2026年03月17日
今回のニュースのポイント
・歳出の6割弱は「実質的に動かしにくい経費」: 2026年度の一般会計歳出122.3兆円のうち、社会保障費が約39.1兆円、過去の借金の元利払い(国債費)が31.3兆円に達します。この2項目だけで全体の6割弱を占め、毎年度、優先的に支出しなければならない「硬直的な」構造となっています。
・借金依存が続く歳入構造: 2023年度の税収は決算ベースで72兆円弱と過去最高となりましたが、それでも歳出をすべて賄うには足りず、おおよそ3割は新たな国債発行(借金)で穴埋めしている構図が続いています。
・圧迫される「未来への投資」: 金利上昇の影響を受け、国債費は31.3兆円と初めて30兆円台に乗せました。教育、科学技術、公共事業、そして少子化対策といった「政策経費」に回せる予算の余地が、年々削られている実態があります。
「税金が何に使われているのか分からない」という声は少なくありませんが、日本の予算構造を紐解くと、その実態は「実質的に動かしにくい経費」に大きく縛られています。2026年度の一般会計歳出案は122.3兆円。その内訳をみると、私たちがイメージする「新しい政策」に使えるお金は、実は全体の限られた一部に過ぎないことが分かります。
予算の最大項目は、年金・医療・介護・子育て支援などを含む「社会保障関係費」で、約39.1兆円と全体の3分の1を超えています。これに次ぐのが、過去の借金の元金返済と利払いに充てられる「国債費」の31.3兆円です。金利の上昇局面に伴い、国債費は初めて30兆円台に乗せました。この2項目に、自治体への財源配分である地方交付税交付金等を加えた広義の「義務的経費」は、歳出全体の約4分の3にまで達しており、政策的な裁量の余地を極めて狭めています。
残された約4分の1の枠の中で、防衛費(9兆円)や公共事業、教育・科学技術、そして物価高対策といった「政策経費」をやりくりしているのが日本の財政の姿です。一方、これらを支える「歳入(収入)」に目を向けると、2023年度の税収が決算ベースで72兆円弱と過去最高を記録したものの、歳出規模には依然として及びません。歳出のうちおおよそ3割は新たな借金(国債)で穴埋めしており、将来の利払い負担をさらに重くするという構造的課題を抱えています。
こうした構図は、私たちの生活に二つの大きな影響を及ぼします。一つは、高齢化に伴う社会保障費の膨張が、現役世代の負担増と給付のバランスを常に不安定にさせていること。もう一つは、借金の返済負担が増えることで、本来必要とされる教育やインフラ整備、次世代への投資に回せる予算が相対的に少なくなっていることです。
今後の焦点は、膨らみ続ける社会保障と、防衛や子育てといった新たな優先分野をどう両立させ、借金依存からの脱却を図るか。そして、税制上の優遇措置や具体的な使い道の「見える化」をどこまで進められるかにあります。私たちが「社会保障に何割、借金返済に何割、未来の投資に何割」というお金の流れを正確に把握することは、これからの税のあり方を議論するうえで欠かせない第一歩となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部)
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記事提供:EconomicNews
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