2026年05月10日
今回のニュースのポイント
東京電力HDの2026年3月期決算は、親会社株主に帰属する当期純損益が4,542億円の赤字となりました。燃料費調整制度の改善などで営業利益は3,376億円と増益となり、収益力は改善傾向にあります。一方で、燃料デブリ取り出し準備費用の見積り変更等に伴う災害特別損失9,138億円の計上が最終赤字の主因です。来期予想は燃料価格の不透明感から未定とし、無配を継続します。
本文
東京電力ホールディングスが発表した2026年3月期決算は、電力事業としての採算は好転している一方で、福島第一原発の事故対応コストが経営に極めて重い負担を与え続けている構造が改めて示されました。
当期の売上高は、販売電力量の減少などにより6兆3,285億円(前年比7.1%減)となりました。しかし、燃料費等調整制度の期ずれ影響の好転や継続的な収支改善努力が寄与し、経常利益は4,173億円(同64.0%増)と大幅な増益を達成しました。JERAなどの持分法適用会社による投資利益も1,383億円(前年1,002億円)へ増加しており、収益力は改善傾向にあります。
しかし、これら本業段階の黒字を打ち消したのが、福島第一原発に関連する巨大な特別損失です。当期、原子力損害賠償・廃炉等支援機構の小委員会における議論を踏まえ、燃料デブリ取り出し準備に係る作業費用の見積りを変更しました。災害特別損失の総額は9,138億円に達しており、その大部分を占める9,030億円がこの見積り変更分です。この巨額計上の結果、親会社株主に帰属する当期純損益は4,542億円の赤字となりました。
財務面では、多額の赤字計上により自己資本比率が21.8%と前年末から3.3ポイント低下しました。有利子負債残高は2026年3月末時点で6兆6,337億円に達し、総資産の43%を占めています。金利上昇局面では財務負担が一段と重くなるリスクを抱えた状態が続いています。
今後の焦点は、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働による火力燃料費の圧縮と、GXやデジタル化の進展に伴う電力需要構造の変化への対応です。同社は2027年3月期の業績予想について、中東情勢などの影響で燃料価格等の見通しが不透明であるとして、売上高から最終損益まで「未定」としています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)
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記事提供:EconomicNews
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