歯と口の健康増進指針の国際規格の開発開始がISOで正式承認
日本歯磨工業会、一般財団法人 日本規格協会、一般社団法人 社会的健康戦略研究所
日本歯磨工業会(所在地:東京都中央区、会長:吉岡貴司)、一般財団法人 日本規格協会(本部所在地:東京都港区、理事長:朝日弘)、一般社団法人 社会的健康戦略研究所(所在地:東京都港区、代表理事:浅野健一郎)は、歯科関連有識者らと連携し、国際標準化機構(ISO)に対して、新国際規格「地域や企業等におけるウェルビーイング推進のためのガイドライン ― オーラルヘルス」の開発を提案、2025年12月に国際投票で新規格開発が承認されました。新たに開発する規格は、世界の人々の歯と口の健康増進に向けて、地域社会や企業などの組織的な仕組みを活用し歯科健診、口腔保健指導、定期歯科受診、家庭での歯みがき習慣化を効果的に組み合わせて実施し定着化させるためのガイドラインを示す規格です。
お口の健康を基軸としたウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に健康で幸福な状態)実現と関連産業の発展を促すことを目的に、今後、規格の詳細開発を進め、ISO内での段階的な審議を経て、2028年の規格発行を目指します。
ISOの専門委員会(TC)314(高齢化社会)内の作業グループ(WG)4 (ウェルビーイング)では、2021年から日本のグループが主導して、様々な組織でウェルビーイングの推進を実践するために推奨される枠組みを示す国際規格の開発がスタート。2024年11月にISO 25554:2024「高齢化社会ー地域や企業等でウェルビーイングを推進するためのガイドライン」として発行されました。
今回開発開始が正式に承認された新国際規格「地域や企業等におけるウェルビーイング推進のためのガイドライン ― オーラルヘルス」は、ISO 25554の関連規格として構想されました。
歯と口の健康は、心身の健康や労働生産性にも直結しウェルビーイング実現に必要不可欠です。日本では、学校や地域での歯科健診や保健指導等、歯と口のケア習慣の定着を促す仕組みが普及しています。また、近年では職域における健康経営の取組み施策の一つとしても歯や口の健康維持が注目されています。今後、日本も含む世界で、より多くの人々が生涯にわたりウェルビーイングを実現するためには、さらに多様な環境で歯と口のケア習慣を定着させる仕組みを広めることが重要です。
2024年10月からは日本歯磨工業会が事務局となり国内準備検討委員会を設置し、WHO口腔保健協力センター長/新潟大学歯学部歯学科 小川祐司 教授を座長とし、ISO/TC314 高齢社会対応標準化国内委員会 委員長の東洋大学 山田肇 名誉教授、ISO/TC314 WG4コンビーナ(議長)である国立研究開発法人 産業技術総合研究所 佐藤洋氏、一般財団法人 日本規格協会、一般社団法人 社会的健康戦略研究所と共同で、公益社団法人日本歯科医師会、日本歯科医学会の協力を得て、歯と口の健康づくりの仕組みを普及させるためのガイドライン国際規格の開発提案の準備を進めてきました。そして、同規格の開発提案に対するISO/TC314加盟国の投票が行われ、2025年12月に新規格の開発開始が正式に承認されました。
今後は、開発プロジェクトを組織して規格内容の作成へと進み、2028年の規格化を目指します。新規格の提案と普及を通して、ウェルビーイング推進を実践する様々な組織で歯と口の健康に関する仕組みが普及している社会の実現と、関連産業の発展を目指します。
■日本歯磨工業会について [
https://www.hamigaki.gr.jp/ ]
国民の口腔衛生の普及・向上に寄与するとともに、健康産業として歯磨および関連業界の発展を図ることを目的とした団体で、行政官庁、関連業界、消費者団体等との情報交換、歯磨に関する情報提供、口腔衛生に関する健康啓発情報の発信を行っています。例えば、「歯と口の健康週間」に協力し、歯磨を通じての口腔衛生の普及・向上を図るキャンペーンを行っているほか、ISOなどの国際会議に積極的に参加し、歯磨剤等の国際規格作成にも協力しています。1971年6月に設立、会員14社、賛助会員14社が参加し、業務委員会、広報委員会、広告委員会、技術委員会、薬事委員会で活動しています。
■日本規格協会グループ(JSA)について [
https://webdesk.jsa.or.jp/ ]
1945年12月に、標準化および管理技術の開発、普及、啓発などを目的に設立された、一般財団法人 日本規格協会を中核とするグループです。我が国の総合的標準化機関として、当グループでは、JIS、国際規格(ISO・IEC規格)、JSA規格の開発、JIS規格票の発行と販売、国際規格・海外規格の頒布、多彩なセミナーの提供、ISO 9001やISO 14001をはじめとする各種マネジメントシステムの審査登録、各種サービスに関する認証、マネジメントシステム審査員などの資格登録、品質管理検定(QC検定)といった多様な事業に取り組んでおります。
■社会的健康戦略研究所について [
https://www.kenko-senryaku.or.jp/ ]
社会の持続性を向上させるためには、人々が「健康」であることが大切だと考え、2019年に設立された一般社団法人 社会的健康戦略研究所は、新しい社会への適合を健康の視点から捉え、研究し、そして、この研究活動から生み出された適合の方法論を日本のみならず、世界へ社会実装することを目的として活動しています。その一環として、ISO 25554:2024「高齢化社会―地域や企業等でウェルビーイングを推進するためのガイドライン」の開発をはじめ、現在は「ウェルビーイングISOガイドライン認定」制度の策定・提供を行っています。
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記事提供:@Press