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将棋は、「組織の姿」を映し出せるのか?将棋式組織開発(TM)セミナー 実証・考察レポート第1報

一般社団法人けあとともに

将棋は、「組織の姿」を映し出せるのか?将棋式組織開

プロ棋士・将棋初心者・研修会社担当者へのインタビューから見えてきた、組織づくりの新たな可能性


[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/164701/21/164701-21-53ffd54873e2067b47cfcc68bb121eef-3900x2193.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
将棋を通じて対話・情報共有・意思決定を体験する「将棋式組織開発(TM)」実証セミナーの様子(2026.6.13 大阪府高槻市)

2026年6月13日、大阪府高槻市において、一般社団法人けあとともに(代表理事:松本瑞夫)は、
『将棋式組織開発(TM)』実証セミナーを開催しました。

将棋は、「組織の姿」を映し出せるのか?

この問いから、今回の実証は始まりました。
将棋は勝敗を競う日本の伝統文化です。一方、組織開発は、人と組織の関係性や対話、意思決定、信頼関係を育む取り組みです。一見、接点に気づけない二つですが、私たちは「将棋」という体験の中に、組織づくりに活かせる知恵があるのではないかと考え、実証を続けています。前回のプレスリリースでは、実証セミナー開催後のアンケート結果を公開しました。参加者からは、心理的安全性・対話・情報共有・主体性・自己理解などについて、多くの気づきが寄せられました。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/164701/21/164701-21-dfa190f161fe6999c14407f5a9893405-2048x1451.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
初心者と経験者がチームを組んで、メンバーと対話しながら意思決定を行う「チーム将棋」の様子

※前回プレスリリース(将棋を活用した「組織開発実証セミナー」を実施 / 2026.06.22配信)

なぜ、そのような変化が生まれたのか?

一つの疑問が残りましたが、アンケート結果だけでは、その理由までは分かりません。
そこで今回は、「プロ棋士」「法人役員(将棋初心者)」「研修会社担当者(将棋未経験者)」という異なる立場へのインタビューを実施し、実証結果を改めて考察しました。

『将棋式組織開発(TM)』とは

『将棋式組織開発(TM)(以下、将棋式)』は、将棋を活用した組織開発メソッドです。
将棋を通して勝敗を競うことだけを目的とするのではなく、盤上で起きる対話、意思決定、役割分担、情報共有、そして感想戦を通して、組織の特徴や関係性を体験的に可視化することが目的です。今回の実証では、「どうぶつしょうぎ」「5五将棋」「チーム将棋」「感想戦」という流れで進行しました。
将棋経験者だけでなく、将棋初心者も同じ盤を囲み、それぞれの立場で意思決定を行い、最後に全員で振り返りを行いました。

初心者が最初に感じたもの

将棋初心者として参加した法人役員は、参加前の率直な気持ちを次のように語っています。
「チーム将棋をすると聞いていたので、チームメンバーに迷惑をかけたくないと思いました」また、「変なことを言っていると思われたくなかった」とも話しています。当日のこの感覚について、本人は「新入社員としてOJTが終わり、初めて現場へ配属された時に近い」と振り返りました。
将棋の初心者として感じた不安が、職場で新しい環境へ入る時の心理と重なっていたのです。

これは将棋だけの話ではありません。組織の中では、「分からない」「迷惑をかけたくない」「こんなことを言って大丈夫だろうか」という気持ちは、多くの人が経験します。将棋という共通の課題を前にすることで、その心理が短時間で表れました。

「何が分からないのかも分からない」

一方、安心して発言できた場面もありました。チームメンバーから「大丈夫です」「何かあればチームがカバーします」という言葉があり、表情や声のトーン、ボディランゲージからも安心感を得られたと言います。
しかし逆に、本将棋のチーム戦では、リーダーが「この後どうしましょうか」と問い掛けた時、本人は「何が分からないのかも分からない」状態だったそうです。戦略も、今どの局面なのかも、何を考えればいいのかも分からない。だから発言できなかった。本人はこの場面を「目的や方向性が見えないまま進む会議に似ている」と表現しました。
この言葉は今回の実証を象徴する気づきの一つでした。発言できない理由は、必ずしも意欲の問題ではありません。目的や情報が共有されていなければ、人は考えることさえ難しくなります。
一方、安心できる言葉や態度があると、人は自然に発言できるようになります。将棋の盤上において、その変化が短時間のうちに表れていました。

