ネスカフェ、再生農業を通じたコーヒーの調達目標を1年前倒しで達成
ネスレ日本株式会社

2025年6月11日(水)スイス・ヴェヴェー発 ※本社ニュース(英語)の日本語訳
[画像1]https://digitalpr.jp/simg/2940/111758/650_314_20250612145720684a6c40a0fab.png
ネスレの最大のコーヒーブランドである「ネスカフェ」は、2024年にコーヒーの32%を再生農業(※1)を通じて調達しました。2025年6月11日(水)に発表した最新の「ネスカフェ プラン 2030進捗報告書」では、この成果が「2025年までにコーヒーの20%を再生農業を通じて調達する」という目標をすでに上回っていることを報告しており、再生農業がコーヒー生産の現場にしっかりと根づいてきていることを示しています。
「ネスカフェ」は、施肥の最適化、被覆作物の活用、マルチング、堆肥化などの実践を通じて、生産性の向上とコスト削減を目指しています。これらの取り組みにより、コーヒー栽培における温室効果ガス(GHG)排出量の削減にも貢献しています。2024年には、「ネスカフェ プラン」の参加者は、生豆1キログラムあたりの温室効果ガス(GHG)排出量を20~40%削減しました。(※2)
昨年、気候変動による影響がいくつかのコーヒー生産国で見られ、生産者は天候の変化への対応を迫られました。その結果、アラビカ種とロブスタ種のコーヒー豆の国際価格は記録的な高値となり、供給量も減少しました。こうした状況を踏まえ、より強靭で安定したコーヒーの供給体制を築くことの重要性をこれまで以上に強く実感しています。
ネスレS.A. コーヒー ストラテジック ビジネス ユニット責任者のアクセル・トゥゼは、以下のようにコメントしました。「再生農業は“ネスカフェ プラン”の中核をなすものであり、強靭で安定したコーヒー供給体制の構築に不可欠です。今回で3回目の発表となる『ネスカフェ プラン 2030進捗報告書』からも、生産者の皆さんが再生農業の価値を実感し、導入が広がっていることがわかります。この流れをさらに後押しすべく、私たちがコーヒーを調達している地域において、パートナー、サプライヤー、生産者の皆さんと連携しながら取り組みを続けていきます。」
https://www.youtube.com/watch?v=xRd6cNDRNQs
コーヒーの木は年を重ねるごとに自然と生産性が低下し、気候変動の影響も受けやすくなります。そのため、生産性を保つためには、古くなった木を新しい苗に植え替えるなど、農園の再整備が不可欠です。2024年も「ネスカフェ プラン」では長年にわたって続けている苗木配布プログラムを継続し、収穫量の向上と気候変動への適応を支援するために、約2,100万本のコーヒー苗木を配布しました。
「ネスカフェ プラン」は現在、40万ヘクタール以上のコーヒー農地を対象としています。2024年には1,400名以上のフィールドスタッフや農学者が、16カ国で20万人以上のコーヒー生産者に対し、再生農業に関する研修を実践しました。研修では土壌浸食や流出、有機物の管理、施肥の最適化といった具体的な課題に対応しています。
今年の「ネスカフェ プラン 2030進捗報告書」では、「ネスカフェ」が連携する2つのパートナー団体として、ドイツ国際協力公社(GIZ)およびテクノサーブ(TechnoServe)との取り組みを紹介しています。
コーヒー生産はビジネス(事業)であり、生産者はコーヒーの品種選びや農園への設備投資、資材の使用といったさまざまなテーマについて、経営判断を求められます。「ネスカフェ」は、ドイツ国際協力公社(GIZ)と協力し、生産者のビジネススキル向上を支援しています。生産者は「コーヒー++プロジェクト」を通じて、「ファーマー・ビジネス・スクール」手法に基づいた研修を受けます。多様化や再生農業を通じて収量や家計収入を向上させる方法に加え、ビジネスや財務の基礎知識を身につけています。
テクノサーブ(TechnoServe)が実施した調査(※3)では、再生農業が生産者の収入を大幅に増加させる一方で、温室効果ガス(GHG)排出量を削減できる可能性があるという、前向きなデータが示されています。この調査は、現場レベルのデータを基に、国別に詳しく分析する「ボトムアップ・アプローチ」が採用され、安定した前提条件で評価が行われました。調査結果は、官民双方による投資の重要性を強く示唆しており、年間5億~6億ドルの投資によって、生産者の年間収入が20億ドル以上増加し、コーヒー輸出が最大で26億ドル増加、さらに年間最大350万トンの二酸化炭素換算(CO₂e)(※4)の排出削減が可能になると見込まれています。
テクノサーブ(TechnoServe)のグローバル・コーヒー・ディレクター、ポール・スチュワート氏は、以下のようにコメントしました。「ネスレや他のパートナーと共にこの調査を実施できたことを誇りに思います。この結果により、再生農業が自然にとって良いだけでなく、生産者の生計やコーヒー産業の未来にとっても不可欠であることがデータで示されました。今後、政府や民間からのさらなる投資を呼び込む契機となることを期待しています。」
加えて、この調査は、地域経済における波及効果や、土壌の健康、水資源の保全、生物多様性といった面でも顕著な環境的利益が見込まれると報告しています。
ネスレは「ネスカフェ プラン」を通じて、今後もパートナーとともに生産者を支援し、より強靭で安定したコーヒー供給体制の構築を目指していきます。
(※1)再生農業とは、土壌の健全性と肥沃度を高め、水資源や生物多様性の保護を目指す農業のアプローチです。
(※2)温室効果ガス(GHG)排出データを一次データとして収集した主要な産地において評価(生豆の30%以上をカバー)
(※3)「ネスカフェ」、「ネスプレッソ」、JDEピーツ、ルディ&アリス・ラムジー財団の資金提供による調査であり、「ネスカフェ プラン」に特化したものではありません。
(※4)二酸化炭素換算(CO₂e)とは、さまざまな温室効果ガス(GHG)の排出量を、地球温暖化への影響度に基づいて二酸化炭素の量に換算した指標です。
進捗報告書(英語)
https://www.nestle.com/sites/default/files/2025-06/nescafe-plan-2030-progress-report-2024.pdf
ニュース(英語)
https://www.nestle.com/media/news/nescafe-plan-2030-progress-report-2024-regenerative-agriculture
関連リンク
進捗報告書(英語)
https://www.nestle.com/sites/default/files/2025-06/nescafe-plan-2030-progress-report-2024.pdf
ニュース(英語)
https://www.nestle.com/media/news/nescafe-plan-2030-progress-report-2024-regenerative-agriculture

記事提供:Digital PR Platform