2024年12月01日
自動車部品大手のDENSOと富士電機は、申請していた両社共同のSiC(炭化ケイ素)パワー半導体の供給確保計画(事業総額2116億円)が経済産業省に認定されたと発表。最大で705億円の助成を受ける。
経済産業省は「経済安全保障推進法」に基づき、半導体と先端電子部品の安定供給確保に関する計画を8件認定した。今回発表のDENSOと富士電機のSiC半導体の投資計画もそのひとつで昨年度の補正予算から拠出する。
今回の計画における生産拠点はDENSO大安製作所(三重県いなべ市)、幸田製作所(愛知県幸田町)、富士電機松本工場(長野県松本市)。自動車の電動化などでSiCパワー半導体の需要が高まるなか生産能力強化を図り、協働で供給力を強化する計画だ。車載分野での両社の製品開発力と生産技術力を生かし、国内でのSiCパワー半導体の供給能力を拡大する。
デンソーは、ウエハーや素子、モジュールからインバーターに至るまで幅広いSiC技術を持っている。富士電機はパワー半導体素子の開発から量産まで一貫した体制を備える。
パワー半導体は電力を効率良く供給するための重要部品だ。脱炭素社会の実現に向けて自動車の電動化が進むなか、電動車に必要不可欠なパワー半導体の需要が急速に高まっている。SiCパワー半導体は、従来のSi(シリコン)よりも、高温、高周波、高電圧環境下での性能に優れ、BEV(バッテリー電気自動車)やPHEV向けシステムをはじめとしたパワーエレクトロニクス機器の電力損失低減、小型軽量化に大きく貢献するため、今後の需要拡大が期待されるカテゴリーだ。
両社は、この連携を通して、国内の半導体安定供給体制の構築に貢献し、半導体業界および自動車業界の国際的な競争力向上を図るとともに、脱炭素社会の実現を目指す。(編集担当:吉田恒)
記事提供:EconomicNews
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