日本製鉄 第35回日本製鉄音楽賞 受賞者について
日本製鉄株式会社
第35回日本製鉄音楽賞の受賞者は、選考委員による選考の結果、以下の通り決定しましたので、お知らせいたします。
《フレッシュアーティスト賞》副賞300 万円
上野 通明 うえの みちあき(チェロ)
【贈賞理由】
ジュネーヴ国際コンクール優勝後、リサイタルやコンチェルト、室内楽など幅広く活躍している。その中でも2024 年5 月に行われた邦人作曲家の無伴奏作品のみのリサイタルは、作品に対する共感に満ち、彼自身の豊かな感性が溢れた名演で、まさに稀有な才能の開花を観た思いであった。更なる世界への活躍を期待したい。
(山崎伸子選考委員)
《特別賞》副賞100 万円
宮澤 敏夫 みやざわ としお(富士山静岡交響楽団専務理事)
【贈賞理由】
これまで様々な楽団の事務局長や専務理事を務めるなど、長年にわたって日本のオーケストラ界の発展に多大な貢献をなすとともに、日本演奏連盟事務局長や伊那文化会館館長などを歴任、さらに木曽音楽祭はじめ地方の音楽祭の運営にも関わるなど、日本の音楽界全体の振興に尽力してきた功績の大きさは測り知れないものがある。
(寺西基之選考委員)
第35 回日本製鉄音楽賞の贈呈は、2025 年2 月26 日(水)に日本製鉄株式会社本社にて行います。また、受賞記念コンサートは、2025 年7 月16 日(水)に紀尾井ホールにて開催いたします。
なお、本音楽賞の選考は2024 年に実施しており、受賞者のプロフィール等は当該時点のものです。
特別賞を受賞された宮澤敏夫様は2025 年1 月にご逝去されました。在りし日のご功績を偲び、謹んで哀悼の意を捧げるとともに、故人のご冥福を心よりお祈り致します。
第35回日本製鉄音楽賞 フレッシュアーティスト賞
上野 通明 うえの みちあき(チェロ)
生年月日:1995 年11 月21 日(29 歳) 出身:パラグアイ
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2021 年ジュネーヴ国際コンクール・チェロ部門で日本人初の優勝を果たし、あわせてYoung Audience Prize、Rose Marie Huguenin Prize、Concert de Jussy Prize と3 つの特別賞も受賞。2024 年にはドイツのボン・ベートーヴェン音楽祭に出演し、ベートーヴェン・リング賞を贈られた。
パラグアイで生まれ、幼少期をスペイン、バルセロナで過ごす。13 歳のとき、第6 回若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクールで全部門を通じて日本人初の優勝。また、第6 回ルーマニア国際コンクール最年少第1 位、ルーマニア大使館賞、ルーマニア・ラジオ文化局賞をあわせて受賞。ほかにも第21 回ヨハネス・ブラームス国際コンクール優勝、第11 回ヴィトルト・ルトスワフスキ国際チェロ・コンクール第2 位。これまでソリストとしてワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団、スイス・ロマンド管弦楽団、ロシア交響楽団、KBS 交響楽団、NHK 交響楽団、読売日本交響楽団など国内外のオーケストラと数多く共演している。また、ミッシャ・マイスキー、マルタ・アルゲリッチ、オーギュスタン・デュメイ、ジャン=ギアン・ケラス、ホセ・ガヤルドらの著名なアーティストと共演して好評を博している。
桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコース全額免除特待生として毛利伯郎に師事し、2015 年秋よりオランダの名チェリスト、ピーター・ウィスペルウェイに招かれて渡独。デュッセルドルフ音楽大学でコンツェルトエグザメン(ドイツ国家演奏家資格)を満場一致の最高得点で取得した後、ベルギーのエリザベート王妃音楽院にてゲーリー・ホフマンに師事。主にヨーロッパとアジアで活発な演奏活動を行っている。
2022 年La Dolce Volta より『J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)』をリリースし、レコード芸術誌の特選盤に選出された。
岩谷時子音楽文化振興財団より第1 回Foundation for Youth 賞、第6 回岩谷時子賞奨励賞、青山音楽賞新人賞、第31 回出光音楽賞、第24 回ホテルオークラ音楽賞、第21 回齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞。令和3年度文化庁長官表彰を受彰。使用楽器は1758 年製P.A.Testore(宗次コレクション)、弓はF.Tourte(住野泰士コレクション)をそれぞれ貸与されている。
第35回日本製鉄音楽賞 特別賞
宮澤 敏夫 みやざわ としお(富士山静岡交響楽団専務理事)
生年月日:1943 年10 月7 日(81 歳) 出身:台湾省台北市
