東洋大学 学生ボランティア団体「こもれび」が、能登の復興を支える観光アプリ『めぐり』をリリース ― 被災地の"いま"を伝え、人と地域をつなぐ学生発プロジェクト ―
東洋大学

東洋大学(東京都文京区/学長・矢口悦子)の情報連携学部の学生5名からなるボランティア団体「こもれび」は、能登半島地震の被災地支援と観光振興を目的としたスマートフォンアプリ『めぐり』を2025年10月にリリースしました。被災地を「訪れる」「知る」「支える」体験を通じて、現地の人々と利用者をつなぐことを目指しています。
<アプリ特設ページ>
https://komorebi-volo.com/meguri/meguri.html
■アプリ開発の背景
「こもれび」は、「相手が本当に求めている支援を、自分たちで考えて実行したい」という想いで立ち上げた、学生による任意団体です。団体代表の布施拓真さん(情報連携学科2年/2025年11月時点)は、中学・高校の頃からボランティア活動に関心を持ち、大学進学後もその想いを形にしようと仲間とともに行動を始めました。布施さんは東洋大学で募集していた能登ボランティア活動に参加し、現地で多くの人々と出会いました。活動を通して、「被災地の支援は一度きりではなく、継続して関わることが大切だ」と強く感じたと言います。しかし、布施さんは、学生にとって現地での活動は長期休みや週末に限られてしまうという課題を感じます。その中で、「自分たちの得意なITやビジネスという分野を生かして、現地に関わり続ける方法」を模索しました。その結果、生まれたのがこのスマートフォンアプリ『めぐり』です。
■学生ボランティア団体「こもれび」について
こもれびは、2024年、「自分たちの強みで、相手が本当に求める支援をしたい」という想いから、東洋大学の学生4名で設立しました。被災地の想いを聞き、寄り添う活動を大切にしています。現在は、能登半島の観光復興を目的としたアプリ開発や、児童養護施設での支援活動を中心に行っています。
<こもれびWebサイト>
https://komorebi-volo.com/
■『めぐり』の機能
スマートフォンアプリ『めぐり』は、能登半島地震の被災地支援と地域観光の促進を目的に開発された能登観光アプリです。震災後の現地の最新情報を発信し、地域の方々と訪問者をつなぐことを目指しています。主な機能は以下の5つです。2025年11月時点は輪島市の情報が掲載されており、今後は能登半島の各所の情報を掲載予定です。
また、俳優の常盤貴子さんにアプリ内の観光スポットの音声ナレーションをご協力いただいております。「こもれび」の代表である布施さんが、テレビ番組で能登でのボランティア活動に取り組む常盤さんの姿を見て感銘を受けオファーしたところ、快く協力をいただき、様々な場面でともに活動いただいております。
① 観光スポット:能登半島各地の観光スポットや復興の様子を、音声ガイドで紹介します。俳優・常盤貴子さんがナレーションに協力しており、現地の風景に込められた想いや物語を声で届けます。現地訪問時だけでなく、遠方からでも再生可能です。
② 飲食店情報:能登半島内の飲食店情報を掲載しています。震災後の最新の営業状況を反映し、営業を再開している店舗のみを登録しています。
③ 観光マップ:能登の観光スポットと飲食店が表示されるGPSマップです。観光スポットに行くと、スポットを紹介するナレーション音声が流れます。
④ 復興ストーリー:能登で活動している方々へのインタビューを元に作成した記事を収録。震災から現在に至るまでの歩みを知ることができます。記事は学生自身が取材・撮影・執筆まで担当しています。
⑤ 避難場所マップ:緊急時に使える指定緊急避難場所情報を表示したGPSマップです。事前にダウンロードすることで、通信環境がなくても使うことができるため、防災アプリとしての役割も担っています。
『めぐり』アプリは、AndroidまたはiOSスマートフォン、タブレットで使用できます。
■"めぐり"に込めた想い
