【新製品ニュース】ZEISS、半導体ラボでTEM試料作製を自動化する新しいFIB-SEM Crossbeam 550 Samplefabを日本市場に投入
カールツァイス株式会社

カールツァイス株式会社(東京都千代田区麹町、ヴィンセント・マチュー社長)は、透過電子顕微鏡(TEM)用薄膜試料(ラメラ)の全自動作製に特化した集束イオンビーム走査電子顕微鏡(FIB-SEM)であるZEISS Crossbeam 550 Samplefabを日本市場に投入します。本製品は昨年10月に海外で先行発表されたもので、この度、日本での提供を開始する運びとなりました。本システムは、半導体ラボのスループットと効率を最大化するように設計されており、オペレーターの介入なしに、バルク試料からTEMグリッドへのTEMラメラ処理を自動化します。
画像1:
https://www.atpress.ne.jp/releases/438272/LL_img_438272_1.jpg
Crossbeam 550 Samplefab
図1:全自動TEM試料作製ワークフローを提供するZEISS Crossbeam 550 Samplefab
【業界をリードする自動化とスループット】
ZEISS Crossbeam 550 Samplefabは、半導体デバイスの欠陥解析とプロセス歩留まり向上に不可欠な高品質TEMラメラの正確かつ再現性の高い作製を実現します。このシステムは、以下の優れた機能を提供します。
● ハンズフリーのラメラ作製:バルクミリング、リフトアウト、シンニングといったTEM試料前処理タスクをレシピベースで自動化し、8時間以内に最大10枚のラメラを作製します。
● 高い自動化率:オペレーターの介入なしにバルク試料からTEMグリッドまでの処理において90%以上の自動化率を誇り、自動チェックによりラメラの損失を防ぎ、ラメラ作製成功率ほぼ100%を達成します。
● 洗練された薄膜化:さまざまな半導体サンプルタイプで100nmまでの薄膜化を実現します。
● 直感的なソフトウェア:新しく使いやすい制御ソフトウェアは、初心者から熟練者まで直感的に操作でき、安定性と操作性を向上させます。
【効率と堅牢性の向上】
ZEISS Microscopyのエレクトロニクス事業部門長であるThomas Rodgers博士は次のように述べています。「TEM試料作製に対する業界のニーズの高まりに対応するため、当社は専用のFIB-SEM、ZEISS Crossbeam 550 Samplefabを開発しました。当社の目標は、現在市場で入手可能な最も堅牢な自動化を提供することであり、100nmまでの薄いラメラの自動作製を、高い精度とスループットで実現することです。」
Crossbeam 550 Samplefabは、Gemini 2電子カラムを搭載しており、FIBミリング中のSEMによるサンプルライブ観察を可能にします。FIBカラムの卓越した安定性と自動校正ルーチンにより、システムは数週間単位で校正やアライメントをほとんど必要としません。これにより、オペレーターの負担が劇的に軽減され、ツールセットアップに費やす時間が削減されます。さらに、プローブチップは1本で数十枚のラメラを作成可能であり、30分もかからない簡単な再形成作業で繰り返し使用できるため、消耗品コストを削減しながら、ツールの稼働率を大幅に向上させます。
Crossbeam 550 Samplefabのデモ動画
https://www.zeiss.com/microscopy/ja/products/sem-fib-sem/fib-sem/crossbeam-550-samplefab.html?wvideo=3ac0ptpd1v
TEM イメージングは、半導体デバイスの欠陥を理解し、プロセスの歩留まりを向上させるために不可欠な情報を提供します。TEM分析から得られるデータの精度は、高品質のラメラを正確かつ繰り返し、高いスループットで作製できるかどうかにかかっています。この新しいCrossbeam 550 Samplefabは、その優れたソリューションとして、半導体産業の発展に大きく貢献できるものと期待しております。
カールツァイスは、6月9日(月)~11日(水)に福岡国際会議場で開催される日本顕微鏡学会第81回学術講演会に出展し、ブースにてCrossbeam 550 Samplefabのご紹介する予定です。また、電子顕微鏡のユーザーを中心に100名以上のお客様を招き、6月20日(金)にTKPガーデンシティPREMIUM京橋で開催するZEISSテクニカルカンファレンス2025でも、本製品の詳細をご紹介いたします。
【製品ページ】
ZEISS Crossbeam 550 Samplefab
https://www.zeiss.com/microscopy/ja/products/sem-fib-sem/fib-sem/crossbeam-550-samplefab.html
ZEISSテクニカルカンファレンス2025について
https://www.zeiss.co.jp/microscopy/l/events/zeiss2025.html
【ZEISSについて】
ZEISSは、1846年にドイツで創業した光学技術を用いた事業を多角的に展開する国際的なリーディングカンパニーです。日本には1911年に設立したカールツァイス株式会社、カールツァイスメディテック株式会社、カールツァイスビジョンジャパン株式会社の3つの法人があります。4つのセグメント(半導体製造技術、産業品質・研究、医療技術、消費者市場)で事業を展開し、売上高100億ユーロを超えるグローバル企業です。工業計測、品質保証、ライフサイエンス、材料研究、眼科、マイクロサージェリーなど、様々な分野で革新的なソリューションを提供しており、世界中で高い評価を得ています。
2024年現在、売上高の15%を研究開発に投資しており、約46,000人の従業員、35の生産拠点、60以上の販売・サービス拠点、約40の研究開発施設を擁し、約50カ国で事業を展開しています。また、オーナーであるカールツァイス財団は、科学の振興を目的とするドイツ最大級の財団です。
【カールツァイス株式会社 リサーチマイクロスコピーソリューション(顕微鏡部門)について】
リサーチマイクロスコピーソリューション(RMS: Research Microscopy Solutions)は、主に研究に使われる顕微鏡を開発・製造・販売する事業部門です。ライフサイエンス、材料、工業研究、教育向けに、光学・電子・X線顕微鏡システム、相関顕微鏡、AI技術を活用したソフトウェアなど、幅広いソリューションを提供しています。
https://www.zeiss.co.jp/microscopy/home.html
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記事提供:@Press