2026年度「国際交流基金賞」受賞者決定!アート・建築・学術の力で世界を紡ぐ3者へ 福武財団 名誉理事長 福武總一郎氏、建築設計事務所 SANAA、ユディツィウム出版社
国際交流基金

~瀬戸内を世界のアート拠点へと導いた福武氏、建築観を刷新するSANAA、日独学術交流を40年支えるユディツィウム出版社~
国際交流基金(JF)が実施する「国際交流基金賞」の2026年度の受賞者が決定しました。
JFは「日本の友人をふやし、世界との絆をはぐくむ。」をミッションに、「文化芸術交流」「日本語教育」「日本研究・国際対話」を通じて、世界各地との人的交流を促進し、相互理解と信頼関係の構築を通じて、より豊かな国際社会の実現を目指す独立行政法人です。
JF設立の翌年の 1973 年から実施している本賞は、これまで学術や芸術等のさまざまな文化活動を通じて日本と海外の相互理解促進に顕著な貢献があり、引き続き活躍が期待される個人または団体に授与しています。
第 53回となる今年度は、内外各界の有識者及び一般公募により86件の推薦があり、有識者による審査を経て、以下の3者に決定しました。10月21日(水)に授賞式を開催いたします。
受賞者/授賞理由
■福武總一郎 氏(公益財団法人 福武財団 名誉理事長)[日本]
福武總一郎氏は30年以上にわたり、瀬戸内海の離島で数多くの美術館の開設やアートプロジェクトなどを展開し、「瀬戸内国際芸術祭2010」ではそれらを7つの離島と高松港エリアへと拡張させ、2025年まで6回の同芸術祭を総合プロデューサーとして成功に導いてきた。その拠点となった直島は世界に類のない「アートの島」として国際的な注目を集め、急速な過疎と高齢化の進む地域をアートから活性化させたプロジェクトは、海外からも高く評価されている。ベネッセ賞や福武財団などの取り組みを含め、現代美術を中心とした国内外の数多くのアーティストに作品の創造と地域交流の機会を提供し、国際文化交流の推進と国際相互理解の増進に多大な貢献を果たしている。
■SANAA(サナア)[日本]
SANAAは、建築家の妹島和世氏と西沢立衛氏の共同主宰により1995年に設立された建築設計事務所である。「金沢21世紀美術館」(2004年)、「ニュー・ミュージアム」(2007年)、「ルーヴル美術館ランス別館」(2012年)をはじめ、国内外で数多くの文化・教育施設の建築設計を手がけてきた。内と外、さらには建築と環境といった境界を解体しシームレスに再構成するSANAAの建築では、人々と空間の多様で開かれた関係が結び直され、創造的な対話の場がもたらされている。近年の「ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館ナーラ・バドゥ館」(2022年)や「Taichung Green Museumbrary」(2025年)においても、SANAAが探究する「公園」のような空間のさらなる深化が示された。建築を通して相互尊重に基づく国際文化交流の基盤を創出し続けるその功績は、国境を越えた普遍的意義を有するものとして極めて高く評価される。今後の活躍も大いに期待され、まさに国際交流基金賞にふさわしい存在である。
■ユディツィウム出版社(Iudicium Publishing GmbH)[ドイツ]
ユディツィウム出版社は、ドイツ・ミュンヘンを拠点とする人文学・社会科学の専門出版社である。1983年の設立以来40年余にわたり日本研究、東アジア研究、ドイツ文学、独語教育等の分野において、東アジアとドイツ語圏、特に日独間の学術交流を牽引し、幅広く翻訳文学や研究書、辞書、学術誌を多数出版してドイツ語圏における東アジア研究のプラットフォームとして持続的に研究と文化理解をサポートしてきた功績は高く評価される。特に四半世紀をかけて編纂・出版に携わった大著『和独大辞典』や、ドイツ語による数多の日本研究に加え、日本のドイツ研究者の研究書や学術誌、シンポジウム記録などの出版のいずれにおいても質の高い出版物を上梓し続け、国際的な文化学術交流に貢献してきた。
■福武總一郎(公益財団法人 福武財団 名誉理事長)[日本]
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福武總一郎
【授賞理由】
福武總一郎氏は、ベネッセコーポレーションの代表取締役(現在はベネッセグループ名誉顧問)として、1992年の直島のベネッセハウス ミュージアムの開設以降、豊島や犬島を含め、瀬戸内海の離島で数々の美術館開設やアートプロジェクトなどからなる「ベネッセアートサイト直島」を牽引してきた。2010年の「瀬戸内国際芸術祭2010」では、そうした取り組みを7つの離島と高松港周辺に拡張させ、総合プロデューサーとして2025年まで6回の同芸術祭を成功に導いている。その拠点となった直島は世界に類のない「アートの島」として国際的な注目を集め、急速な過疎と高齢化の進む離島地域をアートから活性化させた取り組みは、海外からも高く評価されている。
福武氏の本格的な国際文化交流の活動は、1995年のヴェネチア・ビエンナーレで始まったベネッセ賞に遡る。2016年からはシンガポール・ビエンナーレで開催し、国際的に傑出したアーティストを支援してきた。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」でも2009年から総合プロデューサーを務めており、日本各地で、現代美術を中心とした国内外の数多くのアーティストに作品の創造と地域交流の機会を提供してきた実績は、国際相互理解の増進や国際友好親善の促進に大きく寄与するものである。さらに、人口減少や高齢化などの課題と向き合うアートプロジェクトは、海外の同様の課題を抱える地域からも注目され、最近では台湾などアジア各地から運営ボランティアが参加するなど、国際文化交流の裾野が広がっている。
