2025年度「東京ビジネスデザインアワード」最優秀賞・優秀賞を発表
公益財団法人日本デザイン振興会

最優秀賞は「『体験をコレクションする』サービスの開発とブランド展開」に決定
2026年2月5日
公益財団法人日本デザイン振興会
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東京都内の中小企業活性化策として東京都が主催し、公益財団法人日本デザイン振興会が企画・運営を行う「東京ビジネスデザインアワード(以下、TBDA)」は、2025年度の最優秀賞1件、優秀賞2件を発表しました。
TBDAは、東京都内の中小企業の持つ技術や素材等を「テーマ」に、デザイナーから新規用途開発とビジネス全体のデザイン提案を募集、両者をマッチングして製品・サービスの実現化を目指すコンペティションです。
本アワードを主催する東京都は「東京のものづくり企業の持つ高度な技術というのは、東京にとってのかけがえのない財産です。今回のプレゼンテーションを通じて、この東京の持つものづくりの技術がデザイナーの方々のアイデアと融合して、本当に素晴らしいビジネスの化学反応が生まれていたという風に感じております。新しい付加価値が生まれていた、素晴らしいビジネスコンペティションであったと思います。」と述べました。
本年度はテーマに対し寄せられた提案から、審査委員会による一次審査、テーマ選定企業を交えた二次審査を経て2月3日(火)に提案最終審査会を開催し、デザイン性や実現可能性、ビジネスプランの完成度などが最も高く優れている提案のプレゼンテーションと試作品による審査を実施しました。
その結果、2025年度東京ビジネスデザインアワードは、最優秀賞に「『体験をコレクションする』サービスの開発とブランド展開」に決定、優秀賞に「生分解性樹脂と精密金型技術を活用した人を自然へ導くギアの提案」、「加工精度を軸とした新たな事業モデルの提案」が選出されました。
本年度は、参加企業の技術や素材の特性に加え、円安・物価高の継続、金利の上昇、構造的な人手不足、事業承継、中小企業の現状と直面する課題など、企業だけでは解決に向けた整理ができない場合も多くあります。
本年度のデザイナーからの提案では、企業の強みを整理し、技術や素材の活用を根幹に、これからの企業の姿勢や在り方、やるべき優先順位などを提案するものが多く寄せられました。今後も、審査委員会と事務局が、知財戦略・広報戦略・販路開拓に向けたセミナーやワークショップを継続的に実施し、テーマ賞受賞提案の事業実現化を中長期的に支援していきます。
<2025年度 最終審査会の様子>
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【最優秀賞】提案名: 「体験をコレクションする」サービスの開発とブランド展開
提案者 :榎本清孝(アートディレクター)
企業テーマ:個別化された情報を正確安全に届けられる、印字とフィルム圧着書面
企業名 :昭和印刷株式会社(江戸川区)
提案内容 :
システム開発による個別化情報の印字と、破れないフィルム圧着はがきを活用した「体験をコレクションする」サービスの提案。進化し続ける時代だからこそ“心地よい手間とつながりを楽しむ”をブランドコンセプトに、BtoBtoC事業として展開し、はがき媒体の価値を再定義する。
審査委員評価:
紙への印字というアナログ技術の持つ強みを無理なく最大化し、情緒的な体験価値へと昇華したすばらしい提案だった。11月の提案段階と比べ、質が飛躍的に向上しており、完成度の高いサービスとして具現化されている。
スポンサーを募る広告モデルによる収益化など、さまざまな発展性が感じられ、事業化を見据えたサービスデザインとして十分な実現性を備えている。総合的な評価は際立っており、満場一致で支持された。
榎本清孝(アートディレクター)氏受賞コメント
このような光栄な賞をいただき、本当にありがとうございます。顔合わせの時に昭和印刷の社長田村さんから、「このテーマを選んでいただきありがとうございます」といきなり握手を求められ、とてもいい会社なのだなと率直に思ったことをいまだに覚えています。
その昭和印刷さんと短い期間ではありましたが、皆さんから色々とアイデアをいただくうちに自分の中にあったプランが膨らんでいったことを感じました。
ご提案したサービスは、「体験をコレクションする」アルバムや葉書きというプロダクトになります。一番大切にしなければと思ったのは、今の時代、どんどん情報が流されていってしまう中で、あえて少し体験に対して立ち止まり、「一つ一つの体験に向き合ってほしい」、「繋がりやコミュニケーションなどが生まれてほしい」ということです。これも伝えていきたいと思います。
昭和印刷株式会社 代表取締役 田村耕作氏受賞コメント
本日はこのような身に余る賞をいただきありがとうございます。私は、「うちの会社のみんながすごいんだよ」ということを伝えるきっかけとしてこの賞に応募しました。まさかこのような最優秀賞をいただけるとは思っておらず、とても嬉しく「社員のみんな、君たちはすごいからこのままもっと進めていこう」と伝えたいです。
そして私の仕事はこれを事業化し収益化すること。そしてそれを社員に還元することだと思っています。これからより励んでまいります。
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【優秀賞】提案名:生分解性樹脂と精密金型技術を活用した人を自然へ導くギアの提案
提案者 :三谷悠人(デザインエンジニア)、鍋田知希(デザイナー)
企業テーマ:精密金型メーカーが誇る高精度なバイオプラスチック射出成形技術
企業名 :日進精機株式会社(大田区)
提案内容:
生分解性バイオマス樹脂PLAと精密金型技術を活かしたルアーブランド「PLureA」。日常的に持ち歩けるルアーを通じて人と自然の関係を再接続し、行為の循環を体験として設計する。再成形サービスを含むtoC展開を起点に、素材・技術価値の再定義と事業拡張を目指す。
審査委員評価:
環境負荷は低いものの高コストゆえに普及が進まない生分解性樹脂を用いるという難しいテーマに対し、企業の持つ射出成形技術と金型製造技術と掛け合わせることで、新たな提案を生み出している。限られた条件の中で、創造性の高さと完成度を備えた製品へと落とし込まれている点を評価した。今後さらに検証と改良を重ねることで、可能性が一層広がることを期待したい。
