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三井物産決算、資源依存から転換加速 AI・インフラ投資拡大へ

2026年05月10日

今回のニュースのポイント

三井物産の2026年3月期決算は、純利益8,340億円と減益ながら高水準を維持しました。資源市況の一服に対し、AI向けデータセンター投資の拡大を見据えた鉄鉱石や発電、蓄電池等のインフラ投資を1兆円超の規模へ一気に拡大。新中期経営計画では累進配当の継続と、基礎営業キャッシュ・フローの50%を目安とした強力な還元方針を打ち出しました。

本文

 三井物産が発表した2026年3月期決算(IFRS)は、世界的なAI向けデータセンター投資の拡大による電力・資源需要の増加を踏まえ、「エネルギー・インフラ資産運営企業」への転換を加速していることを示す内容となりました。

 当期の親会社の所有者に帰属する当期利益は8,340億円となりました。原油や原料炭、鉄鉱石の市況一服が主因となり減益となりましたが、年度末に中東情勢の悪化に伴うエネルギー供給不安が生じるなかでも、基礎的な収益力自体は底堅さを維持しています。

 注目されるのは、将来の需要増に向けた投資の質と量です。当期の投資活動によるキャッシュ・フローは1兆335億円の支出(前期は1,620億円の収入)と一気に拡大しました。その内訳は、長期的な需要が見込まれる鉄鉱石事業(Rhodes Ridge)への8,571億円もの投資を筆頭に、モザンビークLNGへの増資や中東発電事業、さらには米国の蓄電池リース資産、低炭素アンモニアなど、世界的なAI関連投資やデジタル化で高まる電力・エネルギー需要を多角的なポートフォリオで捉えにいく投資構成となっています。

 基礎営業キャッシュ・フローの大宗は依然として金属資源やエネルギーが稼ぎ出す一方で、そのキャッシュを多様なインフラ資産に再投資することで、資産構成の見直しを進めています。また、米国不動産やIHI株式などの売却を進める一方で、欧州の液体ターミナル事業(ITC Antwerp)を子会社化するなど、アセットの組み替えも機動的です。

 同社は2027年3月期について、純利益9,200億円への増益を予想しています。AIブームの裏側で拡大する電力・資源・物流需要を、保有する膨大な資産を通じて利益へ結び付けられるかが今後の焦点となります。年間配当も前期の115円から140円への大幅増配を計画しており、株主還元を強化する方針を示しました。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)

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