2004年には、個人資産を拠出して公益財団法人福武財団の前身となる直島福武美術館財団を設立。「文化、芸術によって、活力にあふれた、個性豊かな地域社会の発展に貢献する」という理念を掲げる福武財団は、直島などでの美術館運営やアート活動、文化・芸術による地域振興活動への助成、国際芸術祭の推進などを将来にわたって継続する基盤となっている。
このように福武氏は長年にわたり現代アートや芸術祭を通じた国際相互理解の促進に貢献してきており、その業績は国際交流基金賞にふさわしい。
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ベネッセハウス 空撮
■SANAA(サナア)[日本]
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西沢立衛と妹島和世 (C)SANAA
【授賞理由】
SANAAは、建築家の妹島和世氏と西沢立衛氏の共同主宰により1995年に設立された建築設計事務所である。軽やかさと透明性を軸に、内と外、さらには建築と環境という境界を解体しシームレスに再構成する点に、SANAAの建築思想の真髄がある。身体的な体験と個々の思索の交差を促すそれらの空間は、人々が集う建築の新たなタイポロジーを開拓する試みであり、敷地の文脈とグローバルな文化とを鮮やかに交差させながら、人と空間の多様で開かれた関係性をもたらしてきた。
代表作「金沢21世紀美術館」(2004年)における全方位に開かれた円形構成は、公共文化施設のあり方を一変させた。さらに「ルーヴル美術館ランス別館」(2012年)や「ニュー・ミュージアム」(2007年)、「ROLEXラーニングセンターEPFL」(2009年)など、世界のさまざまな地域で結実したプロジェクトは従来の機能を超えて人々の自由な行動を包み込む空間となり、建築の新たな可能性を示すものとなっている。いずれも国際的な対話と協働が結実した成果にほかならない。
近年手がけた「ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館ナーラ・バドゥ館」(2022年)や、美術と図書をダイナミックに融合させた「Taichung Green Museumbrary」(2025年)においても、敷地が内包する時間を受けとめながら文化の未来を築いていこうとする視点が貫かれ、彼らが探究し続ける「公園」や「広場」のような建築のさらなる深化を示すものとなった。
建築を通して相互尊重に基づく国際文化交流の基盤を創出し、日本と世界との相互理解の増進にも多大な貢献を果たしてきたSANAAの功績は、国境を越えた普遍的意義を有するものとして極めて高く評価される。今後の活躍も大いに期待され、まさに国際交流基金賞にふさわしい存在である。
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金沢21世紀美術館 (C)SANAA
■ユディツィウム出版社(Iudicium Publishing GmbH)[ドイツ]
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『和独大辞典』 (C)Iudicium Verlag
【授賞理由】
ユディツィウム出版社は、ドイツ・ミュンヘンを拠点とする人文学・社会科学の専門出版社である。1983年の設立以来40年余にわたり日本研究、東アジア研究、ドイツ文学、独語教育等の分野において、東アジアとドイツ語圏、特に日独間の学術交流を牽引し、翻訳文学や研究書、辞書、学術誌を数々出版してドイツ語圏における東アジア研究のプラットフォームとして持続的に研究と文化理解をサポートしてきた功績は高く評価される。
研究書では、日独比較文学、歴史、言語、宗教、哲学、芸術に至るまで幅広い分野で質の高いモノグラフや論文集を多数発行しており、その学術的な厳密さと独自性には定評がある。日本語も含む高水準の校正・出版能力への信頼は高く、日本のドイツ研究者の多くが学術出版、学会誌、シンポジウム記録などの公刊により、その恩恵に浴してきた。
日独理解の金字塔として特筆すべきは、約80人の執筆協力者が構想に携わり、1997年に始まり2022年に全3巻が完成した『和独大辞典』の編纂・出版である。本辞典は、一巻が2,500頁を超える大著で、見出し語毎に付された豊富な例文により明治期文学や歴史から現代の若者言葉に至るまでカバーしており、外国語辞典として傑出している。資金調達の困難を乗り越えてこの辞典を編纂から出版まで四半世紀にわたり手厚く支援し続けたユディツィウム出版社の功績は多大である。
更に、在庫がなくなった書籍についてデータで保管して注文があれば提供できる体制を維持し、既刊書のオープンアクセス化も進めるなど、商業ベースにのりにくい学術出版において利用者の便宜を図る姿勢は一貫している。世界的にアナログ出版業界が困難に直面するなかで、小規模な出版社がこれほど学術交流に貢献してきたことは出版界の良心として賞賛に値する。
このようにユディツィウム出版社は、長年にわたり日本とドイツ語圏の学術文化の場面で評価の高い出版物を生み出し続けており、その国際相互理解への貢献は、国際交流基金賞にふさわしい。
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ベルリンジャパン・マーケットでの書籍紹介 (C)Sabine Sommerkamp
■国際交流基金賞とは
国際交流基金賞は国際交流基金設立の翌年である1973(昭和48)年から始まり、2026年度で53回目を迎えます。 本賞では、学術、芸術その他の文化活動を通じて、国際相互理解の増進や国際友好親善の促進に特に顕著な貢献があり、引き続き活動が期待される 個人又は団体を顕彰しています。JF公式ウェブサイト:
https://www.jpf.go.jp/j/about/award/プレスリリース提供:PR TIMES





記事提供:PRTimes