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武蔵野音楽大学で檜山薫氏に師事。1965 年同大学卒業後すぐに大阪フィルハーモニー交響楽団にコントラバス奏者として入団。73 年ウイーン国立音楽大学に留学。78 年文化庁芸術家海外派遣研修員として再度ウイーン国立音楽大学に留学し、シュトライヒャー教授(ウイーン・フィルハーモニー首席コントラバス奏者)に師事。78 年帰国し、翌79 年に大阪フィル首席コントラバス奏者に就任。その他にも国内一流演奏家との室内楽コンサートをはじめ、岩崎洸「東京チェンバーソロイスツ」のメンバーとして、またクリーヴランド弦楽四重奏団との全国縦断コンサート、NHKFM「午後のリサイタル」出演など活躍を広げた。
また70 年からは和歌山市で「和歌山音楽振興会」を主宰し、地域の文化啓発運動を始め、以後40 年間大いに地域貢献する。
1986 年財政的に傾いたオーケストラを再建するために大阪フィルハーモニー交響楽団の事務局長に就任。オーケストラの再建に尽力する傍ら関西の文化の発展向上に尽力する。また南海天下茶屋駅に日本の民間オーケストラとして初めて自前の練習場を建てる。
1992 年大阪フィルを退団し上京、(社)日本演奏連盟に入社。翌年事務局長就任。この時、「芸術家会議」の事務局長も務め、日本の文化庁予算獲得のために国や文化庁に毎年陳情や国会議員との折衝に奔走する。98 年退社し企画会社「ゾロカンパニー」設立。倉敷音楽祭、大垣音楽祭、日光金谷ホテル音楽祭などのプロデューサー他、木曽音楽祭、新潟県小出郷文化会館などに関わり、地方文化の啓発発展に寄与、またローム ミュージック ファンデーションをスポンサーとして若手演奏家の育成(小澤征爾指揮セミナー他)などを目的とした講習会を毎年開催するなど、音楽プロデューサーとして活躍。文化庁外郭団体(財)全国公立文化施設協会の「芸術情報プラザ」設立時の音楽アドバイザーも務めた。
2002 年(財)札幌交響楽団が「解散の危機」に見舞われた際、大阪フィルを再建した実績を見込まれ、04 年8 月に同響事務局長に迎えられる。05 年韓国公演、11 年には楽団創立50 周年事業としてイギリス、ドイツ、イタリア公演を大成功させ帰国。15 年3 月に台湾公演を行い世界に肩を並べるオーケストラとして内外にアピール。北海道には179 市町村があり、このすべての市町村での公演をなしとげ、地域に密着するオーケストラとして文化庁から評価され、札響は「北海道の宝」と称されるまでになった。またオーケストラでは初めて公益財団法人認定を受けたている。在任中は(公社)日本オーケストラ連盟専務理事としても日本のオーケストラの指導的役割を果たす。2014 年3 月で事務局長を退任し顧問となり、15 年3 月台湾公演を成功させ、札響の再建を立派に果たし同月末で退任。2014 年6 月からは伊那文化会館館長に就任。伊那文化会館が目指す地域の啓発として、地元の子供たちの育成と地域社会への進出を掲げて、数多くのアウトリーチコンサートを企画実践することで、文化の地域格差をなくす運動に力を注いだ。その他、日光金谷ホテル音楽祭プロデューサー、北海道教育大学岩見沢校非常勤講師、民主音楽協会「東京国際指揮者コンクール」実行委員、(公財)ローム ミュージック ファンデーションの企画によるセミナーの運営責任者なども務めた。
2017 年静岡交響楽団専務理事に就任。20 年同響が浜松フィルハーモニー管弦楽団と合体し、富士山静岡交響楽団と改組、それまでのNPO から21 年一般、22 年公益財団法人化への立役者となった。現在同響専務理事を務める。
日本製鉄音楽賞 Nippon Steel Music Awards
日本製鉄音楽賞(旧称・新日鉄音楽賞、2012(平成24)年10 月より新日鉄住金音楽賞、2019 年4 月1 日より現行に改称)は、1990(平成2)年に旧新日鉄創立20 周年と、同社が提供してきた「新日鉄コンサート」放送35 周年を記念して設けられた音楽賞です。この賞を通して、日本の音楽文化の発展と、将来を期待される音楽家の方々の一層の活躍を支援することを目的としています。
【賞の概要】
フレッシュアーティスト賞[賞状/副賞300 万円]
将来を期待される優れたアーティストを対象とした賞。
選考方針としては、技術のみにかたよらず、音楽性、将来性を重視し、広い範囲から選
出。その年の最優秀者を決定し、賞を贈る。
特別賞[賞状/副賞100 万円]
クラシック音楽をベースにした活動を行っている個人を対象とした賞。
幅広いジャンルのなかから、演奏会を支えるなど音楽文化の発展に大きな貢献を果たし
た方に対して、賞を贈る。
【選考委員】
寺西基之 (音楽評論家)
上田弘子 (音楽評論家)
山野雄大 (音楽評論家)
江口 玲 (ピアニスト・東京藝術大学教授)
山崎伸子 (チェリスト・桐朋学園大学特任教授・東京藝術大学名誉教授)
主催 :日本製鉄株式会社
〒100-8071 東京都千代田区丸の内二丁目6 番1 号
運営事務局:公益財団法人 日本製鉄文化財団
〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町6 番5 号
電話 03-5276-4500(代表) FAX 03-5276-4527
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