「成功体験が思考の幅を狭める」

今回実証セミナーには、日本将棋連盟プロ棋士・船江恒平七段にも参加いただきました。船江七段は、チーム将棋を振り返り、次のように話しています。

「最善手は一人では見つからない」

この言葉は、講演テーマであるとともに、今回の実証全体を象徴する一言でした。
実際の対局では、一人では気付かなかった着想が、チームで情報を共有することで自然と生まれる場面がありました。「5五将棋」では、将棋経験者だから必ず正しい判断をしていたわけではありません。経験者ほど過去の成功体験から大駒を優先する一方で、将棋初心者が固定観念にとらわれずに、本質的には「良い一手」を選んでいた場面もあったといいます。これは、企業組織にも共通する現象ではないでしょうか。
経験は大きな強みです。しかし、時には過去の成功体験が思考の幅を狭めることもあります。一方で、経験の少ない人や異なる立場の人だからこそ見える視点があります。チームで最善手を探すという営みは、企業における意思決定にも重なる場面でした。

初心者リーダーが、なぜチームを機能させることができたのか?

今回の実証には、左藤史香さん(株式会社アイ・イーシー|ラーニング・システム開発局 企画開発部 セールスコーディネート室)にも参加いただきました。左藤さんは、将棋初心者(未経験者)でありながら、チーム将棋ではリーダーを務めました。

本人は「頼りないリーダーだったと思います」と振り返ります。しかし、インタビューを整理すると、実際には違う姿が見えてきました。「分からないことは素直に相談する」「経験者へ役割を任せる」「タイムアウトの判断は得意な人へ委ねる」「最低限必要なことだけ教えてもらい、自分はチーム全体を見る」などにより、結果として、初心者リーダーのチームは自然と機能していました。

左藤さんは、「専門知識がなくても、チームを信頼し、任せることで前へ進めることを体感しました」と話しています。これは、専門部署へ着任した新任管理職にも重なる姿ではないでしょうか。
リーダーは、すべてを知っている必要はありません。チームを信頼し、個々の強みを引き出すことも、リーダーシップの一つであることが盤上で可視化されていました。

将棋ではなく、「組織」を見ていた

左藤さんが最も印象に残ったと話したのは、将棋そのものではありません。それは、人の行動です。
同じチームの中で、「誰が最初に声を掛けるのか」「誰が周囲へ相談するのか」「誰が状況を整理するのか」「誰が場を和ませるのか」「誰が判断を引き受けるのか」ということ。
さらに印象的だったのは、「何もしないことも、一つの行動として見えてくる」という気付きでした。共通課題に向き合うことで、普段の職場では見えにくい行動特性が、盤上では自然と表れていました。

『将棋式』が観察しているのは将棋の強さではありません。人がどのように考え、どのように相談し、どのように任せ、どのように意思決定しているのか。その組織行動です。

研修会社は何を評価したのか?

左藤さんは、参加者であると同時に、研修会社としての視点からも今回の実証を見ていました。最初に『将棋式』の話を聞いた時、「将棋と組織開発が結び付くのだろうか」という疑問があったそうです。しかし、実際に体験した後、その見方は大きく変わりました。
特に印象に残ったのは、「将棋を学ぶ研修ではなく、組織を学ぶ研修になっている」という点でした。
さらに、企業ごとの課題に応じて、「心理的安全性」「主体性」「意思決定」「チームビルディング」「コミュニケーション」など、同じプログラムでも切り口を変えて提案できる可能性を感じたと話しています。
また、「考えるだけでは終わらず、行動を変えたくなる」という点も高く評価されました。
「相談する」「任せる」「背景を共有する」「相手の立場を考える」など、将棋を体験していたはずが、気付けば職場での自分自身を振り返っていた。左藤さんは、その変化こそ、このプログラムの価値ではないかと語っています。

