済の変革が続く中、PwCはこのたび、クライアントがエンタープライズAIの価値を大規模に引き出すことを可能にするための取り組みを発表します。
PwCのエージェントOS:PwCのエージェントOSは、企業がAIを組織として大規模に展開する方法に構造的な転換をもたらすものです。従来の方法よりも最大10倍の速度で、インテリジェントエージェントをビジネスに対応したワークフローにシームレスに接続し、拡張します。PwCではエージェントOSをクライアント向けに提供することに加え、PwCの業務プロセスでも活用し、特定のタスク用に配備された数百のAIエージェントをワークフローに統合してクライアント向けの税務、保証、アドバイザリーなどの業務全体の生産性を向上します。
AIの専門知識:毎月何万人ものPwC従業員がNetwork AI Academyを通じて定期的に更新されるトレーニングプログラムに参加しています。これまでに29万1,000人のPwCパートナーやスタッフが体系的なAIトレーニングに参加しました。
新しいテクノロジーアライアンス:2024年12月以来、PwCはAWS、Google Cloud、Microsoft、Oracleといった既存のアライアンスパートナーとの新たな提携を発表してきました。これにより、他にもAdobe、Anthropic、Guidewire、OpenAI、SAP、Salesforce、Workdayなどを含む既存の広範な業務提携をさらに強化しています。
PwCグローバルネットワークはまた、業界特有のインサイトから迅速にクライアントの実際のビジネスモデルへのインパクト生み出す能力も拡大しています。その一例が、CIO 100アワードを受賞した生成AIツール「ChatPwC」です。今回新たにリリースしたバージョンでは、より広範な独自のデータ、方法論、調査を読み込み、すべてのクライアントチームがPwCの最高のインサイトにアクセスできるようになりました。
Value in Motionやその他の独自調査をビジネスに役立つものへと変換するのが、Industry Edgeです。Industry Edgeは、業界に関する深いインサイトをビジネスモデル、プロセス、テクノロジーとデータのモデル、AIアクセラレーターによってサポートし、各業界独自の変革を実現するための PwCの包括的なフレームワークです。
さらにPwCでは、新たなインテリジェント・ラーニング・プラットフォームをネットワーク全体に展開しています。これは、スキルフレームワーク、AIを活用した学習アドバイス、会話型コーチングエクスペリエンスを1つに統合し、パーソナライズされた学習体験を提供するものです。
また、クライアントのために果たす役割をより明確に反映するため、ブランド、ビジュアルおよびコミュニケーションアイデンティティを刷新しました。PwCの役割は、専門性とテクノロジーを提供することによって、クライアントが変革の推進力を生み出し、維持し、加速できるよう支援することです。ビジュアルアイデンティティにおいては、新たなイメージを採用し、ロゴをPwCがクライアントとともに前進していく姿勢を象徴する新しい「momentum mark」を含むものへと刷新しました。
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PwCのグローバル・チーフ・コマーシャル・オフィサーのキャロル・スタビングス(Carol Stubbings)は、次のように述べています。
「PwCは175年にわたり、クライアントが必要とする能力を提供できるよう、常に進化し続けてきました。私たちの能力やファームとしての在り方を進化させることで、クライアントが価値を創出し、信頼を構築し、楽観的に未来に立ち向かうために必要な変革の推進力を生み出す支援をしてまいります」
PwCのValue in Motionについて
PwCは、定性的シナリオ開発、定量的モデリング、専門家による知見を組み合わせた段階的なアプローチを用いて、AIと気候変動が将来的にもたらす影響を評価しました。
成長の基本シナリオは、共通社会経済経路(SSP:Shared Socioeconomic Pathway)のGDP予測による「なりゆき」の成長軌道を前提とし、AIの影響については別途分析するために除外する調整を行いました。気候変動の物理的リスクの調整は、外部の学術研究に基づき、気候変動の脅威に起因するGDPの縮小を推定しました。AIモデルはさまざまなレベルでのAI導入やタスク量の変化が経済にもたらす影響を評価し、気候関連移行リスクモデルは統合評価モデルを用いて排出量ネットゼロ経済への移行コストを評価しました。これらのモデルによる結果を基本経済モデルに組み込み、世界全体と地域別のマクロ経済への影響を予測しました。さらに、気候変動・AI相互作用モデルを用いて、AI導入、エネルギー使用、温室効果ガス排出量の相互作用を別途検証しました。また、セクターと成長分野のマッピングによりセクター別の生産量が各成長分野にどう貢献するかを算出したほか、BMR(Business Model Reinvention) Indexで企業に対してビジネスモデルの再発明を迫る圧力の高さを評価し、Value at Stake調査で潜在的な収益移動を定量化しました。分析結果の全文は下記にてご覧いただけます。
https://www.pwc.com/gx/en/issues/value-in-motion.html
以上
PwCについて:
https://www.pwc.com
PwCは、クライアントが複雑性を競争優位性へと転換できるよう、信頼の構築と変革を支援します。私たちは、テクノロジーを駆使し、人材を重視したネットワークとして、世界149カ国に370,000人以上のスタッフを擁しています。監査・保証、税務・法務、アドバイザリーサービスなど、多岐にわたる分野で、クライアントが変革の推進力を生み出し、加速し、維持できるよう支援します。
PwC Japanグループについて:
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複雑化・多様化する企業の経営課題に対し、PwC Japanグループでは、監査およびブローダーアシュアランスサービス、コンサルティング、ディールアドバイザリー、税務、そして法務における卓越した専門性を結集し、それらを有機的に協働させる体制を整えています。また、公認会計士、税理士、弁護士、その他専門スタッフ約12,700人を擁するプロフェッショナル・サービス・ネットワークとして、クライアントニーズにより的確に対応したサービスの提供に努めています。
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記事提供:Digital PR Platform