弘前大学が第3回太宰治記念「津軽賞」の表彰式を挙行 ― 個人部門・グループ部門の最優秀賞受賞者を大学に招待し、キャンパスツアーも実施
弘前大学

弘前大学(青森県弘前市)は3月26日、第3回太宰治記念「津軽賞」の表彰式を開催した。これに伴い、最優秀賞「津軽賞」を個人部門で受賞した山形県立谷地高等学校3年の東海林彩華さん、グループ部門で受賞した青森県立五所川原農林高等学校3年の中里心南さんと2年の小田桐優羽さん、石岡慶太さんを同大のキャンパスに招待。表彰式後には、大学の施設や太宰治の文学碑などを見学するキャンパスツアーも行った。
「津軽賞」は、弘前大学の前身の一つである旧制官立弘前高等学校出身の太宰治中期の傑作として名高い小説『津軽』にちなんで設立されたもの。高校生が自らの地域を探究し、自分が本当に学びたいことに気づいてもらうことを目的としており、自らの地域についてオリジナルな視点で研究・執筆された小論文を分野ごとに募る。
第3回コンテストは、昨年9月から10月にかけて、個人・グループの2部門で小論文を募集。全国の高校生から377件(受賞数は26件(個人部門15件、グループ部門11件)、うち青森県内は9件)の応募作品が寄せられた。
選考の結果、個人部門では山形県立谷地高等学校 3年の東海林彩華さん、グループ部門では青森県立五所川原農林高等学校 3年の中里心南さん、2年の小田桐優羽さん、石岡慶太さんのグループに、最優秀賞である津軽賞をそれぞれ授賞。3月26日に2組を弘前大学に招待し、表彰式を執り行った。
個人部門で受賞した東海林さんは、欄間の醸し出す日本的風情や情緒について、文学を引用して表現することで欄間の意義を深く語りかける小論文を執筆。審査員からは、欄間という身近な存在が静かながら実は確かに内包している郷土への愛や祈りを見出したとの講評を受け、短い論文の中でしっかりと読者の心に訴えてきており、読後に清々しい気持ちを抱かせる作品であると、高く評価された。
東海林さんは「津軽賞を受賞できたのは、多くの方からのご協力、先生方からご指導していただいたおかげだと思っている。今後は県外の欄間にもふれ、隠された思いを知り、多くの人に欄間を知っていただけるよう精進していきたい」と、今後の抱負を語った。
グループ部門で受賞した中里さん、小田桐さん、石岡さんは、先輩の研究を引き継ぎ、未利用リンゴの活用に取り組んだ。活用先としてフードバンクに着目し、地域企業や全国のこども食堂と連携して子どもの共食の体験機会を創出。活動成果の解析においては、アンケートで得たテキストデータを元に複数の視点から分析した。研究の過程でさまざまな工夫や努力があったことや、得られた結果が活動の有用性をクリアに示していたことなどが高評価に繋がった。
3人は「今回、津軽賞を受賞できてうれしく思っている。また、自分たちがリンゴを育てていく中で出てくる、未利用リンゴを届けた際、多くの方から『ありがとう』という言葉と笑顔をもらうことができて、このシェアップルという活動にやりがいを感じることができた」とコメントした。
審査委員長を務めた岡﨑雅明副学長は「津軽賞の論文を書くということを通して、論理的思考力が磨けたと思います。今後の活躍に期待しています」と、受賞者らにメッセージを贈った。
表彰式の後には、キャンパスツアーを実施。受賞者らは大学構内を巡り、大学の施設や太宰治の文学碑などを見学した。
なお、第4回弘前大学太宰治記念「津軽賞」の公募開始は2025年秋を予定している。
■第3回 弘前大学太宰治記念「津軽賞」受賞者
【最優秀賞】
●個人部門
「欄間が伝える日本家屋の様式美を通して見える世界と対話する ~河北町 豪農 安部権内家~」
山形県立谷地高等学校 東海林彩華(3年)
●グループ部門
「社会関係資本を育む『シェアップル』の活用に関する研究」
青森県立五所川原農林高等学校 中里心南(3年)、小田桐優羽(2年)、石岡慶太(2年)
※受賞結果詳細については「太宰治記念 津軽賞」特設サイト(
https://tsugarusho.hirosaki-u.ac.jp/award/award-2024/ )を参照。
(参考:弘前大学公式サイト内)
・第3回 弘前大学太宰治記念「津軽賞」表彰式を挙行しました
https://www.hirosaki-u.ac.jp/topics/102054/
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https://www.u-presscenter.jp/article/post-54523.html
・弘前大学が太宰治記念「津軽賞」第2回地域探究論文高校生コンテストの表彰式を挙行(2024.03.29)
https://www.u-presscenter.jp/article/post-53050.html
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/




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