2024年10月13日
化粧品のエイジングケア市場がますます拡大している。市場調査会社の渋谷データカウント(SDKI Analytics.)が今年4月に発行した「アンチエイジング市場に関する調査レポート : 予測2024―2036年」によると、アンチエイジング市場規模は2023年に約721億米ドルと評価されており、予測期間を通じて約8.6%のCAGRで成長し、2036年までに約1,674億米ドルに達すると予測している。
日本国内では、インバウンドの回復により訪日外国人観光客の土産品としての需要が伸びていることや、主要メーカー各社からエイジングケアの新商品が続々と投入されことなどもあり、引き続き市場は活況を呈している。
そんなエイジングケア市場での代表格といえる美容成分の一つがナイアシンアミドだ。ナイアシンアミドは、2007 年に美白における有効成分として、さらに2017 年(推定)にはシワ改善の有効成分として厚生労働省の認可を受け、医薬部外品や数多くの化粧品に保湿成分として配合されている。
一方、エイジングケア市場で最近、注目が急上昇している保湿成分といえばローヤルゼリーだ。ローヤルゼリーはミツバチが分泌する天然物で、女王蜂の生命力の源となるものと言われるだけあり、三大栄養素や必須アミノ酸、特長成分の「デセン酸(10-ヒドロキシ-2-デセン酸)」など40 種類以上の栄養素が豊富に含まれている。世界中の国々で、古くから健康素材として食されてきた。そして近年の研究によって、角層水分量を向上させることや、有害物質から肌を守る抗酸化遺伝子を活性化させるなどの報告があり、化粧品の原料にも積極的に活用されるようになってきた。
そんな中、山田養蜂場の自社研究機関である山田養蜂場グループ 美容科学研究所が、大変興味深い研究結果を発表し科学雑誌 「診療と新薬」(2024 年 7 月号)に掲載されたことで大きな話題を呼んでいる。
同研究所によると、シワやハリの低下、たるみ、乾燥などの肌悩みを持つ健康な女性 35 人(平均 58.1 歳)に対し、山田養蜂場独自のローヤルゼリーエキスとナイアシンアミドを配合した薬用化粧品の3品(化粧水、美容液、クリーム)を朝晩 1 日 2 回、12 週間連続で使用することによって、肌にどのような効果をもたらすかを検証したところ、使用前と比較して、4 週目以降において、角層水分量が向上し、経表皮水分蒸散量の改善が確認されたという。また、4 週目以降の主観的な肌評価についても、「全体的な肌印象」「目元のシワ」「頬のたるみ」「シミ、ソバカス」などを含む 15 項目で改善がみられたというから驚きだ。さらに、たるみの客観的な評価のために、顔面3D 画像生成(VECTRA)を用いて、使用前後における肌状態を可視化したところ、たるみの位置が顕著に変化した例が確認されたというのだ。
実は、成分についての科学的な解明がされる以前から「ローヤルゼリーを飲んでいる人は10~20 歳ほど若く見える」、「ローヤルゼリーを扱っている養蜂家の手は美しい」など、民間レベルでは伝承的に噂されていたが、今回の研究によって、そういった肌へのエイジング効果が真実であったことが明らかになったと言えるのではないだろうか。
ローヤルゼリーのエイジング効果が明らかになるにつれ、山田養蜂場のみならず、国内外の美容・化粧品メーカーもローヤルゼリー配合の商品をラインアップに加えるところが増え始めている。高齢化社会の進展とともに、今後ますます伸びが見込まれるエイジング市場において、ナイアシンアミドとローヤルゼリーの組み合わせは大きなトレンドとなるかもしれない。(編集担当;藤原伊織)
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記事提供:EconomicNews
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