トレンダーズが運営する「SNS Insight Lab.」、生成AIを活用して映画『鬼滅の刃』のSNS投稿を日米比較 アメリカでもポジティブな投稿が多数、約2割が「泣いた」
トレンダーズ株式会社

トレンダーズ株式会社(所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長:黒川涼子、東証グロース上場:証券コード 6069)が運営する「SNS Insight Lab.」は、9月にアメリカでも公開開始され、日本アニメ映画歴代No.1のオープニング記録を更新した映画「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」について、日米のXの投稿内容を生成AIにより分析いたしました。
- 「SNS Insight Lab.」とは
2024年12月に設立された「SNS Insight Lab.」は、SNSにおけるユーザーのインサイトに関する原理や法則を科学的に解明する研究部門で、一橋大学大学院ソーシャル・データサイエンス研究科の本武陽一准教授を顧問に迎えています。データ(帰納的アプローチ)と理論(演繹的アプローチ)を融合させ、生成AIを活用したSNSマーケティングの進化を目指しています。
- アメリカでは約2割が「泣いた」
今回の分析においては、以下の分析工程により「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」に関する日米のXにおける評判分析を行いました。
分析工程:
工程1 Xの「⻤滅の刃」に関する投稿を国・地域別に収集
・約1/10のサンプリング収集(リポストは除外)
日本 7/18(映画公開日)の投稿をサンプリング収集し、さらに5000投稿をランダム抽出
アメリカ 9/12(映画公開日)-9/25の投稿をサンプリング収集(4966投稿)
・地域・国情報は、投稿に付与された位置情報もしくはプロフィールの位置情報からの推測
工程2 工程1で収集した投稿から生成AIを利用して「映画を見た」ことが想定される投稿を抽出
・SNSの投稿には、生活者の映画の感想の他に企業による告知やキャンペーン投稿などが含まれるため、本工程にて「映画の感想」に該当する投稿のみを抽出
工程3 工程2で抽出した投稿を元に、日米それぞれの評判を生成AIで比較分析
工程4 工程3で抽出した評判を含む投稿について、定量数値を生成AIで集計
分析の結果、日米ともにポジティブな投稿が多い点は共通しており(表(1))、映像や音楽の完成度の高さ・IMAX/4DXでの上映体験などへの高い満足度に関する投稿(表(2))はアメリカでは29.00%、日本では18.93%とアメリカの方がより多い傾向が見られました。加えて、日本では映像や作画への言及が多いのに比べ、アメリカではIMAX・4DX等の劇場フォーマットや音響体験への言及がより多い傾向にありました。
また、日米ともに「泣いた」という投稿も目立ち(表(3))、アメリカでは18.07%と約2割が「had me crying(泣けた)」「ugly cried(ひどく泣いた)」「eyes were sweating(涙があふれた)」などといった涙に関する投稿が見られました。さらには「猗窩座」・「冨岡義勇」・「胡蝶しのぶ」といった主要な登場人物の名前を含んだ投稿は日本で11.90%、アメリカでは14.43%とともに投稿に1割以上含まれており(表(4))、そのうちアメリカでは「猗窩座」に関する投稿(表(5))が約3割を占め(全体に対する比率は4.25%)、日本よりも高い比率となりました。
その他に、日本に比べてアメリカに多く見られた傾向としては、「I’ve never watched Demon Slayer but this movie is gasss!(鬼滅の刃は見たことがないけど、この映画は最高!)」「For someone who has never seen more than an episode of demon slayer, the movie was sick as fuck.(鬼滅の刃は1話しか見たことがなかったけど、この映画は本当に最高だった)」といった、本映画で「鬼滅の刃」作品をほぼ初めて見たという投稿(表(6))が、日本では全体の0.42%と1%に満たなかったのに対してアメリカでは約5倍の2.02%見受けられました。
[画像:
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※投稿内容の集計は生成AI(大規模言語モデル)による自動分類に基づく推計で、誤差や検出漏れがある可能性があります。完全な正確性は保証できません。
今回の分析結果により、アメリカでも日本と同様に本作品が高く評価され、多くの人がポジティブに捉え、感動を呼び起こしていることが分かりました。またもともとの作品ファンのみならず、本映画をきっかけに「鬼滅の刃」作品の面白さを知ったというユーザーも一定数見受けられたため、次作以降ますますの盛り上がりが見られることが期待されます。
■一橋大学大学院ソーシャル・データサイエンス研究科 本武陽一准教授のコメント「自然言語の数値化を実現」
SNSの分析においては、特に自然言語を数値化して扱うことが重要だと思われます。それが生成AIの活用によって、適切かつ容易に実現されるようになりました。今回のようなタイムリーかつグローバルな投稿データがスピーディーに分析できるようになったのは、その成果に他ならないと言えるでしょう。
今後は、SNSの分析において重要となる画像や動画データと自然言語を組み合わせたマルチモーダルなデータを生成AIにより定量化することも有用だと考えられます。そうして抽出された膨大な定量データからの発見を基に、新たな理論・モデルを創出していくことにより、発見の正しさが精査され、SNS分析はますますサイエンスの領域へと発展していくものと期待されます。「SNS Insight Lab.」にはそうした「正しさ」を追求する精神が宿った人々が集っています。そのような精神に基づき引き続きデータに真摯に向き合い、正しさを追求し続けてもらうことで、健全なSNSマーケティング市場の実現に貢献してもらいたいです。
プレスリリース提供:PR TIMES
記事提供:PRTimes