2026年08月22日
今回のニュースのポイント
訪日外国人から高い人気を集める関西で、既存の観光施設で体験価値を高める動きがみられます。「Japan Travel by NAVITIME」の2025年検索ランキングでは、USJ、奈良公園、伏見稲荷大社、大阪城天守閣、清水寺が総合上位5位を占めました。大阪の梅田スカイビルでは展望台へ向かう移動空間を演出するリニューアルを実施。神戸の白鶴酒造資料館も20年ぶりにショップを全面改装し、展示から試飲、買い物までを一体的な体験としてつなげています。国内旅行でも消費額や旅行単価が伸びるなか、観光地では来訪者数だけでなく、滞在中の体験価値をどう高めるかが重要になっています。
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訪日外国人向けナビゲーションアプリ「Japan Travel by NAVITIME」で検索された観光スポットのデータをまとめた「2025年 訪日外国人観光客 目的地検索ランキング」によると、1位のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)をはじめ、2位に奈良公園、3位に伏見稲荷大社、4位に大阪城天守閣、5位に清水寺が入り、上位5カ所を関西エリアのスポットが占めました。テーマパークなどの大型娯楽施設から歴史ある寺社、文化施設まで、幅広い観光資源が上位に入っています。訪日客から高い人気を集める関西では、観光施設側でも「見る」にとどまらず、訪問そのものの体験価値や滞在の満足度を高める取り組みがみられます。
具体的な動きとして、既存施設の魅力を体験型へと磨き直す事例がみられます。大阪の梅田スカイビルでは、空中庭園展望台へと続くエレベーターホールやシースルーエスカレーターの演出をリニューアルしました。光ファイバーによる星空表現やLEDを用いた光の演出などを導入し、目的の展望台に到着するまでの移動時間そのものを特別な体験として提供しています。
また、神戸の白鶴酒造資料館では、8月19日に館内ショップを20年ぶりに全面改装しました。大正初期に建造された酒蔵を活用し、等身大の人形や実際の道具で昔ながらの日本酒造りを伝える同館には、昨年国内外から約13万人が訪れています。今回の改装は、「HAKUTRUSU SENSE」というテーマのもと、展示エリアでの見学から試飲、商品選びやお買い物に至るまでの流れを自然につなぐ導線設計を導入しています。ショップを展示ストーリーの最終章と定義し、日本酒への親しみや理解を深めながら、気に入った商品を選ぶ一続きの体験へと高めています。
一方、国内旅行では、旅行者数の伸びを上回って旅行消費額が増えています。観光庁が発表した2026年4〜6月期の「旅行・観光消費動向調査(1次速報)」によると、日本人国内旅行の延べ旅行者数は1億4,958万人(前年同期比3.3%増)となった一方、旅行消費額は7兆5,361億円(同11.7%増)となりました。1人1回当たりの旅行支出(旅行単価)も5万381円(同8.2%増)と上昇しています。
特に宿泊旅行に限ると、旅行者数が同6.4%増であるのに対し、消費額は同13.6%増、旅行単価は7万6,947円(同6.8%増)に達しており、訪れる人数の増加以上に消費額が拡大する傾向がみられます。国内旅行市場においても単価の上昇傾向が示されるなか、観光施設にとっては単に来訪者を増やすだけでなく、滞在中の体験をいかに充実させられるかが焦点となっています。
テーマパークから歴史的建築物、伝統産業まで多彩な資源を持つ関西は、インバウンド誘客で高い存在感を示しています。そうしたなか、梅田スカイビルに見られる「移動空間の演出」や、白鶴酒造資料館における「見学・試飲・買い物を一体的に体験できる導線設計」のように、既存の魅力を発展させて体験価値を高める試みが広がっています。関西の観光施設にとって、訪れた旅行者にどのような体験を提供し、滞在全体の価値を高められるかが、今後さらに重要になりそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)
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記事提供:EconomicNews
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