2026年07月18日
今回のニュースのポイント
住友林業と産業用ドローンメーカーのマゼックスは、林業向け運搬ドローンの普及を加速すると発表しました。人手不足や高齢化が進む林業現場で、苗木や資材の運搬をドローンに置き換え、作業負担の軽減や安全性の向上を目指します。
本文
日本の林業は現在、戦後に造成された人工林の多くが伐採期を迎えている一方で、深刻な担い手不足や就業者の高齢化、山間地特有の急傾斜地における作業負荷といった構造的な課題に直面しています。林野庁が発行する「令和7年度森林・林業白書」のデータによると、林業従事者の高齢化率は25%に達しており、さらに労働災害発生率は全産業平均の約10倍となっています。特に苗木や各種資材を植栽・保育現場まで人力で運ぶ作業は肉体的な負担が大きく、林道から離れた場所や車両が進入できない急傾斜地などの危険箇所を作業者が何度も往復せざるを得ない現状があり、転倒や滑落といった労災リスクの低減が急務となっています。
こうした林業現場に導入されるドローンについて、一般的な「伐採した巨大な木材を空輸する」というイメージとは異なり、主たる用途は森林の再生や維持に必要な「苗木や保育用資材」の山中への運搬です。具体的には、再造林の第一歩となる苗木のほか、シカなどの野生動物から若い木を守るための獣害防護ネットやツリーシェルター、現場で働く作業者のための飲料水や食料品といった物資が運搬の対象となります。これら重量のある資材の搬送をドローンへと置き換えることで、人力による往復作業の負担軽減や、作業時間の短縮につながり、実際の植栽や保育作業自体に人員を集中させることが可能となり、再造林作業の効率化が期待されています。
住友林業とマゼックスが普及を加速させる新型の運搬用ドローン「軽助」シリーズは、厳しい山間地での実証実験を経て現場での使いやすさと導入のしやすさを追求して開発された機体です。ラインアップとしては、最大積載重量25キログラムの「軽助25」と、より大型の資材に対応する最大積載重量55キログラムの「軽助55」の2モデルがあり、いずれも最大飛行距離は1,000メートルに達します。特に「軽助25」は、従来機に比べて機体面積を約64%小型化して現場での取り回しを容易にしたほか、2ペア計4本のバッテリーを交互に使用・充電する設計を採用したことで、少ないバッテリー本数でも作業リズムを崩さずに連続飛行できる運用性を実現しています。価格面でも従来モデルより価格を抑えています。
この取り組みでは、住友林業が現場の知見や利用者の意見をマゼックスにフィードバックし、製品改良につなげることで、林業現場での実用性向上を図るとしています。また、両社は林業分野のデジタル化や生産性向上を後押しし、持続可能な森林経営への貢献を目指すとしています。住友林業が持つ広範なネットワークを通じた製品紹介と、マゼックスによる丁寧な導入・運用支援が一体となることで、これまで遅れがちだった林業分野におけるデジタルトランスフォーメーションやスマート化の推進を図るとしています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)
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記事提供:EconomicNews
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