ベイン・アンド・カンパニー2025年度版『日本プライベート・エクイティレポート』発行 4年連続で3兆円を超えた日本のプライベート・エクイティ市場 - 2025年も好調な滑り出し
ベイン・アンド・カンパニー
東京 - 2025年6月5日 - ベイン・アンド・カンパニーは本日「日本プライベート・エクイティレポート2025年版」を発行いたしました。日本のプライベート・エクイティ(PE)市場は堅調な取引件数の増加が続いており、世界中の投資家からの関心を集めるなど、依然として注目を集める市場となっています。
日本のPE市場は2024年に取引総額3.1兆円を記録し、4年連続で3兆円を超えました。中でも、1,000億円を超える大型案件や3,000億円を超える取引が増加。引き続き事業のカーブアウトや上場企業の非公開化が取引の主流を占めています。この勢いは2025年に入っても継続しており、第1四半期には、四半期ベースで過去2番目に高い取引額を記録しました。
エグジットも大きく回復し、2021年と同水準の1.9兆円に達しました。一方で、保有ポートフォリオの長期化は依然として課題となっています。
ベイン・アンド・カンパニー東京オフィスでPE部門のパートナーであるジム・ヴェルベーテンは次のようにコメントしています。「日本のPEおよびM&A市場には、今後の成長余地が依然大きく残されています。日本は他国と比べて中小企業が数多く分散した企業構造となっており、PE投資の対象となる企業が数多く存在します。さらに、政府や規制当局がガバナンスの強化やM&Aに関する新たな指針の導入を進めていることが、アクティビストの活動や上場廃止の支援につながっています」
一方で、ベイン・アンド・カンパニーAPAC PE部門の共同責任者であるセバスチャン・レイミーは、「短期的には関税関連の問題などの不確実性が取引活動に影響を及ぼす可能性があります。需給バランスの変動、為替の不安定性、貿易の流れの変化などの不確定要素が、PEファンドが企業価値を見極めるのを困難にする可能性は充分にあります。過去の不安定な時期と同様に、一定の取引停滞や遅延が発生する可能性も否定できません」と述べています。
こうしてマクロ経済が不透明の中でも、日本市場は引き続き高いリターン実績を背景に、機関投資家(LP)から魅力的な投資先として評価されています。
他の市場が主に資金調達やマクロ経済不安、エグジットの難しさに直面する中、日本市場に投資するゼネラル・パートナー(GP)の最大の関心事は「競争の激化」であり、次いで「高い企業評価額」と「人材の確保・維持」が挙げられます。
日系・海外GPともにファンド規模を拡大し続けている中、特に海外GPはアジアの投資資金のより多くを日本に割り振っています。結果、2020年から2024年の4年間の投資額では、前の5年間と比べ、海外GPの投資総額に占める割合が日系GPと比較して拡大しています。また、多くの海外投資家が日本国内に拠点を構え始めていることも新たなトレンドです。
このような競争が激化する市場で勝ち抜くためには、ベイン・アンド・カンパニーは「価値創出への徹底したフォーカス」が必要だと強調しています。デューデリジェンスの段階では、まず投資先が持つ潜在能力を精査し、その中で自らが実現可能な改善施策の範囲を見極めます。クロージング前には可能な限り早期に改善施策に着手します。保有期間中は柔軟な戦略運用により、デューデリジェンス段階で特定された施策に加え、それを超える範囲の改善施策も実行し、企業価値の最大化を図ります。エグジットに向けては、18~24ヶ月前から戦略と経営施策の整合を取り、投資仮説の構築と可視化を図ることが求められます。
ベイン・アンド・カンパニー東京オフィスのパートナー、大和梓は、今後のPE市場の展望について次のように述べています。「政府の後押し、強力な追い風、そして高い投資家の関心が揃った現在の日本PE市場には、さらなる成長の可能性が広がっています。ただし、この環境下で成果を上げるには、より先鋭化された戦略、迅速な意思決定、そして徹底した価値創出へのこだわりが不可欠です」
【ベイン・アンド・カンパニーについて】
ベイン・アンド・カンパニーは、未来を切り開き、変革を起こそうとしている世界のビジネス・リーダーを支援しているコンサルティングファームです。1973年の創設以来、クライアントの成功をベインの成功指標とし、世界40か国66都市にネットワークを展開しています。クライアントが厳しい競争環境の中でも成長し続け、クライアントと共通の目標に向かって「結果」を出せるように支援しています。私たちは持続可能で優れた結果をより早く提供するために、様々な業界や経営テーマにおける知識を統合し、外部の厳選されたデジタル企業等とも提携しながらクライアントごとにカスタマイズしたコンサルティング活動を行っています。
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