シュローダー マクロ経済見通し(2025年1-3月期)
シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社

基本シナリオ
【米国】
米国が世界経済を牽引するとの見方を維持しています。個人消費は堅調であるほか、労働市場は依然として健全であり、実質賃金の上昇は需要を下支えするとみています。米国は2025年に2.5%、2026年に2.7%の経済成長を達成すると予想します。良好な経済環境下、インフレ率が上昇する可能性が高いとみています。実際に、1月の米国インフレ率は加速し、コア消費者物価指数(CPI)の前年比伸び率は2025年から2026年にかけて、3%前後で推移するとみています。米連邦準備制度理事会(FRB)はトランプ新政権の政策の影響を見極めるため、今後数カ月間は利下げを停止する可能性が高く、また、2026年には再び利上げを開始するとみています。
【ユーロ圏】
ユーロ圏経済は、政治的不確実性が緩和し、金融緩和の効果が波及するにつれ、改善に向かうとみています。しかし、インフレは依然として懸念材料であり、市場予想より根強い賃金上昇率が観測されていることから、インフレは高止まりする可能性があります。その結果、政策金利は市場予想対比で高い水準で推移する可能性があり、欧州中央銀行(ECB)の追加利下げは2度の25bps利下げ(計50bps)となり、2025年末のユーロ圏中銀預金金利は2.25%になると見込んでいます。
【英国】
英国経済については、供給サイドの制約が経済成長の余地を狭めており、スタグフレーションに似通った兆候を見せています。インフレ率は2025年後半に3%を上回り、2025年から2026年を通じて、物価目標の2%を上回る水準で推移すると予想しており、イングランド銀行(BOE)による利下げ幅は限定的であるとみています。実際に、ベイリーBOE総裁は、金融政策委員会(MPC)は慎重に金融政策を進める必要があるとの見解を示唆しています。BOEによる金融緩和の進展は、5月に25bps利下げを実施、政策金利を4.25%へ引き下げるにとどまると予想しましす。
【エマージング諸国】
中国については、短期的には引き続き悲観的な見方を維持しています。中国経済は、昨年末にかけて若干の改善を見せたものの、先行指標は2025年上半期に軟化することを示唆しています。また、貿易政策に対する不透明感や景気刺激策が不十分であることも足枷となっています。景気刺激策が打ち出される可能性はあるものの、明確に表明されるのは2025年後半になるとみています。
その他のエマージング諸国については、インフレ減速と金利低下を背景にインドに対してポジティブな見通しとしており、2025年半ばから経済成長が加速すると予想しています。対照的に、ブラジルでは積極的な利上げが実施され、インフレ率の上昇も影響し、経済成長が鈍化するとみています。
今後想定される他のシナリオ
基本シナリオ以外で最も可能性の高いリスクシナリオとして、「Make America Great Again(アメリカ合衆国を再び偉大な国に)」に則り政策が実施される「トランプ氏の積極的な政策実施」を想定しています。当リスクシナリオでは、サプライチェーンの混乱と移民規制の強化に起因する労働市場の逼迫により、米国経済にはスタグフレーション圧力がかかる一方、米国以外の経済環境については、関税の影響で成長減速、コモディティ価格下落を通じてインフレ率低下につながり、デフレーション方向に傾斜することを見込んでいます。その他のリスクシナリオとしては、デフレーションシナリオの「2025年の米国景気後退」や「グローバルの財政悪化」、リフレーションシナリオの「グローバル・クレジット・サイクル」、生産性向上シナリオの「供給サイド・ブーム」を想定しています。
世界の実質GDP成長率見通し
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シュローダー・エコノミクス・チームによる見通し(基本シナリオ)
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シュローダの視点
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