2026年04月06日
今回のニュースのポイント
企業の備蓄食料保有は「標準装備」に:回答企業の85.7%が本社等で備蓄食料を保有しており、さらにその約9割は支社や支所等でも備蓄を行うなど、企業防災は広く浸透しています。
入替え時の有効活用意向は極めて高い:過去3年に入替えを行った企業の68.5%(7割弱)が「廃棄なし」と回答。次回の入替え時も回答企業の96.1%が全量または一部の有効活用を検討しています。
「物流・コスト・手間」が活用の壁:有効活用の課題として「寄附先への配送費負担(43.6%)」や「各種調整の手間(41.0%)」が挙げられ、制度と運用のギャップが浮き彫りとなりました。
企業の災害備蓄食料は帰宅困難者対策や事業継続計画(BCP)の策定進展により、今や「持っていて当たり前」の標準装備となっています。消費者庁の最新調査によるとアンケート回答企業の85.7%が本社等で長期保存可能な備蓄食料を保有しており、その約9割は支社や支所等でも備蓄を行うなど、全国的な広がりを見せています。規模や業種を問わず従業員を守るためのインフラとして食料備蓄が定着していると言えます。
一方で備蓄食料に不可欠な「賞味期限」に伴う入替え時の対応にはまだ課題が残っています。今回の調査で過去3年間の状況を尋ねたところ、入替え時に「廃棄は生じていない」と答えた企業は68.5%に達し、多くの企業が従業員への配布やフードバンクへの寄附などで対応していました。しかし報告書は「調査に回答した企業は活用に前向きな層である可能性が高い」と注記しており、依然として全体的な廃棄量の実態把握は不透明な部分が多いことも示唆されています。
構造的な問題として備蓄食料の管理体制が挙げられます。本社等で備蓄する78社のうち調達を担う部署は「総務/業務管理部門」が82.1%と最多で、防災を戦略として捉える以前に「オフィス備品の管理」の延長として扱われているケースが多いことがうかがえます。また選定基準も「賞味期限の長さ(97.4%)」が圧倒的であり、期限を基準にまとめて入替える運用になりやすいため、短期間に大量の余剰食料が発生しやすい構造があります。
こうした余剰食料の活用は食品ロス削減と生活困窮者支援の強力な接点となります。国の災害時用備蓄食料については2021年(令和3年)の関係府省庁申合せで「入替えにより不用となった分は原則フードバンク等へ提供する」とされていますが、民間企業においては「寄附先への配送費負担(43.6%)」や「調整の難しさ(41.0%)」といった実務上のハードルが活用のブレーキとなっています。企業側からは自治体による回収体制の整備や受入条件の緩和、寄附情報の可視化を求める声が多く上がっています。
今後の焦点は2025年(令和7年)3月に閣議決定された「第2次食品ロス削減基本方針」に基づき、事業者の備蓄食料の有効活用をいかにシステム化できるかです。防災を単なる「備品管理」に留めず社会貢献や環境戦略の一部として捉え直す企業の意識転換と、それを支える公的なマッチング・物流支援の構築。この「制度と運用の橋渡し」こそが、企業備蓄を廃棄から活用へと変えるカギとなります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)
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記事提供:EconomicNews
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