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膵臓疾患におけるロボット支援下手術の成績を報告

学校法人藤田学園

─胆管合併症の予防手技と高齢者への安全性を示す2本の論文を発表─

藤田医科大学病院(愛知県豊明市)総合消化器外科は、膵臓疾患に対する低侵襲手術として2009年より全国でも先駆けてロボット支援下手術を導入し、これまでに多くの実績を積み重ねてきました。
このたび、藤田医科大学病院 総合消化器外科の髙原武志教授、内田雄一郎講師らの研究グループは、国内有数のHigh volume centerである岡山大学病院(岡山県岡山市) 消化器外科の藤原俊義教授、肝・胆・膵外科の高木弘誠講師らと共同で、ロボット支援下膵切除術に関する研究を実施しました。
研究では、ロボット支援下膵頭十二指腸切除術において、術後に胆管炎や胆管狭窄などの胆管合併症が発症することがある点に着目。手術時に一時的内瘻ステントを胆管に留置することで、これらの合併症を予防できることを明らかにしました。また、ロボット支援下膵切除術は80歳以上の高齢の患者さんに対しても、非高齢の患者さんと同等の安全性で実施できることも示しました。
これらの研究成果は、米国胃腸内視鏡外科学会および欧州内視鏡外科協会の公式ジャーナルである「Surgical Endoscopy」(2025年9月号)ならびに欧州の癌関連の学術ジャーナル「Cancers」(2025年9月号)に掲載されました。
論文URL : 
https://link.springer.com/article/10.1007/s00464-025-11805-2
https://www.mdpi.com/2072-6694/17/18/3038


<研究成果のポイント>

ロボット支援下膵頭十二指腸切除術において、手術中に胆管内に一時的内瘻ステントを留置することで、術後合併症である胆管狭窄の発生が69%減少したことを世界で初めて報告しました。
ロボット支援下膵切除術を受けた380名の患者の内、59名(15.5%)が80歳以上の高齢者でした。高齢者は基礎疾患、悪性疾患が多く、非高齢者(79歳以下)と比較して術後の入院期間は長くなりましたが、合併症の発生頻度は同等でした。



<背 景>
ロボット支援下膵切除術(膵頭十二指腸切除術・膵体尾部切除術など)は、2020年に保険収載され、低侵襲な手術治療として徐々に普及しつつあります。しかし、日本では本格的な導入から日が浅く、術後合併症の適切な予防策や、近年増加している高齢の患者さんに対する安全性・有効性など検討すべき課題が多く残されています。
藤田医科大学病院と岡山大学病院は国内でも先進的にロボット支援下膵切除術の発展をけん引するHigh volume centerであり、ともに協力して未解決の課題に取り組んでいます。



<研究手法>
藤田医科大学病院・岡山大学病院でロボット支援下膵切除術を受けられた患者さんの治療成績を 後方視的に検討しました。(胆管合併症の研究では2009年11月から2024年4月までに手術を受けられた患者さん、高齢者安全性の研究では2020年4月から2024年12月までに手術を受けられた患者さんを対象として研究を実施しました)



<研究成果>
「胆管合併症の研究」
胆管の太さが15㎜以上の患者さんでは重要な胆管合併症である遅発性胆道狭窄は発生しておらず、胆管の太さが15㎜より細い患者さんでは手術中に一時的胆管内瘻ステントを留置することで遅発性胆道狭窄の発生を69%抑制することができていました。胆管内にステントなどの人工物を留置することで、術後の胆管炎が増加することが危惧されていましたが、ステントを留置していなかった患者さんと比較しても胆管炎の発生率は増加していませんでした。(留置群17%、 非留置群30%)

「高齢者安全性の研究」
80歳以上の高齢者(59名)と79歳以下の非高齢者(321名)の治療成績を術式別に検討しました。ロボット支援下膵頭十二指腸切除術では、手術時間や出血量は高齢者(36名)、非高齢者(177名)で同等であり、術後入院期間は高齢者22日、非高齢者14日と高齢者の入院期間は有意に長かったものの、膵液漏や胆汁漏などの重篤な合併症頻度は同等でした。
ロボット支援下膵体尾部切除術でも、手術時間や出血量は高齢者(23名)、非高齢者(144名)で同等であり、術後入院期間は高齢者14日、非高齢者10.5日と高齢者の入院期間は有意に長くなる傾向が見られましたが、膵液漏などの重篤な合併症頻度は同等でした。さらに、ロボット支援下膵切除術術後の重篤な合併症のリスク因子解析では、年齢(80歳以上)はリスク因子ではありませんでした。



<今後の展開>
今回の研究成果は、今後各医療機関で治療方針決定の参考となることに加え、最終的には膵疾患患者さん全体の治療成績の向上が期待されます。藤田医科大学病院は今後も岡山大学病院などの国内医療機関と連携して、ロボット支援下膵切除術の安全性向上に取り組んでいきます。



<文献情報>
論文名:Impact of internal stent placement on late biliary complications after robot‑assisted pancreaticoduodenectomy
掲載誌:Surgical Endoscopy
著 者: 内田雄一郎, 高木弘誠, 髙原武志, 藤智和, 木村大輝, 安井和也, 伊藤綾香, 西村彰博, 福岡裕貴, 谷脇慎一, 岩間英明, 小島正之, 宇山一朗, 藤原俊義, 須田康一
DOI: 10.1007/s00464-025-11805-2
 
論文名:Outcomes of Robotic Pancreatectomy in the Octogenarian: A Multicenter Retrospective Cohort Study
掲載誌:Cancers
著 者:高木弘誠, 内田雄一郎, 藤智和, 髙原武志, 安井和也, 西山岳芳, 宇山一朗, 須田康一, 藤原俊義
DOI: 10.3390/cancers17183038









本件に関するお問合わせ先
https://www.fujita-hu.ac.jp/
学校法人 藤田学園 広報部 TEL:0562-93-2868 e-mail:koho-pr@fujita-hu.ac.jp

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