ビジネス – とれまがニュース

経済や政治がわかる新聞社や通信社の時事ニュースなど配信

とれまが – 個人ブログがポータルサイトに!みんなでつくるポータルサイト。経済や政治がわかる新聞社や通信社の時事ニュースなど配信
RSS
経済総合 市況 自動車 ビジネス 中国
とれまが >  ニュース  > 経済ニュース  > ビジネス

トランプ大統領の関税政策 米国とその他地域に与える潜在的な影響

シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社

トランプ大統領の関税政策 
米国とその他地域にutf-8

トランプ大統領は関税を通じて積極的に脅しをかけており、金融市場に動揺を与えています。シュローダーのエコノミストがその影響について考察いたします。



[画像1]https://digitalpr.jp/simg/2027/103722/550_96_2025020709572967a55a79d9c9a.jpg


トランプ大統領が2月4日(火)からメキシコとカナダ、中国からの輸入品に対して追加関税を課す大統領令に署名したことを受けて、2月3日(月)、株式市場は下落し、米ドル高が進行しました。その後、メキシコとカナダへの関税の発動を1カ月延期することが発表されたことで、一定の安堵感につながりました。中国は、対抗措置として2月10日(月)から様々な米国製品に対して10-15%の追加関税を適用すると発表したほか、グーグルを独占禁止法違反の疑いで調査すると発表しました。

関税引き上げは単なる交渉の術なのか?

米国政府は、関税引き上げは不法移民や合成麻薬流入に対する措置であると主張しています。追加関税発動を延期する代わりに、メキシコとカナダが国境警備を強化することに合意しており、これまでのところ米国のこの作戦は効果的なように映ります。

1月に米国政府が不法移民を軍用機で強制送還しようとし、これをコロンビア政府が拒否した際に、同様のシナリオが展開されました。米国政府が貿易関税で圧力をかけた結果、コロンビア政府は関税引き上げを回避する代わりに、軍用機の入国を許可しました。

しかし、メキシコとカナダへの関税引き上げは延期されただけであり、撤回されたわけではありません。トランプ大統領は、ソーシャルメディア等を使って関税政策について説明し、株価下落や米国消費者物価の上昇など、関税による潜在的な経済へのマイナスの影響を受け入れるように見受けられます。このような観点から、投資家は関税が単なる交渉の術であると考えるべきではないでしょう。

関税案はどの程度の範囲に及ぶのか?

2月1日と2日にかけて、トランプ大統領はメキシコとカナダからの全ての輸入品に25%の関税(カナダからのエネルギー製品は例外で10%)、中国からの輸入品にも10%の追加関税を適用する大統領令に署名しました。

トランプ第一次政権時、中国との貿易戦争がインフレに与える影響は限定的でした。「関税の影響を受ける11項目*」の価格は2.5%上昇したものの、米国コア消費者物価指数上昇率に対する寄与度は約0.1%程度でした。

しかし、カナダとメキシコからの輸入品に対して、当初発表通りの関税引き上げが実施され場合、より大きなインフレ圧力になると考えます。米国の輸入総額のうち、中国からの輸入は約13%ですが、メキシコとカナダからの輸入は合計で約28%を占めています(2024年)。

*「関税の影響を受ける11項目」はシュローダー・エコノミクス・グループによる定義。洗濯用品、その他の家電製品、家具・寝具、床材、自動車部品・用品、スポーツ車両(自転車を含む)、家事用品、裁縫用品、家庭装飾品、アウトドア用品、食器・食器類。

関税引き上げが米国経済に与える影響は?

メキシコとカナダへの関税は1カ月間延期されていますが、関税が発動された場合、米国ではインフレ率の上昇と経済成長率の低下を招くと考えられます。

最新のマクロ経済見通しにおいて、「トランプ氏の積極的な政策実施」と称したリスクシナリオを想定しています。このリスクシナリオでは、これまで発表されているよりも広い範囲での関税、大規模な不法移民の強制送還が実施されることを想定しています。

関連記事:もしもトランプ氏がハッタリを言っていないとしたら? - シュローダー
( https://www.schroders.com/ja-jp/jp/intermediary/insights/what-if-trump-isn-t-bluffing-/
)

当リスクシナリオ下では、米国経済は「スタグフレーション(高インフレ、低経済成長)」方向に傾斜する一方、世界経済全体は「デフレーション(低インフレ、低経済成長)」方向に傾斜すると想定しています。

足元、トランプ第一次政権時よりも米国経済は好況であることには留意が必要です。需要が相対的に強く、企業は価格上昇を消費者に転嫁しやすい状況にあります。米ドル高と企業のコスト増加(利益率は低下)により関税によるインフレの影響は一部緩和される可能性はありますが、第一次政権時ほどではないと考えます。




[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2027/103722/550_422_2025020710010667a55b52d99f9.jpg


2月3日(月)、関税引き上げの発表を受けて米ドル高が進行しました。米国金融当局による年内の追加利下げ期待は後退する一方、その他の国・地域(ユーロ圏、英国等)の中央銀行による金融緩和は進展する可能性が高まっています。しかし、米ドルは、金利差と為替動向に関する過去の傾向から逸脱するほど上昇しており(図1)、これは関税と財政政策を巡る不確実性を考慮した、米ドルに対する「トランプ・プレミアム」を反映しているのかもしれません。

関税を回避することはできるのか?

