ミナケア / 日本イーライリリー / 田辺三菱製薬
健康保険組合加入者を対象とした肥満症の啓発プログラムを協働事業として開始
日本イーライリリー株式会社
~半年間の継続的プログラムで社会実装モデル構築を目指す~
日本イーライリリー株式会社(代表取締役社長:シモーネ・トムセン、本社:兵庫県神戸市中央区、以下「日本イーライリリー」)、田辺三菱製薬株式会社(代表取締役CEO: 原田明久、本社:大阪府大阪市中央区、以下「田辺三菱製薬」)、および株式会社ミナケア(代表取締役社長:木村芳朗、本社:東京都豊島区、以下「ミナケア」)は、健康保険組合加入者のうち肥満症の可能性のある対象者へ向けた、肥満症に対する正しい理解の促進および医療機関への相談機会の確保支援を目的とした、新たな啓発プログラムを協同事業として開始することをお知らせします。
肥満症は、肥満であり、かつ肥満に関連する健康障害を合併するか、その合併が予測される状態を指し、医学的に治療が必要な慢性疾患です。放置すると、QOL(生活の質)の低下のみならず、2型糖尿病や脂質異常症、高血圧など多様な健康障害の発症や重篤化を招く可能性があり、早期の診断と対応が必要です。しかしながら、これまで治療選択肢が限られていたこともあり、肥満症の社会的認知度は依然として十分ではなく、一般的な「肥満」と誤認されて見逃されるケースが少なくありません。また肥満症の発症には、遺伝的要因、身体的要因、心理的要因、社会的要因など複数の要因が関与していますが、一般的には生活習慣ばかりが注目され、「自己管理の問題」と軽視されがちなのが現状です。結果として、医療機関への相談や適切な医学的管理を検討する機会を逃し、適切な治療にたどりつけていない肥満症のある方が多くいます。
そこで、日本イーライリリーと田辺三菱製薬およびミナケアは、肥満症の診断のきっかけとなる健康診断の機会に着目し、半年間にわたる継続的な啓発プログラムを開始することを決定しました。健康保険組合に加入する肥満症対象者へ、ナッジ理論を用いたアプローチで啓発活動を展開することにより、医療機関への相談や適切な治療につながる行動変容を促していきます。本事業は、今後、賛同いただけるより多くの企業や健康保険組合に展開していくことで、社会における肥満症への理解促進と、肥満症のケアを必要とする人が適切に医療にたどり着ける環境構築をめざします。またこのプログラムの広がりによって、各健康保険組合に対しても、特定保健指導の受診率向上や医療費の削減へ貢献できることを期待しています。
日本イーライリリーと田辺三菱製薬およびミナケアは、肥満症のある人がエビデンスに基づく適切な治療を正しく受けられるよう、肥満症に対する社会の正しい理解促進のための啓発活動を引き続き展開していきます。
【啓発プログラムの概要】
目的:肥満症の方の、肥満症に対する正しい理解の促進、および適切な肥満症治療を受ける機会の確保支援
対象者 :ミナケアが契約する健保組合(約600)に加入する健康保険組合加入者約900万人のうち、以下を両方満たす方(肥満症の可能性がある方)
・BMI25以上
・肥満に関連する11の健康障害のうち1つ以上を有する
対象人数:約1万人
実施期間:2025年11月~2026年4月(半年間にわたり継続的にフォローアップ)
実施主体:ミナケア(エムスリーグループ) 連携:メドケア、イーウェル
実施内容
レセプトデータと健診データの統合分析による対象者の抽出
ナッジ理論を用いた啓発資材の作成
対象者への啓発資材の郵送
定期的にアンケートを実施(3か月ごと)しフォローアップ
レセプトデータによる受診行動の変化を検証
啓発内容
肥満症とは?(肥満との違い等)
肥満症の治療について(食事療法、運動療法、行動療法、薬物療法、手術、医療機関情報、等)
備考 個人情報保護法を遵守し、匿名化処理を施した上でデータ分析を実施
肥満症を取り巻く課題
日本には「肥満」に該当する人口が2,800万人1いるとされていますが、そのうち肥満に関連する健康障害を合併する「肥満症」の診断や治療は、他の慢性疾患に比べて積極的に行われていない状況です。肥満や肥満症の発症には、個人の生活習慣のみならず、遺伝や環境、身体的、心理的、また社会的などの要因が複合的に組み合わさっており、自分の努力だけでは解決が難しいと言われています2。それにもかかわらず、一般社会には「肥満は自己管理の問題」という誤解や偏見(オベシティ・スティグマ)が存在、本人の努力や生活習慣のみがフォーカスされ、社会課題となっています。
啓発プログラムの今後の展望
日本イーライリリーと田辺三菱製薬およびミナケアは、本啓発プログラムを、肥満症領域において製薬企業とヘルスケアIT企業が連携し開発した疾患啓発プログラムの先進モデルケースとして位置づけています。半年間の継続的な啓発活動と多層的なフォローアップを通じて、再現性の高い効果的な疾患啓発モデルの確立を目指しています。得られた知見を活用し、今後、より多くの製薬企業や健康保険組合、その他企業など多様なステークホルダーとの協働によって、幅広い肥満症のある方へ順次展開していく予定です。
また、ミナケアが属するエムスリーグループが運営する医療従事者向けプラットフォーム「m3.com」(国内医師の約9割・30万人以上が登録)とも連携することで、医療機関側の受け入れ体制整備も視野に入れた包括的な疾患啓発プラットフォームの構築を目指します。
