2026年04月30日
今回のニュースのポイント
2026年5月の飲食料品値上げは70品目にとどまり、4カ月ぶりに100品目を下回りました。平均値上げ率は月平均13%前後と、前年通年(15%)と同程度の水準を維持しています。しかし、中東情勢悪化に伴うナフサの供給不安から、包装資材コストが2023年以降で最高ペースの上昇を記録しました。こうした複合的なコスト上昇により、早ければ今夏以降にも再び広範囲な値上げラッシュが再燃する可能性が指摘されています。
本文
食品の値上げは一時的に落ち着きを見せていますが、これは決して収束を意味するものではありません。足元の動きは値上げの「減速」ではなく、むしろ「次の波に向けた助走期間」と位置づけられる可能性があります。
帝国データバンクが4月30日に発表した調査によると、2026年5月の飲食料品値上げは合計70品目となりました。単月で100品目を下回るのは今年1月以来4カ月ぶりのことで、品目数自体は昨年のピーク時に比べれば大幅に減少しています。2026年通年の累計見通し(9月実施分までを含む)では6,290品目となっており、前年同時期の約6割減のペースで推移していますが、表面的には値上げの動きが鈍化しているように見えます。
しかし、値上げの「中身」を詳しく見ると、家計にとって厳しい状況が継続していることがうかがえます。1回あたりの平均値上げ率は月平均で13%前後と、前年通年(15%)と同程度の高水準を維持しており、特に5月はチョコレート菓子を中心とした「菓子」分野が38品目と全体の半数以上を占めています。
今回の調査で示された特徴の一つは、値上げの要因が変質している点です。従来は原材料価格や円安が主因でしたが、現在はこれらに「包装資材」「物流」「エネルギー」が重なる「複合型のコスト上昇」へと移行しています。特に「包装・資材」を理由とした値上げは69.9%に達し、2023年以降で最高ペースの水準で推移しています。
この背景にあるのが、緊迫化する中東情勢とそれに伴う「ナフサの供給不安」です。石油由来の樹脂素材であるナフサの価格高騰は、食品包装フィルムやプラスチック容器、ラベルインクなどの資材コストに直結します。すでに包材メーカーからは猶予期間なしの大幅な値上げ要請が相次いでおり、一部では業務用食品の供給制限や生産調整を迫られる例も出始めています。
食品企業の「持久力」も限界に近づいています。アンケート調査では、コスト高に対して「現行価格で持ちこたえられても、あと半年程度まで」と見る企業が半数前後に上るといった結果も出ています。原材料高の影響がほぼ全ての品目に及んでいる現状に加え、今後は上昇が見込まれる電気・ガス代といったエネルギーコストの負担も顕在化します。
この構造下では、包装を伴うほぼ全てのカテゴリーで広範囲なコスト転嫁が避けられない情勢です。調査では、早ければ今夏、遅くとも秋にかけて値上げラッシュが再燃する可能性が高いと警鐘を鳴らしています 。今後の焦点は、中東情勢の行方や原油価格の動向が、どのタイミングで消費者の財布を直撃する価格転嫁へと結びつくかに移っていきます。 (編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)
記事提供:EconomicNews
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