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血管のしなやかさを生む「弾性線維」の立体構築に成功 ~三次元血管モデルを確立~

東京医科大学



東京医科大学(学長:宮澤啓介/東京都新宿区)、細胞生理学分野 横山詩子主任教授、大学院博士課程 澤田侑理、筑波大学生存ダイナミクス研究センター 柳沢裕美教授、大阪大学大学院工学研究科 松﨑典弥教授、上智大学理工学部 臼杵豊展教授らの研究グループは、血管のしなやかさを生み出す「弾性線維」を立体的に再現できる三次元血管モデルの作製方法を確立しました。この研究成果は、2025年10月23日付で、国際雑誌「Acta Biomaterialia」に掲載されました。




【概要】
 東京医科大学(学長:宮澤啓介/東京都新宿区)、細胞生理学分野 横山詩子主任教授、大学院博士課程 澤田侑理、筑波大学生存ダイナミクス研究センター 柳沢裕美教授、大阪大学大学院工学研究科 松﨑典弥教授、上智大学理工学部 臼杵豊展教授らの研究グループは、血管のしなやかさを生み出す「弾性線維」を立体的に再現できる三次元血管モデルの作製方法を確立しました。
 血管は心臓の拍動に応じて伸縮し、全身に効率よく血液を送ります。そのためには、血管壁に層状に配列した弾性線維が不可欠です。しかし、弾性線維がどのように緻密な立体構造を形成するのかは、未解明の部分が多く残されています。また、成体は成長期を過ぎると弾性線維を新たにつくる能力を失うため、弾性線維の破壊が関与する大動脈瘤などの致死的疾患に対して、根本的な治療法は存在しません。
 今回、研究グループはラット新生仔の大動脈から得られた平滑筋細胞を基盤に、フィブロネクチンとゼラチンのナノ薄膜を用いた独自の方法で細胞を多層化し、さらにビタミンC(アスコルビン酸)を加えて培養することで、生体の血管に類似した立体的かつ機能的な弾性線維構造の形成に成功しました。この血管モデルは、弾性線維形成の過程を直接観察できる世界初の実験系であり、今後の研究を通じて弾性線維の形成機構の解明や再生医療への応用が期待されます。
 この研究成果は、2025年10月23日付で、国際雑誌「Acta Biomaterialia」に掲載されました。

【本研究のポイント】
●組織工学的手法を応用し、立体的な弾性線維を含む三次元血管モデルを確立。
●弾性線維形成の仕組みの解明や、血管弾性を再生する新規治療法の開発に貢献する可能性。

【研究の背景】
 血管の弾性線維は、心臓の収縮と拡張に伴うダイナミックな血圧変動を吸収し、全身の血液循環を円滑に保つ上で極めて重要です。しかし、成体では弾性線維を新たに形成する能力が失われるため、加齢や疾患に伴う弾性線維の劣化は、大動脈瘤や大動脈解離など致死的疾患の要因となります。
 主に遺伝子改変マウスを用いたこれまでの研究で、弾性線維形成に関与する分子が約30種類ほど報告されていますが、それらがどのように協調して緻密な立体構造を形成しているのかは未解明でした。弾性線維の形成メカニズムの全容を解明することは、加齢や疾患により失われた血管の弾性を回復させる治療法の開発に直結する重要課題とされています。

【本研究で得られた結果・知見】
 本研究グループは、Layer-by-layer(LbL)法を用いてラット新生仔大動脈由来の平滑筋細胞表面にフィブロネクチンとゼラチンから成るナノ薄膜を形成し、細胞を多層的に積層した三次元血管モデルを作製しました。組織学的解析および電子顕微鏡観察により、このモデルでは、生体の血管と同様に弾性線維が層状に構築され、培養期間の延長に伴い層数が増加することを確認しました。また、生体の血管と匹敵する弾性があることも示されました。
 さらに、網羅的遺伝子解析により、この三次元血管モデルが「弾性線維が形成される新生仔期の大動脈組織」と近い遺伝子発現パターンを示すことが明らかになりました。特に細胞外マトリックス形成に関与する遺伝子群の高発現が確認され、本モデルが弾性線維形成過程を再現できる有用な実験系であることが示されました。


【今後の研究展開および波及効果】
 本研究で確立した三次元血管モデルを活用することで、弾性線維形成に関わる因子や仕組みをより精密に解明できると期待されます。将来的には、失われた弾性線維を再生させる新しい治療法の開発につながり、大動脈瘤や大動脈解離をはじめとする重篤な血管疾患の予防・治療への応用が見込まれます。

【論文情報】
タイトル:Development of a three-dimensional experimental vascular model with smooth muscle cell-derived cross-linked elastic fiber assembly
著  者:Yuri Sawada, Shota Tanifuji, Takashi Nakamura, Keiko Uchida, Shota Futagami, Christian Nanga Chick, Kaho Oishi, Arisa Araki, Yuji Naito, Tomoyuki Kojima, Takuya Naruto, Toyonobu Usuki, Michiya Matsusaki, Hiromi Yanagisawa, and Utako Yokoyama*(*:責任著者)
掲載誌名:Acta Biomaterialia
DOⅠ: https://doi.org/10.1016/j.actbio.2025.10.041

【主な競争的研究資金】
JSPS KAKENHI (JP23K18320 to U.Y.)

【細胞生理学分野HP】
https://tokyo-med-physiology.jimdofree.com/

▼本件に関する問い合わせ先
企画部 広報・社会連携推進室
住所:〒160-8402 東京都新宿区新宿6-1-1
TEL:03-3351-6141(代)
メール:d-koho@tokyo-med.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

記事提供:Digital PR Platform

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