肥満症に対する誤解や偏見(オベシティ・スティグマ)の解消と正しい理解の促進は、単独の企業や団体では成し遂げることが難しい社会的課題であり、業界を超えた連携が不可欠です。日本イーライリリーと田辺三菱製薬およびミナケアは、志を同じくする多くの企業や団体とともに、本事業を通して、個々の肥満症のある方それぞれに適した医学的管理が選択される環境づくりの輪を社会全体に広げていきたいと考えています。
本事業に関する留意事項
本事業は、肥満症に関する正しい理解を広め、医療機関への相談を検討するきっかけを提供することを目的とした疾患啓発活動です。肥満症の診断・治療方針については、必ず医師にご相談ください。本事業は特定の医薬品や治療法を推奨するものではありません。
肥満と肥満症について3
日本における「肥満」は、脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、体格指数(BMI)25以上と定義されています。BMIが35以上の場合は、高度肥満となります。一方で「肥満症」は、肥満(BMI25以上)があり、かつ肥満に起因ないし関連する健康障害(合併症)を1つ以上有するか、あるいは内臓脂肪蓄積がある場合など関連健康障害の合併が予測され、医学的に減量を必要とする病態と定義されており、減量による医学的治療の対象になる慢性疾患です。肥満や肥満症は、生活習慣のみならず遺伝や環境などの様々な要因が関与しており、他の様々な健康障害と密接に関連していると言われています。日本には「肥満」に該当する人口が2,800万人2いるとされていますが、そのうち肥満に関連する健康障害を合併する「肥満症」の診断や治療は、他の慢性疾患に比べて積極的に行われていない状況があります。
肥満症の診断に必要な健康障害
1) 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
2) 脂質異常症
3) 高血圧
4) 高尿酸血症・痛風
5) 冠動脈疾患
6) 脳梗塞・一過性脳虚血発作
日本イーライリリーについて
日本イーライリリー株式会社は、米国イーライリリー・アンド・カンパニーの日本法人です。日本の患者さんが健康で豊かな生活を送れるよう、日本で50年にわたり最先端の科学に思いやりを融合させ、世界水準の革新的な医薬品を開発し提供してきました。現在、がん、糖尿病、アルツハイマー病などの中枢神経系疾患や自己免疫疾患など、幅広い領域で日本の医療に貢献しています。詳細はウェブサイトをご覧ください。
https://www.lilly.com/jp
田辺三菱製薬について
田辺三菱製薬は、1678年に創業、日本の医薬品産業発祥の地である大阪の道修町に本社を置き、医療用医薬品事業を中心とする製薬企業として、最も歴史ある老舗企業の一つです。当社は、「病と向き合うすべての人に、希望ある選択肢を。」をMISSIONとし、これを実現するため、中枢神経、免疫炎症、糖尿病・腎領域に加え、がん領域にも取り組んでいきます。
https://www.mt-pharma.co.jp/
株式会社ミナケアについて
ミナケアは、「ずっと元気で、の思いをカタチに」をビジョンに掲げ、2011年の創業以来、ならなくてすむ病気の予防、なった病気の治療や管理の徹底で人々に長く健康に生きてもらう「投資型医療」の実現を目指すヘルスケアベンチャーです。エムスリーグループの一員として、健康経営・コラボヘルス支援事業、データヘルス支援事業、データ解析事業、保健事業支援ツール提供、歯科保健事業、ヘルスケアサービス開発支援事業を展開し、健康保険組合や企業に向けて、データを活用した戦略コンサルティング事業や健康づくりや予防事業のDX推進を行っています。 本社:東京都豊島区目白3丁目14−3 目白寛永堂ビル 7階 代表取締役社長 木村芳朗 ウェブサイト
https://www.minacare.co.jp/
出典:
1:厚生労働省 国民健康・栄養調査(令和元年):
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf(2024年10月閲覧)
2:Schwartz MW, Seeley RJ, Zeltser LM, et al. Obesity Pathogenesis: an Endocrine Society Scientific Statement. Endocr Rev. 2017;38(4):267-296.
3:日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」
本件に関するお問合わせ先
【本件に関するお問い合わせ先】
日本イーライリリー株式会社 コーポレート・アフェアーズ本部
TEL:0120-925-500 Email:okawa_mizuki@lilly.com
田辺三菱製薬株式会社 CEOオフィス PRグループ
TEL: 06-6205-5119
株式会社ミナケア 事業チーム
Tel: 03-6262-5311(代表) Email: mc_info@minacare.co.jp
記事提供:Digital PR Platform