三谷悠人(デザインエンジニア)氏受賞コメント
ありがたい機会と優秀賞をいただきまして本当にありがとうございました。今回のフィードバックをふまえて、これからどのように世の中に実装したら面白いかを考え、頑張っていきたいと思います。提案したルアーが世の中に浸透するように、精一杯頑張っていきたいと思います。
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【優秀賞】提案名:加工精度を軸とした新たな事業モデルの提案
提案者 :平野北斗(ディレクター)、柳沢駿(プロダクトデザイナー)、明里圭修(アートディレクター)
企業テーマ:デジタルの精度と手仕事の技量が共存する加工・生産体制
企業名 :株式会社サルトル(新宿区)
提案内容:
サルトルのデジタル精密加工と手加工が行き来する独自の加工体制に着目し、加工技術そのものを事業資産として再定義する事業モデルを提案。加工を「KAKOE」として整理・定義し、技術の組み合わせを可視化することで、下請け的受注から相談・共創を起点とした一次請けへと接続し、既存事業の強化を目指す。
審査委員評価:
企業の持つ優れた加工技術そのものをブランド化することにより、これまで伝えきれていなかった強みを可視化し、新たな価値を生み出した提案である。「自社技術をどのように知ってもらうか」という中小企業が抱える普遍的な課題に対し、実効性のあるアプローチを示している。顧客として想定されるクリエイターの創造力を喚起する可能性も感じられ、今後の展開につながる第一歩として期待できる。
平野北斗(ディレクター)氏受賞コメント
このような賞をいただきありがとうございます。私自身、様々な地方の新商品開発をしていたのですが、コストが原因で産業が逼迫していってしまうようなことを見てきました。今回サルトルさんは土台を固めることで下請けから脱却するという新たな方法をこのTBDAで示せたことがとても意義のあることだと思います。昨夜までずっと一緒に制作し、この期間中くじけそうになる中でも伴走し駆け抜けてくれたデザイナーさんに感謝の気持ちを伝えたいです。
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2025年度「東京ビジネスデザインアワード」審査委員長 秋山 かおり 提案最終審査講評
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受賞された企業、そしてデザイナーの皆様、おめでとうございます。今年度、新たに審査委員長を拝命し、1年間携わってきましたが、14年目を迎えるこの取り組みが、やはり意義深いものであるとあらためて実感しました。
「ものづくり」「ことづくり」と一言で言っても、デザイナーと企業のマッチングごとに導き出される答えは大きく異なります。その中で、お互いが本当に理解し合えたと喜ぶ企業の方々やデザイナーの皆様の表情を見ることができたのは、とても感慨深い経験でした。
私自身、プロダクトデザイナーとして、日々仕事をする中で、思うように進まないことや、コミュニケーションに難しさを感じる場面も少なくありません。しかし、すぐに答えを求めるのではなく、互いを尊重し合う姿勢こそが最も大事だと感じています。そうした場を提供できる取り組みとして、東京都の皆様には、今後もこのアワードを継続していってほしいと心から思います。
<2025年度「東京ビジネスデザインアワード」審査委員会>
審査委員長:
秋山 かおり プロダクトデザイナー / STUDIO BYCOLOR
審査委員:
谷口 靖太郎 デザインエンジニア
日髙 一樹 特定訴訟代理人・弁理士 / デザインストラテジスト / 日高国際特許事務所所長
坊垣 佳奈 株式会社マクアケ 共同創業者 / 顧問
宮崎 晃吉 建築家 / 株式会社HAGISO代表取締役
八木 彩 アートディレクター / クリエイティブディレクター / アレンス株式会社代表取締役
柳沼 周子 バイヤー / 株式会社エンファクトリー
<2025年度 「東京ビジネスデザインアワード」 テーマ賞 8件一覧>
◆東京ビジネスデザインアワード公式サイト
各テーマの詳細は、公式サイトをご覧ください。
https://design-award.metro.tokyo.lg.jp/archive/outline/2025/
※下記一覧の見方について
企業テーマ :2025年度「東京ビジネスデザインアワード」のテーマとして選出された東京都内の中⼩企業が保有する独⾃の技術や素材など
デザイン提案:企業テーマに対してテーマ賞を受賞したデザイナーからの提案
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◆2025年度から拡充した支援メニュー
① テーマ賞を受賞提案の事業実現化に向けて受賞年度を含め3か年度にわたる支援
テーマ賞を受賞したビジネス提案を実現させるため、専門家による支援を実施しています。この支援期間を1年間延長し、受賞年度を含め3か年度の支援を実施します。
② テーマ賞受賞提案の産業財産権取得費用など補助の提供
提案を実現する上で、意匠権および商標権などの産業財産権を取得しておくことは重要です。実現したビジネスが仮に他者に模倣されたとしても、適切に権利を保持できていればそのビジネスを守ることができます。この産業財産権取得などに関して2025年度から1チームあたり最大50万円まで補助します。
◆2025年度アワードスケジュール・デザイン提案 審査基準
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本件に関するお問合わせ先
東京ビジネスデザインアワード事務局(公益財団法人日本デザイン振興会)
E-mail:tokyo-design@jidp.or.jp
関連リンク
東京ビジネスデザインアワード
https://www.tokyo-design.ne.jp/award.html
2025年度テーマ賞
https://design-award.metro.tokyo.lg.jp/archive/outline/2025/






















記事提供:Digital PR Platform