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インドクジャクが持つ数を数える能力を解明 ~ダーウィンから続く謎に新たな手がかりを~(北里大学)

北里大学

インドクジャクが持つ数を数える能力を解明 ~ダutf-8



北里大学獣医学部(青森県十和田市)の坂本麗水(学部生、研究当時)と小倉匡俊准教授の研究グループは弘前市弥生いこいの広場との共同研究として、インドクジャクが数を識別できること、大小関係に基づく比較ができることを解明しました。この研究成果は、2025年10月8日付で、国際学術誌「Animal Behaviour」に掲載されました。




■研究成果のポイント
・インドクジャクは1~5の範囲で点の数量を識別できる。
・絶対的な数の識別だけでなく、数の大小関係に基づいた比較判断もできる。
・これらの知見は、インドクジャクの上尾筒と目玉模様が性選択の結果であるという仮説を支持する。


■研究の背景
 インドクジャクが持つ外見の特徴として、長く発達した上尾筒と派手な色の目玉模様がオスにおいて顕著であることがあります。この一見何の役にも立たなさそうな形態学的特徴は、チャールズ・ダーウィンにより性選択の結果であるという仮説が提唱されています。この仮説を検証する研究がいくつかの研究グループによってなされていますが、目玉模様の数が多いほど繁殖成功率が上がるという結果もあれば、目玉模様の数とメスによる繁殖相手の選択には関係がないという結果もあり、明確な結論は出されていません。これらの議論が成立するための前提として、クジャクに数を数える能力が備わっていることがあるはずです。しかしこれまで、クジャクは数を数えることができるか否かを確認した研究は存在しませんでした。数量認知能力は霊長類から無脊椎動物まで、多様な動物種において実験的に確認されています。鳥類においての先行研究は、多くがニワトリやハトなど認知実験に良く用いられる種を対象としてきており、クジャクは対象とされてきませんでした。そこで本研究グループは、インドクジャクを対象に、数を数える能力を持っていることを調べる実験をおこないました。また、オスクジャクが持つ目玉模様の数はおおよそ160個とされており、オスがメスにアピールする時には上尾筒を細かく震わせるため、「こっちの個体の目玉模様は1、2、3、・・・・・・、147個、あっちの個体は1、2、3、・・・・・・、125個」というようにカウントして絶対的な数に基づき繁殖相手を選択しているとは考えにくいです。複数個体の大小関係を相対的に比較していると考えるのが妥当でしょう。そこで本研究でも、数の大小関係に基づいた判断ができるかを調べました。


■研究内容と成果
 本研究は弘前市弥生いこいの広場で飼育されていたインドクジャク6個体を対象としました。実験に必要なトレーニングを各個体にしたあと、9cm四方の白いパネルを2枚並べて提示します(図1)。このパネルには黒い点が印刷されていますが、点の数が2枚で異なります。個体ごとに点の数が多いパネルをつつくと正解か、少ないパネルをつつくと正解か決めておき、正解のパネルをつつくとキャベツが与えられます。不正解のパネルをつつくと、パネルが隠されるのみでキャベツは与えられません。「1 vs 2」、「2 vs 3」、「1 vs 3」の各組み合わせで、点が横並びになっているパネルを使って正解をトレーニングしたあと、ランダムな場所に点があるパネルを使って正解率を調べたところ、有意に多く正解を選ぶことができました(図2)。しかし、点のサイズを変えずに点の数を増やすと、パネル上で黒が占める面積が増えるため、数ではなく「黒っぽさ」を手がかりに選択している可能性が否定できません。そこで点のサイズを調整し、黒が占める面積を同じにした2枚のパネルを用いて同じ実験をしました。この実験でも、やはり点の数に基づいて正解を選択することができました。これらの結果から、クジャクは数をカウントできることが分かりました。
 次の実験では、クジャクが絶対的な数ではなく、相対的な大小関係に基づく判断ができることを調べました。この実験では「2 vs 3」、「1 vs 3」、「2 vs 4」の組み合わせで正解をトレーニングしました。その後、これらのパネルの間に、ランダムなタイミングで「4 vs 5」、「2 vs 4」、「3 vs 5」の組み合わせを混ぜて提示しました。これらはクジャクにとって初めて見る組み合わせであるにもかかわらず、正解のパネルを有意に多く選択しました。この結果から、クジャクはパネルの点の数を相対的な大小関係に基づいて識別可能であることが分かりました。
 これらの結果から、インドクジャクは少なくとも1~5の範囲で数を数えることが可能であり、相対的な大小関係に基づく判断ができることが分かりました。この研究成果のみをもって、クジャクの上尾筒と目玉模様が性選択により発達したと言い切ることはできません。しかし、性選択の結果であることを支持する一つの知見を提供したと言えます。

■今後の展開
 本研究はクジャクの数量認知能力を明らかにし、インドクジャクの形態学的特徴の発達に関するダーウィンの時代から続く謎に新たな手がかりを提供しました。また数量認知能力がこれまで確認されていなかった新たな動物種での知見を明らかにしました。ただし本研究で調べた数の範囲は、目玉模様の数と比較してとても小さいです。またオスの目玉模様の数を手がかりとしてメスが繁殖相手を選択しているのであれば、オスよりも優れた数量認知能力をメスが持っている可能性も考えられますが、実験個体数の都合で性差を検討することはできませんでした。そのため、さらに大きな数の識別や、数量認知能力の性差の存在は今後の検討課題となるでしょう。


■論文情報
掲載誌:Animal Behaviour
論文名:Indian peafowls can count numbers: experimental evidence of numerical cognition in peafowls
    (インドクジャクは数を数えることができる:インドクジャクにおける数量認知の実験的証拠)
著 者:坂本麗水、小倉匡俊
DOI:10.1016/j.anbehav.2025.123348
URL:https://doi.org/10.1016/j.anbehav.2025.123348
原 文:https://authors.elsevier.com/a/1lv2omjMA4B-
    ※2025年11月27日までは無料で全文を閲覧可能


■用語解説

・インドクジャク
 南アジアを中心に分布する、キジ科クジャク属の一種。日本にも移入されており、動物園などでは放し飼いにされていることもある。日本で「クジャク」と言った場合、インドクジャクを指すことが多い。雌雄により形態の差が大きいことが特徴的であり、メスは地味な見た目をしている一方、オスは長く伸びた上尾筒に派手な色の目玉模様を持っている。
・上尾筒
 鳥類において、腰のあたりから尾羽の上にかけて生えている羽の名称。インドクジャクのオスで長く発達している羽は一般に尾羽とされることがあるが、正確には上尾筒である。
・性選択
 メスによる繁殖相手の選択の結果として、それそのものが生存に有利に働くわけではない特徴であっても、オスにおいて進化することがある。チャールズ・ダーウィンが1871年の著作「人間の進化と性淘汰」の中で提唱した。
・数量認知能力
 ものの数を数え量を認識するための認知能力。これはヒトのみに存在するのではなく、チンパンジーやアジアゾウ、ハンドウイルカ、ハト、ケヅメリクガメ、ゼブラフィッシュ、ミツバチなど多様な動物種で確認されている。


■問い合わせ先
【研究に関すること】
 北里大学 獣医学部 動物資源科学科
 動物行動学研究室
 准教授 小倉 匡俊(おぐら ただとし)
 e-mail:togura@vmas.kitasato-u.ac.jp

【報道に関すること】
 学校法人北里研究所 広報室
 TEL:03-5791-6422
 e-mail:kohoh@kitasato-u.ac.jp



【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

インドクジャクが持つ数を数える能力を解明 ~ダutf-8

記事提供:Digital PR Platform

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