"めぐり"には、能登の美しい自然や食文化、人々の温かさなど、地域の魅力を"めぐる"体験を届けたいという想いが込められています。震災を経ても変わらずそこにある風景や営みを通じて、訪れる人が新たな発見や出会いを重ねていけるようにと願っています。また、開発の過程では、多くの地元の方々にご協力をいただきました。現地で交わした言葉や笑顔は、一生の宝物であると感じており、このアプリは、そうした「人とのめぐり逢い」に支えられて生まれたものでもあると考えています。時の流れの中で、能登に再びたくさんの楽しいこと、幸せなこと、嬉しいことがめぐってくることを願って「めぐり」は、未来へつながる想いを形にしたアプリです。
■「こもれび」代表、アプリ開発者 布施拓真さん コメント
今回、無事にアプリをリリースできたことをとても嬉しく思っています。ここまで来られたのは、現地の方々をはじめ、多くの方のご支援・ご協力のおかげです。心より感謝申し上げます。開発で一番苦労したのは、チーム全体で目標を共有し続けることでした。活動の中では、メンバーがそれぞれの作業に集中するあまり、全体の目的を見失いかけることもありました。そうしたときこそ、「なぜ私たちはこの活動をしているのか」をみんなで改めて考え、目標を再確認するようにしてきました。この経験を通して、仲間と共に目標を追うことの難しさと、やりがいの大きさを実感しました。とはいえ、アプリはまだ発展途中だと感じています。情報面では充実してきましたが、「使ってみたい」「誰かに勧めたい」と思ってもらえるような魅力づくりには、まだ伸びしろがあると考えています。2025年12月28日にアプリの大幅なバージョンアップを予定しており、現地へ行く方も、遠くから応援する方も楽しめるようなアプリを目指しています。ぜひご期待ください。
■東洋大学の能登半島復興支援について
2024年1月の能登半島地震や9月の奥能登豪雨を受け、東洋大学では全学的な支援体制を構築するべく、現地視察等を経て学生・教職員による能登ボランティアチームを結成しました。現在まで計242日間にわたる継続的な現地ボランティア活動を実施し、学生延べ221名、教職員延べ71名が参加しました(2025年11月現在)。2024年の春季には石川県志賀町でがれき撤去などのボランティア活動を始め、5月の連休や夏季にも輪島市、珠洲市で活動を実施。秋季には豪雨被害地域の汚泥処理や仮設住宅の支援、冬季には高さ数メートルに積もった雪かき作業等を行いました。2025年度も途切れの無い復興支援を行い、被災地の未来を共に"想像"し、その実現に向けた"創造"的な活動を目指しています。被災者と共に活動する中で、復興だけでなく地域文化の継承や人々の「つながり」の大切さを認識し、今後も大学全体の知見を活かした包括的な支援を行っていく方針です。
参考:令和6年能登半島地震ボランティア(ボランティア支援室特設サイト、東洋大学報)
https://sites.google.com/toyo.jp/volunteer/top/noto2024report
https://www.toyo.ac.jp/about/gakuhou/backnumber/276_03_volunteer/index.html
■東洋大学のボランティア活動について
東洋大学は、創立者・井上円了の理念「諸学の基礎は哲学にあり」のもと、「主体的に社会の課題に取り組む」「他者のために自己を磨く」という教育理念、東洋大学の心を具現化するために、社会貢献を柱のひとつとした人材育成を行っています。その取り組みのひとつがボランティア活動であり、本学では学生団体、教職員・学生によるゼミ他の活動等、多岐にわたる社会貢献活動を実施してます。それらの活動を大学全体で支えるため、「ボランティア支援室」を設置し、ボランティア活動をするための情報提供や助言の他、専門スタッフ(ボランティアコーディネーター)配置、ボランティア先の開拓、学生とのマッチング、実施後の検証等を全学的に実施するなど、学びを社会に還元する実践を続けています。
参考:令和6年能登半島地震復興支援Professor's Scoop
https://www.toyo.ac.jp/about/gakuhou/backnumber/276_04_professor/index.html
▼本件に関する問い合わせ先
東洋大学広報課
メール:mlkoho@toyo.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/

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