トランプ第一次政権時、主な関税対象となったのは中国でした。中国は、メキシコなどを経由した三国間貿易を活用したことで、関税による影響を回避することができました。

しかし、メキシコやカナダは陸路で米国に輸出しており、商品のルートを変更することは遥かに困難であることは明らかでしょう。もし関税引き上げが発動された場合、第一次政権時の対中関税引き上げと比べて、はるかに大きな影響が想定されます。

中国とEUにとって何を意味するのか?

トランプ大統領は今後数日以内に習近平国家主席と協議を実施する予定であり、妥協案が成立する可能性があります。もし妥協案に至らなかった場合、前回の貿易戦争で実施したように、関税の影響を相殺するために中国政府は自国通貨を切り下げる可能性があります。ただし、中国当局は、既に弱まっている中国消費者心理が自国通貨安によりさらに悪化するリスクを留意することが考えられるほか、経済成長を支援するために大規模な財政刺激策を講じる可能性もあります。

トランプ大統領は以前、EUからの輸入品に対する関税を引き上げる意向を示していますが、未だ発表には至っておりません。米国による対中関税を踏まえ中国企業がEUへの輸出を増やすことも考えられ、これは欧州企業にとってマイナスの影響となるでしょう。

関税引き上げの対象がEUにも及んだ場合、EUは関税が発動する前に米国政府と交渉したいとの思惑があるでしょう。そして、欧州は米国から武器やLNG(液化天然ガス)の輸入を増加する可能性があります。EUは貿易黒字(輸入額よりも輸出額が多い状態)の状態にあります。関税引き上げにより米国からの需要が減退することがあれば、その他地域への輸出により、米国需要を代替するのは困難であると考えます。

【本資料に関するご留意事項】


本資料は、情報提供を目的として、シュローダー・インベストメント・マネージメント・リミテッド(以下、「作成者」といいます。)が作成した資料を、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社(以下「弊社」といいます。)が和訳および編集したものであり、いかなる有価証券の売買の申し込み、その他勧誘を目的とするものではありません。英語原文と本資料の内容に相違がある場合には、原文が優先します。
本資料に示されている運用実績、データ等は過去のものであり、将来の投資成果等を示唆あるいは保証するものではありません。投資資産および投資によりもたらされる収益の価値は上方にも下方にも変動し、投資元本を毀損する場合があります。また外貨建て資産の場合は、為替レートの変動により投資価値が変動します。
本資料は、作成時点において弊社が信頼できると判断した情報に基づいて作成されておりますが、弊社はその内容の正確性あるいは完全性について、これを保証するものではありません。
本資料中に記載されたシュローダーの見解は、策定時点で知りうる範囲内の妥当な前提に基づく所見や展望を示すものであり、将来の動向や予測の実現を保証するものではありません。市場環境やその他の状況等によって将来予告なく変更する場合があります。
本資料中に個別銘柄についての言及がある場合は例示を目的とするものであり、当該個別銘柄等の購入、売却などいかなる投資推奨を目的とするものではありません。また当該銘柄の株価の上昇または下落等を示唆するものでもありません。
本資料に記載された予測値は、様々な仮定を元にした統計モデルにより導出された結果です。予測値は将来の経済や市場の要因に関する高い不確実性により変動し、将来の投資成果に影響を与える可能性があります。これらの予測値は、本資料使用時点における情報提供を目的とするものです。今後、経済や市場の状況が変化するのに伴い、予測値の前提となっている仮定が変わり、その結果予測値が大きく変動する場合があります。シュローダーは予測値、前提となる仮定、経済および市場状況の変化、予測モデルその他に関する変更や更新について情報提供を行う義務を有しません。
本資料中に含まれる第三者機関提供のデータは、データ提供者の同意なく再製、抽出、あるいは使用することが禁じられている場合があります。第三者機関提供データはいかなる保証も提供いたしません。第三者提供データに関して、本資料の作成者あるいは提供者はいかなる責任を負うものではありません。
シュローダー/Schroders とは、シュローダー plcおよびシュローダー・グループに属する同社の子会社および関連会社等を意味します。
本資料を弊社の許諾なく複製、転用、配布することを禁じます。



関連リンク
シュローダーの視点
https://www.schroders.com/ja-jp/jp/asset-management/insights/
もしもトランプ氏がハッタリを言っていないとしたら? - シュローダー
https://www.schroders.com/ja-jp/jp/intermediary/insights/what-if-trump-isn-t-bluffing-/

トランプ大統領の関税政策 
米国とその他地域にutf-8

記事提供:Digital PR Platform

記事引用:アメーバ?  ブックマーク: Google Bookmarks  Yahoo!ブックマークに登録  livedoor clip  Hatena ブックマーク  Buzzurl ブックマーク

ニュース画像

一覧

関連ニュース

とれまがファイナンス新着記事

とれまがマネー

とれまがマネー

IR動画

一覧

とれまがニュースは、時事通信社、カブ知恵、Digital PR Platform、BUSINESS WIRE、エコノミックニュース、News2u、@Press、ABNNewswire、済龍、DreamNews、NEWS ON、PR TIMES、LEAFHIDEから情報提供を受けています。当サイトに掲載されている情報は必ずしも完全なものではなく、正確性・安全性を保証するものではありません。当社は、当サイトにて配信される情報を用いて行う判断の一切について責任を負うものではありません。

とれまがニュースは以下の配信元にご支援頂いております。

時事通信社 IR Times カブ知恵 Digital PR Platform Business Wire エコノミックニュース News2u

@Press ABN Newswire 済龍 DreamNews NEWS ON PR TIMES LEAF HIDE

Copyright (C) 2006-2025 sitescope co.,ltd. All Rights Reserved.