共通して見えてきた「組織の姿」

[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/164701/21/164701-21-c2d8aec9442ac0d53e67deec9bba3d65-1536x1024.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図:実証とインタビューをもとに、今回の考察から見えてきた「盤上の出来事」と「職場で起きること」の対応関係

今回の実証では、プロ棋士、法人役員(将棋初心者)、研修会社担当者(将棋未経験者)という、それぞれ異なる立場から話を伺いました。経験も役割も異なります。しかし、インタビューを整理すると、不思議なほど共通して語られていたことがありました。
それは、「将棋」そのものではなく、「組織」で起きている現象でした。

例えば、「安心できる場があると、人は発言しやすくなる」「情報や目的が共有されていなければ、何を考えればよいか分からなくなる」「経験は大きな強みである一方、固定観念にもなり得る」「初心者や異なる立場の人がいることで、新しい視点が生まれる」「分からないことを認め、相談し、任せることで、チームは前へ進み始める」ということ。そして、感想戦によって「自分やチームの行動を客観的に振り返る」ことができる。

これらは、将棋の話であると同時に、企業組織の話でもありました。盤上で起きていたことは、職場で日々起きていることと重なっていたのです。

私たちが今回見つけた、一つの可能性

今回の考察は、一度の実証で何かを結論づけるものではありません。しかし、「実証結果」「アンケート」「立場の異なる三者へのインタビュー」を重ね合わせたことで、一つの可能性が見えてきました。それは、「将棋は、人と組織の関わり方を映し出す場になり得る」ということです。

将棋には、長い歴史の中で育まれてきた知恵があります。
「限られた時間で判断すること」「相手の立場を考えること」「局面全体を俯瞰すること」「仲間と情報を共有すること」「対局後に感想戦を行い、自分自身の判断を振り返ること」などです。

これらは、現代の企業組織においても大切にされている要素ではないでしょうか。
『将棋式』とは、その知恵を現代の組織づくりやマネジメントの言葉へ置き換えながら、その可能性を探究する取り組みです。

次の一手

今回の考察は、「将棋式組織開発(TM) 実証・考察レポート 第1報」です。
今後、企業への導入や継続的な実証を通じ、「管理職育成」「チームビルディング」「心理的安全性」「対話文化の醸成」「組織開発への応用」など、さまざまな観点で検証と考察を積み重ねていきます。
一人の考案者としてだけではなく、参加者、企業、研修会社、プロ棋士、そして将棋に関わる多くの方々とともに、この可能性を育てていきたいと考えています。

将棋で組織開発ができるのか?

その問いに対する答えは、まだ探究の途中です。しかし、今回の実証を通じて私たちは確かな手応えを得ました。日本の伝統文化「将棋」の中に存在する知恵を、現代の組織づくりへ活かす。その可能性を実証と考察を重ねながら探究してまいります。

【一般社団法人けあとともに】

「企業の介護離職防止」を目的に、組織開発、ファイナンシャルプランニング、看護、産業保健、仕事と介護の両立支援など、専門性を持つ多職種の専門家が連携し、企業や地域をワンストップで支援する団体です。また、将棋を活用した新しい組織開発メソッド『将棋式組織開発(TM)』の実証・研究を進め、心理的安全性や対話、意思決定など、新たなアプローチを探究し、日本の伝統文化を現代の組織づくりに活かす新たな価値の創出に取り組んでいます。

公式ホームページ:https://keatomo.jp/

本件に関するお問い合わせ先

一般社団法人けあとともに
担当:代表理事 松本瑞夫
E-mail:info@keatomo.jp
上記ホームページのお問い合わせフォームからも受け付けています。

プレスリリース提供:PR TIMES

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記事提供:PRTimes

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