2026年04月06日
今回のニュースのポイント
被害額は3,241億円と過去最悪を更新:2025年の特殊詐欺およびSNSを利用した投資・ロマンス詐欺の被害額(暫定値)は3,241億円に達し、前年の約1.6倍に急増しました。
「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」の台頭:警察庁が定義するこの組織は、SNSで募集した実行犯を使い捨て、指示役は海外拠点や暗号化アプリに潜伏する「捕まりにくい構造」を特徴としています。
SNSが犯罪の「求人インフラ」に変質:高額報酬を謳う投稿で若年層を勧誘し、一度踏み入れると強い脅しや口止めにより共犯者として抜け出しにくくなるケースが数多く報告されています。
なぜ実行犯が次々と逮捕されても、犯罪そのものが止まらないのでしょうか。その核心は、警察庁が「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」と定義する組織の構造にあります。この組織は、指示役が海外の拠点から暗号化通信アプリを使い、実行犯に一度も顔を見せずに指示を出す「匿名化」を徹底しています。また、役割を完全に切り離す「分業化」が進んでおり、電話をかける「かけ子」、現金を受け取る「受け子」、金を引き出す「出し子」などは互いの素性を知りません。さらに、メンバーを固定せずSNSで募集した見ず知らずの人間を使い捨ての「闇バイト」として充当する「流動化」により、末端が捕まっても上位組織への追及が極めて困難な設計になっています。
犯罪組織にとって、SNSは今や低コストで全国から実行犯を調達できる有力な手段と化しています。X(旧Twitter)やInstagram、求人サイト等で「即日現金」「高額案件」といった甘い言葉を使い、経済的に不安定な若年層や学生を勧誘。最初は合法に近い軽微な作業から始めさせ、徐々に違法性の高い業務へとエスカレートさせる「段階的な取り込み」も確認されています。一度足を踏み入れると、個人情報を盾にした脅しなどにより共犯者として抜け出しにくくなるケースも多く、被害者となる高齢者だけでなく、加害者側に回ってしまう若者が増え続けるという、社会の「両側」を同時に侵食する構造となっています。
警察当局は、従来の「暴力団対策」とは異なる、この流動的なトクリュウへの対策を強化しています。国内では特殊詐欺対策プロジェクトを立ち上げ、国際電話番号の悪用対策などを推進。また、カンボジアを含む東南アジア諸国の捜査機関と連携し、海外拠点の摘発と日本人実行犯の移送・逮捕を加速させています。
今後の焦点は、逮捕しやすい実行犯の摘発に留まらず、資金の流れ(マネーロンダリング)や通信インフラの悪用を封じ、犯罪の「採算」そのものをいかに崩せるかにかかっています。SNSの悪用に対する不安が広がる中、個人の防衛意識だけでなく、プラットフォーム側の規制や国際的な法執行の連携が、この巨大な闇市場を解体するための不可欠な条件となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)
「調べる人」と「流される人」で開く格差。情報弱者を狙うアルゴリズムの罠
SNS型投資詐欺、被害額1兆円超の推計──AI偽広告と巧妙な誘導の手口
記事提供:EconomicNews
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