日精樹脂工業、ベッコフ制御システム採用で高品質成形とIoT対応を実現
ベッコフオートメーション株式会社

― 国内メーカーに先駆けてOPC UA標準搭載へ
プラスチック製品を形作る射出成形機の分野において、国内外で高いシェアを誇る日精樹脂工業株式会社(本社:長野県埴科郡坂城町)は、ベッコフオートメーションの制御システムを採用し、オープンアーキテクチャに基づく次世代の成形プラットフォーム構築を推進しています。従来の自社開発ボードから脱却し、ベッコフの産業用PCとEtherCATを活用することで、高速かつ高精度な成形制御を実現するとともに、国内に先駆けて2018年よりOPC UA機能の標準搭載を決定しました。
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日精樹脂工業株式会社 代表取締役社長 依田穂積氏(左)と、ベッコフオートメーション 創業者 兼 マネージングディレクター ハンス・ベッコフ(右)(写真提供:ベッコフオートメーション)
オープンアーキテクチャ採用の背景
日精樹脂工業は従来、専用のマイコンボードを自社開発し製品に搭載してきました。しかし、パーツ供給や技術更新への対応などコア技術以外の部分に多くのリソースを割かざるを得ず、危機感を抱いていました。そこでハードウェアを汎用品へと切り替え、制御ソフトウェアの強化に集中する方針へと転換しました。その過程で、従来の専用基板と同等以上の性能を持ち、かつ柔軟性に優れたネットワークとして数々の製品をテストし、EtherCATが最適解であると判断しました。
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日精樹脂工業は、「EJモジュール」という汎用基板上に複数のIO機能を実装した専用モジュールを採用した(写真上部)。EJモジュールは必要なIO機能を1枚のボードにまとめられるため、IO部のコンパクト化とコスト削減のメリットがある。(写真提供:ベッコフオートメーション)
ベッコフ製品採用の決め手となったのは、EtherCATの開発元であるベッコフの豊富な製品群と、PC制御ソフトウェアであるTwinCATを組み合わせることで実現するリアルタイム性能に加え、プラグイン式モジュールを専用基板に搭載してI/O機能をカスタマイズ可能なEJモジュールの柔軟性、さらにインダストリー4.0対応を見据えたIoT機能の実装が容易である点も高く評価されました。
導入機種とアプリケーション事例
日精樹脂工業は、2016年からEtherCAT対応機種の開発を開始し、2017年のIPFで油圧式射出成形機「FNX-IV」を発表しました。2018年には北米NPEで世界に向けてベッコフとのパートナーシップを公表しました。続いて電動式「NEX-V」にも採用を拡大し、現在では主要な汎用機種すべてにベッコフ製品を採用しています。
産業用PCの「CX5140」を中核とする制御システムは、従来のアナログ通信からEtherCATによるデジタル通信へ移行することで、周辺機器も含めた全システムで高速サイクルによるモーション制御が実現しました。ノイズ耐性の向上や高分解能フィードバックによる品質改善にも寄与しています。またTwinCATによるソフトウェア統合により、ハード追加なしで新機能を拡張できる柔軟性も確保しました。
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Intel Atom(R)を搭載したハイコストパフォーマンスモデルの組込み型PC「CX5140」は射出成形機の制御コアとして機能。
IoT戦略と業界標準化への挑戦
世界的に進むインダストリー4.0では、データ連携の基盤としてOPC UAが重視されています。特にプラスチック機械分野ではEUROMAPが標準仕様として策定され、欧州を中心に導入が進む一方、日本国内では対応が遅れているのが現状です。
日精樹脂工業は2018年のNPEでOPC UA対応ソリューションをデモ展示し注目を集め、2019年には新型コントローラ「TACT5」にOPC UAを標準搭載することを発表しました。これは世界的にも先進的な取り組みであり、ユーザーに「つながる」価値を提供する姿勢を鮮明にしています。同社は標準化を競争の脅威ではなく「協調領域」と捉え、データ活用による付加価値創出こそがメーカーの真の競争領域であると位置づけています。
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日精樹脂工業は、周辺機器を含めた「成形プラットフォーム」を実現し、ユーザーに高い付加価値を提供するため、OPC UAサーバ/クライアント機能の標準搭載を決定。業界に先駆け、将来性の高いIoT戦略を推進している。(写真提供:ベッコフオートメーション)
今後の展望とベッコフとのパートナーシップ
日精樹脂工業の依田社長は、ベッコフの新技術に挑戦しつづける姿勢に共感を示し、今後もベッコフとのパートナーシップを通じて社内のチャレンジ精神を育むことにもつなげたいと語っています。特にプラスチック業界で不可欠なコスト競争力の観点から、性能と価格の最適化を両立させた新製品の開発に期待を寄せています。
日精樹脂工業とベッコフの取り組みは、国内射出成形機メーカーとしていち早くオープンアーキテクチャとIoT標準化を実装した先駆的事例です。両社は今後も協力を深め、プラスチック業界に新たな付加価値を提供し続けます。
関連情報リンク:
▪️ 日精樹脂工業株式会社 公式Webサイト:
https://www.nisseijushi.co.jp/
▪️ 事例紹介動画:
https://youtu.be/riGFRpfujPc
▪️ ベッコフオートメーション・プラスチック機械向けソリューション :
https://www.beckhoff.com/ja-jp/industries/plastics-machines/
プレスリリース提供:PR TIMES



記事提供:PRTimes